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     ぐうたらのあなぐら

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日常で思ったこと自由に書きます。ここはぐうたらのあなぐらです。
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2024年10月の記事一覧

来たる栞日、まぼろしの福の神

来たる栞日、まぼろしの福の神

1

「ぬるいラーメンは駄目だね」
ツミツさんは車に乗り込んだ後にそう呟いて、というのも彼が先ほど食べたラーメンセットの話し。
確かに、ぬるいラーメンはいけない。
僕が食べた蕎麦は温かったけれど、量が侘しく、それに今日歌いにいくところは長野県松本、信州そば、味の文化財、、何もここで蕎麦を食わなくてよかったなあと後悔したときには、遅かった。「きつねそば」引き換えチケットがひょろり出てきたところだった

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きちんと珍奇紀行記

きちんと珍奇紀行記

きちんと珍奇紀行記

1 喫茶曲がりでのライブ 

自動車で三時間、東京へ行くことに比べれば近いもの、といったって運転するのはベースの加藤さん。
僕はやっぱりちんと座っているだけ。途中、京都駅でマンドリン弾きのジンをひろう。
朝から曇天模様、途中ざんざんざん、雨が降ってきて四方山を白けさせ、フロントガラスを激しく叩きはじめた。
幸先悪いなあ、やだなあ、何か良くない事あるんじゃないだろうかなんてのは

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月見ル君と僕にゃ宿はなし

月見ル君と僕にゃ宿はなし



僕が遠出するとなると、落し物やらなんやらの一つ二つのトラブルに見舞われるのが普通で、それを避けることは不可能の近く、殆どあきらめている。

行きの電車、切符を無くして改札を通れなくなってしまった。駅員さんに聞くと「さいどお支払いいただくしかないですね」冷酷な一言、つっけんどんに突き放されてしまう。
彼女の態度や言葉に侮蔑の念が込められていやしないかと疑心暗鬼になる。だって、一つ目の改札は潜れ

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しあわせのいどころ

しあわせのいどころ


僕についてこれば、「幸せのいどころ」に連れて行ってやるよ!そんなところで寝てないでさっさと準備しなよ(仮)

なぜ紙袋を持つと、ちょっこし特別な心持ちになるのだろう。取手がない類の紙袋、カサカサいわせて買ったものを取り出すと、紙の匂いがほんのり漂う。あの時でしか得難い、仄かな幸福の種があるような気がしてならない。
少し不便、それでも許せる。

コロッケが入った紙袋、パンが入った紙袋、ハンバーガア

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