見出し画像

夜に口笛を吹くとなぜ蛇が出るのか? 神社とお寺の“音程の違い”について考えてみた #1

こんばんは。一年以上ぶりの更新となってしまいましたが、ライターながら筆不精ないかり豆太郎がお送りします。

この1年、離婚や2回の転職、アルコール漬けの毎日と、ずいぶんディープな体験をさせてもらいました。

「人生って、一筋縄にいかないもんだな~」と鬱々とした日々を過ごす中で、ついどうでもいい空想に耽るようになっていまして。今回のテーマも、そんな文脈でふと思いついた些末事とお考えいただけますと。

そもそもこの違いに気が付いたのは、小さい頃におばあちゃんから言われたこんな言葉を思い返したからでした。

「夜に口笛を吹いちゃだめ。蛇が出るから」

みなさんのなかにも、似たようなことを言われた経験がある方は多いと思います。

蛇が出る=行為の抑止

とはいえ大人になった今、いくら夜に口笛を吹いて蛇なんか出てきたためしがありません。では、なぜ「夜に口笛を吹くと蛇が出る」といわれるのか。その起源は諸説あるようですが、少なくともここで「蛇」を持ち出しているのは、“行為の抑止”という意味合いがあるのは間違いない、というか当たり前でしょう。

田舎育ちの僕にとって、蛇の怖さは身近なものでした。小さい頃、道の脇から音もなく這い出てくるアオダイショウに何度遭遇したことか。蛇ににらまれた蛙さながら、その場から一歩も動けなくなっていました。

そして、子供時代なんて「ダメ」と言われれば、むしろ進んで規則を犯してみたくなるもの(少なくとも僕は)。それを“恐怖=蛇が出る”というストッパーをかけることで、口笛を吹くという行為をやめさせる。

ちなみに同じく子どもの頃によく聞かされた、「もったいないおばけ」も同じような文脈です。夕ごはんを残そうとすると、よくばあちゃんにビビらされていました。世の妖怪譚の多くは、子どもへの抑止力をもたせるために創作されたものが多いんです。

蛇は「幽霊」のマイルド表現 

世界各地の神話において、人間に災厄をもたらす悪しき存在として描かれることの多い蛇。手も足もないツルッとした細長い見た目に、毒のある牙。蛇に対しては、そういう歴史性やビジュアルの禍々しさもあるんですが、ここで注目したいのは漢字の読み方です。

訓読みは「へび」ですが、音読みにすると「じゃ」となります。つまり、邪悪の"邪”にも通ずる。件のホラーストーリーでは、「邪(よこしま)な存在=悪霊・怪異」の比喩として蛇を持ち出しているのではないでしょうか。

ちなみに蛇以外にも、猫は「病(びょう)」、狸は「離(り)」と音通しているという説もあります。詳しくは、高山宗東著『もののけ解題 妖怪ばなし七変化―――常識では判別できない怪しい存在』をチェック。

幽霊が出るから口笛を吹いちゃダメーー。核爆弾級の抑止力はありますが、子どもにとってはあまりに直接的な言い方です(幼少期の僕であれば確実にトラウマになっていました)。そうではなく、不吉の象徴として想起しやすい「蛇」を持ち出して、間接的に行為の抑止を促そうとしていると考えれば納得できます。

高音は霊を呼び寄せる音域説

つまり、口笛を吹くと霊が寄ってくるということ。とある除霊師から聞いた話なんですが、霊を祓う際に口笛をピッと鳴らすと言っていました。さらに霊障といわれる耳鳴りやラップ音も、必ずといっていいほど高音が鳴ります。「夜に爪を切ってはいけない」というのも類義でしょう。

また人間の可聴音域は20hz〜20khzほどですが、イルカはさらに高い100hz〜150khzの周波数でコミュニケーションをとっているといわれています。人間が聞き取れない周波数域に霊体は存在していて、おそらく高音は霊との交信が図りやすい音域なのではないでしょうか。

ということでやっと本題にたどり着きました。“音程“という切り口で物事を捉えてみると、神社は高音、お寺は低音で構成されていることに気づきました。さらに“見えざる者との交信”という観点を加えると、なぜ両者で違いが生まれるのか、妙に納得できる説明を思いついたわけです。

大変恐縮なのですが、そろそろ酒を飲みたくなってきたので、続きはまた次回……すみません! 結局、ふつうの内容になっちゃいました。Have a nice fucking day!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?