▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼ (36)チガイがわかる・おもしろ日本語入門 ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
souy
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元NHKアナ、民放キャスター、はたまた講演講師や大学
講師などを遍歴して、その後突然スペインのバルセロナに
移住して、早や20年。
著書(最新刊)『熟年夫婦の行き当たりばったりスペイン
移住記』(地球の歩き方、ダイヤモンドビッグ社)
他に『NHKはもういらない』(三一書房)
『勉強っていやいやするもの?』(大日本図書)
「脳みそのほんとうの使い方」(日科技連出版)など
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第四章 上級編、文章の組み立てかた!
その2、ことばの接着剤 !?
前回お話ししたように、言葉は相手に思いを伝えるとともに私たちがモノを考えるための道具でもあります。そこで今回からはご一緒に、日本語を使って自分の考えを整理したり、文章を組み立てたりする練習をしていきましょう。
** そのためにまず必要なのは、言葉と言葉をつなぐ方法です! **
1) 《名詞》 + 《名詞》 ーー→ “と”
まず名詞と名詞の接着です。ご存知のように名詞と名詞をつなげるには、《と》を使います。「山と川」、「日本人と中国人」、「戦争と平和」などなど。英語では”and”、ドイツ語では”und”、スペイン語では”y”、フランス語では”et”ですね。
さて、問題はここからです!
2) 《動詞》 + 《動詞》 ーー→ “て”(“で”)
では次に、動詞と動詞をつなげてみましょう。英語では、2つの行為”drink”と
”eat”を接着するのにも”and”を使います。そう、”drink and eat”、そしてスペイン語では”beber y comer”と表現します。
けれども日本語で「飲むと食べる」と言うと、それは「飲むことと食べること」の意味であって、名詞と名詞の結合になってしまいます。動詞としてつなげた文章、たとえば ”I ate and drank yesterday.”は、日本語では「昨日、私は食べて飲んだ」です。
そう、ここでの接着剤は、《て》か《で》なのです!
ハハ、何それ?、とむずかしく考えず、ここでは各動詞のインフォーマル過去形が“た”で終わったら、それを《て》に、また“だ”で終わったら、それを《で》に変化させると考えておいてください。 “た”→《て》、“だ”→《で》ですよ!
動詞と動詞、つまり動作と動作の接続とは、基本的には一つの動作の後、次の動作、そしてその次の動作へと進行していくということです。「きのう私は朝起きて、ご飯を食べて、学校に行って、友達と遊んで、家に帰りました」とは、各動作や行動をこの順番で行ったということです。けれども時には、「昨日私は食べて飲んだ」のように、順序にこだわらず、同時に2つ3つの行動をする場合に使われることもあります。
ーー〈 欧米語との違い 〉ーー
でも注意しなければならないことがあります。それは”I ate and drank yesterday.”
の英文では、“ate”“drank”ともに、動詞がそれぞれ過去形になっていることです。
けれども日本文では「昨日私は食べて飲んだ」で、最後の「飲んだ」は過去形ですが、最初の「食べて」には時制がありません。ただつなげるだけです。たとえそれが現在形でも過去形でも、または未来形でも、いつでも「食べて」になるのです。
つまり日本語ではいくつかの動作をつなげるとき、最後の動詞以外には時制をつけず、ただ次の動作につなげるだけで、最後の動詞が現在形ならその前も全部現在形、過去形ならその前も全部過去形、未来形なら全部未来形と考えるのです。
びっくりですか? ハハ、でもコレ、合理的じゃありません?
だって最初の動作は過去形で次は未来形、その次は現在形なんて文章、動詞と動詞を直接つなげる場合にあり得るでしょうか? 殆どないですね。 そういうわけで日本語では、最後の動詞の時制がその前のすべての動詞の時制を決定することになります。
3) 《形容詞》 + 《形容詞》 ーー→ 《形容動詞》+“て”(“で”)
では形容詞の場合はどうでしょう。ご存知のように、それに続く名詞を形容するのが形容詞でした。ではそれに続く形容詞につなげるためには? そうです、動詞や形容詞を修飾する役目の形容動詞に変えなければなりません。
例えば、“His house was big and beautiful.”の英文は、「彼の家は大きくて綺麗
でした」と、形容詞の“big”「大きい」を形容動詞の「大きく」に変え、それに
接着剤の《て》をつけます。
“His house was beautiful and big.”ならば、「彼の家は綺麗で大きかったです」とコピー形容詞の「綺麗」“beautiful”を、名詞やコピー形容詞に接続する際に必要とされる「な」の原型であるbe動詞「だ」を「で」に変えて、次の言葉に接続すればいいわけです。
(注、be動詞を接続する場合には、過去形でなく現在形「だ」を「で」に変えます)
つまり、
オリジナル形容詞は、それを形容動詞に変えて《て》をつける。またコピー形容詞の場合には、be動詞の原型「だ」を「で」に変えて、次の言葉につなげるのです。
この場合も前の言葉に時制はなく、すべては最後の言葉の時制に従うことになります。
思い出しましたか?
いつでも、人の話を最後まで聞かなければならないのが日本語なのです!(笑)
4) 《文章》 + 《文章》 ーー→ “そして”(“それから”)
最後は文章と文章をつなぐ方法。これはもうご存知のように“そして”や“それから”
ですね。 一般的には前の文章が終了した終止符“。”の後、次の文章の冒頭にこの
“そして”や“それから”を使いますが、インフォーマルでは時には“・・・て、それから・・・”などとつなげてしまうこともあります。
お疲れ様でした。以上、コトバの接着剤は日本語にはたくさんの種類がありますが、すでにお話ししたように欧米後にはたった一つ。英語”and”、ドイツ語”und”、スペイン語”y”、そしてフランス語は”et”だけのようですね。ぜひその違いをしっかり理解して、正しい日本語を身につけてください!
☆☆☆《 今回の例文 》☆☆☆
「昨日私たちは、祖父と祖母の家に行って、テニスをして、プールで泳いで、それから高くて美味しいワインを飲んで、ゴージャスでリッチな食事をして、よく笑いました」
*
早速、動詞や形容詞を思いのままにつなげて、上のような文章を書いてみて下さい。きっと、あなたの日本語力はメキメキ上達することでしょう。あと一息頑張りましょう!!
では、次回をお楽しみに!!
ーーー 次回は第37回 ◆ 第四章 上級編、文章の組み立てかた!
その3、 ・・から ・・ので、・・けど
(+) → (+) (-)→(-) と (+) →(-) (-)→ (+)
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