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【簡単】クローゼットを防音室に改造してみた話し

どうもじーじです。

月に2回ほどボイストレーニングに通い、週に1度は近くのスタジオで自己練習をし、週に3回ほどカラオケで歌の特訓をしております。

そんな生活を続けて早一年、歌はかなり上達し歌えるキーも2個ほど上がりました。そしてさらなる飛躍を求めて、一年越しにようやく自宅の部屋(賃貸)に防音室を作ろうと決心しました。今回は低コストでかつ手間を抑えたクローゼット防音室の作り方をご紹介します。

防音室を作る方法

防音室を作る方法は大きく分けて2つあります。

【方法1】ゼロからDIY

費用(安さ)  :★★★
手間(手軽さ) :☆☆☆
遮音性(防音度):★★☆

これは手間がかかりますが、一番安上がりです。

後述の既製品と同じサイズの防音室を作るとしたら、おそらく総額5万円以内で収まると思います。

DIYの場合の遮音性ですが、こちらの動画では割と低コストの資材で-20db以上は確実に遮音出来ています。防音に必要な資材はほとんどが値段が高いほど密度や重さや厚みが増し防音性も増すので、より確実な防音性を求める方は少し値段の高い資材で揃えると良いかと思います。それでも既製品よりは全然安いレベルです。

広さが広ければ広い程、手間は掛かりますがDIYの方がコスパが良くなるので、気になる方はこちらの動画も参考にしてみてください。

【方法2】既製品の防音室を買う

費用(安さ)  :☆☆☆
手間(手軽さ) :★★★
遮音性(防音度):★☆☆

こちらは手間がほとんど掛からない方法です。

既製品で真っ先に見つかるのが、ライトルームとだんぼっちです。

【ライトルーム】Lサイズで内寸:W103×D117×H218cmの価格が¥123,617(税込)

【だんぼっち】だんぼっちグランデで内寸:W104×D104×H192の価格が¥115,900(税込)

どちらも10万円を超えてきます…

さらに防音性ですが、ライトルームは公式計測で-15db、だんぼっちは本体とは別に吸音材・遮音材を合わせないと防音性はほとんどないらしいので注意が必要です。

オススメするならライトルームですが、手間が掛からない分DIYに比べると少しコスパが落ちてきます。ちなみにヤマハさんの出している本格的な防音室だと最低でも-35dbと圧倒的な防音性ですが、同じくらいのサイズで50万円超えてきます・・。

少し、、いやかなりお部屋の広さと予算に余裕があり、歌声が話し声くらいになれば十分!という方であればライトルームはオススメかもしれません。

今回オススメするクローゼット防音室とは

クローゼット防音室とは、元々のクローゼットの気密性を活かして、中を防音にしてしまうという方法です。

費用(安さ)  :★★★
手間(手軽さ) :★★☆
遮音性(防音度):★★★

まずは費用について

DIYと同じくらいの費用で出来ます。

DIYだと壁4面+床と天井の計6面の資材を用意しなければなりませんが、クローゼットは既に壁で囲まれおり音が直接伝わるお隣さんと接している1面だけを気にすれば問題ないです。

ただDIYより安くならない理由として、手間を省く為に防音壁(もしくは防音ボード)という遮音シート+吸音材を組み合わせたボードを使用する為、そちらが少々値段が張ってしまいます。

次に手間について

DIYに比べるとめちゃくちゃ楽に出来ます。既製品を買って組み立てるのに比べれば時間は掛かってしまうので星2つにしていますが、今回のクローゼット防音化の作業時間はおおよそ8時間程度でした。

足りない資材を途中買い足した為、実際は2日に渡っての作業でしたので正確には1日4時間×2日程度でした。

遮音性について

後述で騒音測定用アプリでの計測結果を記載しておりますが、最終的にクローゼットの扉の外とでは約-36db程の遮音を実現する事が出来ました。

実際にクローゼット防音室を作ってみる

実際に今住んでいる間取りがこんな感じです。

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物入の中身がこんな感じです。

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ここから設計を考えます。

ちなみにハンガーを掛ける棒はネジを外し、洋服掛けは別途用意しました。

【設計ポイント1】

お隣さん側には遮音性の高い鉛の遮音シートが合わさった防音壁を用意。

【設計ポイント2】

正面に関しては部屋の中に面する(そこまで遮音しなくても良い)ので、上の棚から地面までを密閉できる安価で適度な遮音性の防音壁を用意。

【設計ポイント3】

下の階の方もいらっしゃるので、念のため防音マットを用意。

【設計ポイント4】

レコーディング用に音の反響も抑えたかったので、既存の壁面と天井にはウレタンの吸音材を用意。

そして完成したものがこちらです。

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お隣さん側には掃除用具等の細長い系を収納したかったので、20cm程開ける事にしました。(隙間を開ける事での防音効果も少し期待)

順番に使用した資材を紹介していきます。

①お隣さん側の防音壁

こちらにはピアリビングさんのワンタッチ防音壁(プロ)を使用しました。ちなみにプロとスタンダードの違いは遮音材で、プロは鉛シートを使用しており、一般的な遮音シートと比べて3倍の遮音性があるようです。

お隣さん側の壁はこの商品一択でした。その理由は必要なサイズが600x1665mmの防音壁を用意しなければならず、既製品はだいたい600x900mmか900x900mmか2パターンしかサイズがない為、サイズ加工が可能なこちらの商品だけが選択肢となりました。

防音壁2枚と加工代+ジョイナーで約5万円程となりました。

②正面を塞ぐ適度な遮音性の壁

こちら入り口の扉にもなるので、移動しやすく適度な遮音性がありそうなものを選びました。これもサイズ探しに苦労しました。正面を塞ぐ為に最低でも1200x1670mm程度の面積が必要でだった為、少しサイズオーバーですがクローゼット内には収まるのでこちらにしました。価格は約2万円です。

ですがこちら吸音材として売られており、遮音性能が有ると勘違いしてしまっていたため完全に音を通してしまい、慌てて鉛シートを3枚程買い足し貼り付けました。

正面から見るとこんな感じです。

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鉛不足で中途半端な状態になってしまいましたが…汗

これでも鉛シートの部分はしっかり遮音してくれました。

ただ、後から調べ直したら安くて良さそうな資材を見つけました。

その名も鉛遮音複合板
https://www.yamayuu.net/SHOP/914596/914601/list.html

これとこちらの吸音ボードを貼り合わせた方がもっと安くて防音性の高い壁に出来たと思います。

③下の階用の防音マット

床はそこまで神経質にならずとも安いジョイントマットを2重にする等でも良いと思いますが、そこまで高額でなかったので念のため防音用のものにしました。

④音の反響を抑える吸音材

吸音材は色んな形状の商品がありますが、あまりにも安いものだけは避けて選びました。

こちらも1つ反省点として、1枚が500x1000mmで大きくて、貼り付け作業が大変でした。特に天井は接着剤が固まるまで重さでペラペラ剥がれてくるので、細切れの方が貼りやすいです。

それから、吸音材を貼る際に使用した接着剤がこちら。

以上がメインの資材となります。

その他に細かい資材として下記も使用しましたので、必要に応じて参考にしてください。

・養生テープ(壁との接着面は全て養生テープで保護)

・超速硬化型のボンド(鉛シートを剥がれにくくする為に使用)

・防音テープ(壁と防音ボードとのちょっとした隙間を埋めるのに使用)

防音性を騒音アプリでの計測(750Hz音源を使用)

① 音源の目の前
② ワンタッチ防音壁の裏側
③ NiCSo Twofoldの吸音ボードの外側(鉛シート有り)
④ クローゼットの扉の外側

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今回クローゼットの扉の外と比較すると約-36dbの防音に成功しました。

ワンタッチ防音壁は既製品なだけあって流石という感じで、③のNiCSo Twofold+鉛シートだけではやはり不十分でした。

【補足】鉛シート0.3mm 有り・無しの比較

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今回使用した厚さ0.3mmの鉛シートは、約-13db程の遮音性である事が分かりました。

今回の費用総額と反省点

今回掛かった費用の総額

遮音性の高い防音壁(サイズ加工有り):約5万円
遮音性の低い防音壁(鉛シートでカスタマイズ):約3.7万円
防音カーペット:約0.5万円
吸音材+接着剤:約1.3万円
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総額:約10.5万円

おや、費用が10万円を超えてしまいました・・・。

反省点

今回見た目にこだわり既製品をたくさん使用したので、かなり費用がかさんでしまいました。その分手間はかなり省けましたが・・今すぐ作り直したい気持ちでいっぱいです。。

クローゼット防音室のオススメ防音資材

防音室を作る上で、やはり壁の遮音に一番費用が掛かったため、今回使用は出来ませんでしたが、私が調べた限りでベストな防音壁のオススメをご紹介します。

オススメ遮音材

先ほども軽くご紹介した鉛遮音複合板です。

スクリーンショット 2020-01-06 1.10.51

こちらの商品は遮音に必要な鉛シートを板に貼り付けた物です。

さらに、こちらの板(石膏、ベニア、ケイカル)はカッターで切れますので、お好みのサイズに簡単に加工が可能です!

騒音アプリでの測定では、鉛シート0.3mmで約-13dbの遮音性でしたので、鉛0.5mmで1.6倍の-20db、鉛1.0mmで3.3倍の-42dbの効果が見込めます。

あくまで概算ですが、こちらの鉛遮音複合板と合わせて吸音材を使用すればさらに防音性は増すので、おおよその遮音性として参考にして頂いて問題ないかと思います。

オススメ吸音材

鉛遮音複合板の上に合わせる吸音材は、一般的に良く使われているグラスウールの使用をオススメします。こちらもサイズはハサミ等で調整可能です。

また吸音材はむき出しの状態では中身が飛び散る危険がある為、吸音材の上を安価なベニア板等で覆うのが良いでしょう。もし見た目が気になるようであれば壁紙クロスを貼ると綺麗かと思います。

オススメ防音壁の費用について

仮に4面全ての防音壁をオススメ資材で作った場合の費用が下記です。

※1面が910mm×1820mmの4面分の必要資材で試算

鉛遮音複合板(鉛0.3mm+石膏ボード9.5mm)×4枚:約3.5万円
グラスウール吸音(パック入りタイプ):約1万円
ベニア板+壁紙クロス:約1万円
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総額:5.5万円

同じサイズの防音壁をワンタッチ防音壁で購入した場合

ワンタッチ防音壁 プロ 拭ける壁紙調クロス仕上げ 900×900mm × 8枚:約13.6万円

多少の曖昧さはあるものの、なんと8万円もの差が出ました!

防音室を作る上でのポイントのまとめ

・手間を掛けてでも費用を抑えたい方には防音壁を自分で作るのがオススメです。
・費用が跳ね上がっても手間をあまり掛けたくないという方には既製品の防音壁がオススメです。
・費用が跳ね上がりかつそこまで厳密な防音性を求めていないという方であれば、既製品の防音室がオススメです。

以上、クローゼット防音室を作ってみた体験談と振り返って見ての反省点でした。

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