
いつからトミーになったかという話
今のバンドを組んでもうすぐ26年目に入る。
高校の軽音楽部で組んでいたコピーバンドを除けば、最初のバンドである。
なんでトミーなの?(笑)
なんでthe HANGOVERSなの?(笑)
と言われても、当時に遡ってクソガキだったぼくに訊いてくれと思う。
というフラストレーションを抱えてもう20年ぐらい経つ。
ザ・ハングオーヴァーズは大学のサークルで結成し、
数年間はメンバー全員が本名で活動していた。
改名のきっかけはThe Hellacoptersの来日公演を観たことだ。
4th『High Visibility』のツアーで、会場は渋谷クラブクアトロ。
これが凄まじくかっこいいライブだった。
当時のうちのベーシストと、サークルの先輩でFARMSTAYというバンドのドラマーのまさおさんと一緒に行ったと思う。うちの当時のドラマーはその日バイト(塾講師)で行けなかった気がする。違うかも。ドラマーはいて、ベーシストはいなかったのかも。加入前のシンディさんもいたのかも。全員いたのかも。もう忘れた。とにかくまさおさんは確実にいた。その日FARMSTAYは渋谷屋根裏でライブがあり、まさおさんは自分のライブとクアトロをハシゴしたのである(ぼくもハシゴした)。ちなみにまさおさんとはAC/DCの横浜アリーナにも一緒に行った。
そのThe Hellacoptersがラモーンズ式に全員ヘラコプター姓を名乗っており、ライブの興奮さめやらぬままぼくたちは、彼らにあやかってハングオーヴァー姓を名乗ることを決めた。オレはトミーだオレはイギーだと熱くなり、夜の部室で長椅子の下にもぐりこんで、座面の裏側にマジックでトミー・ハングオーヴァーとでっかく書いた。
これがトミーの由来である。
その後はトミー・ハングオーヴァーを名乗り続けていたが、2005年に当時のマネージメントと契約したときにトミーはいいけどハングオーヴァーはやめようなと言われてただのトミーになった。そういうときはけっこういいこちゃんな私。
the Hellacoptersのフロントマンのニッケ・アンダーソンはもともとスウェディッシュデスメタルの重要バンド、ENTOMBED(エントゥームド)のドラマーである。
ドカドカと唯一無二の爆走グルーヴを叩き出す彼のサイドプロジェクトという背景もあってか、1st『Supershitty to the Max!』(1996)、2nd『Payin' the Dues』(1997)はサウンドもビジュアルもハードコア、ガレージ、ハードロック的な要素が強い。1stはすごくうるさい(良い意味)。2ndはちょっと整いつつすごくうるさい(良い意味)。
3rdからストーンズ系のR&R路線になるが、ストーンズフリークのぼくとしては受け入れやすい変化であった。それ以降は基本的にずっと同じことをやり続け、どこを聴いても気持ち良いAC/DC的な金太郎飴バンドである。
3rd『Grande Rock』(1999)は鍵盤の貢献度が高い乾いたR&R、4th『High Visibility』(2000)はツインギターの絡みが主役の湿ったUKブルーズロックで、この2枚はとにかくよく聴いた。特に、渋谷クアトロで観たライブが良かったこともあって『High Visibility』は聴きまくった。ちなみに、このアルバムで活躍し、ライブでも惚れ惚れするほどかっこよかった金髪ギタリストのロバート・ストリングスは2017年に亡くなっている。
この記事を書くためにCDやレコードを引っ張り出したところ、2ndと4thのCDにサインが入っていた。インストアイベントか何かあったのだろうか。あった気もする。なお2ndにもロバートのサインが入っている(2ndは彼の加入前)。
そして、改めてずらっと聴いてみると、思い入れが強い3rdと4thだけでなく、2ndも自分にかなり染み込んでいることに気付いた。
そんなthe Hellacoptersの新譜『Overdriver』がこないだ出て、相変わらずとても良いです。相変わらずジャケもダサくて良いです。
いいなと思ったら応援しよう!
