GPSライフジャケット要介護者の着用想定し実用化へ実証実験
南三陸町で8日、津波で流された人の早期発見、救助などを可能にするGPS機能付きライフジャケットの実用化に向けた実証実験が行われた。昨年に続いて2回目で、介護者が要介護者らに着用させるケースなどを想定して実験し、着せやすくするための改善点を確認した。
多くの行方不明者を出した東日本大震災の教訓を踏まえ、町と連携協定を結んでいる民間企業「ガーディアン72」(東京都、有馬朱美社長)が進めている。
この日は着脱性がテーマ。午前中は宿泊研修施設を会場に町社会福祉協議会、高階救命器具(大阪府)の協力を得て、寝たきり状態や、車いす使用の要介護者役にライフジャケットを着用させる実験を行った。
形状が異なる複数のタイプで検証し、介護側は、ベッドに寝ている要介護者役の体を抱えて横向きにしながら腕を通してファスナーを閉めた。車いす使用者に対しては、股ひもがあるタイプの着用に時間が掛かった。午後は、スムーズに着ることができる形状について漁業者から意見をもらった。
総括では、ファスナーを閉める際に時間を要する場面があったことを踏まえて形状を改善することや、着せやすさ、対応する体形に幅を持たせるため、伸縮性があるタイプを主軸に開発することを確認した。
今後は、検証結果を踏まえて試作品を作り、再度実験を重ねて年内の販売を目指す。有馬社長は「津波では、逃げる時間がないケースも考えられる。着用者の身を津波のがれきなどから守りつつ、早期発見と救助につながるように開発を進めていく」と話している。
三陸新報より引用
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