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Tonamelを利用したスイスドローイベントの課題と、なんとか運用で回避する方法

※本記事の内容は大部分改善されています!詳しくは下記の記事を参照いただき、この記事は「がんばったぼくの記録」としてお読みください。

Tonamel(以後トナメル)はすごくいいツールだ。

これまで、参加申請、参加者管理、参加者による勝敗申請、勝敗登録、マッチング、結果報告までがセットになったツールというのはなかった。(と思う)

それがなんと無料で利用できる。広告も煩わしくない。なんと公益性の高いツールなのであろうか。僕らはトナメルに足を向けて寝ることは到底できない。

あと、僕はこのツイートにすごく感動した。なのでこのツールはすごくいいツールだと思う。

トナメルの思想とこの記事の趣旨

しっかりと言っておきたいのだが、この記事は、マッチングツール『トナメル/Tonamel』および制作されている会社様の批判をする記事ではない。断固としてそういった内容の記事ではない。

「トナメル」と名付けるくらいだからもともとトーナメントに特化したツールなのだと思う。先ほども言ったが、参加者管理からマッチングまでできるツールはそうそうないので、このツールは非常にありがたいツールである。

そんなトナメルさんがスイスドローにも対応してくださった。

その点を我々はもっと感謝すべきである。

いかにあなたのやりたいこととの乖離があろうとも、それをトナメルに対して不満としてぶつけるのはあまりにお門違いである。

金麦を飲んでいるのに、「ビールと比べて味が薄い」と言っているようなものである。金麦は美味いだろうがアホ

しかし、無料で使えるツールがなんでもできると思ったら大間違いで、我々が普段使い慣れているTCGマイスター様(http://tcg.sfc-jpn.jp/)と比べると機能の点で劣っていることは多い。当たり前である。無料ツールなのだから。

そんなわけで、この記事の趣旨としては、トーナメントをサクッと行うツールとしてデザインされた素晴らしいツールであるトナメルを、
大規模スイスドローイベントにおいて使おうという稀有な方のために贈る記事である。
※先月、富山にて40人規模のスイスドローの大会を行った際の体験、およびMTリーグにて100人規模のスイスドローを行った体験をもとにこの記事を書いている。

トナメル/Tonamel様側にはまったく非はないのだが、基本的なポケモンカードのイベントでトナメルを利用しようとする方のために、注意すべき(事故が起こりやすい)ポイントと、その解決策を羅列している。何度も言うがトナメルの批判をする意図は全くない。

一応こういう改善がされたらいいな、と言う点は書いておくが、改善を要望する論旨ではない。改善がされないという前提で使う側がどうすれば良いか、を書いたつもりだ。ありがとうトナメル。

※この記事は2022年4月6日時点の仕様について書いている。今後改修があり次第この記事もアップデートしていくつもりはあるが、この記事が最新情報であるという保証はできない。改善されてたらラッキー!と思ってトナメルを利用してほしい。

※2023/5/10追記
以下の内容はほとんど改善済みになりますが、そのまま残しておきます。
改善内容に関しては、https://note.com/101pokeca/n/n1e4ed81fb540

課題1:2回戦の不戦勝発生

トナメルを使用するうえで一番課題だと感じてる点が、この点だ。上のツイートの通り、プレイヤー、ジャッジ視点ともにあり得ないと感じたが、どうやら仕様とのことらしい。

即刻改善していただきたい点ではあるのだが、私が拙い知識をトナメルの担当者様に説明させていただいた結果、なんと私の伝えた情報を参考にお忙しい中検討していただけるらしいのでとてもありがたいことだ。

しかしこれに対して、運用による画期的な対処方法が発見できた。この記事でいいたいことの7割はこの内容である。

事象:スイスドロー2回戦において、不戦勝のプレイヤーが2名発生する

この仕様には本当に目を疑ったが、1回戦で不戦勝が発生しない状況において、2回戦で不戦勝が発生する

お金を払ってカードゲームを遊びに来たプレイヤーにとっては、1回でも多く知らないプレイヤーと対戦したいと思うのが常ではあると私は思うが、(個人の感想です)この事象はそんなプレイヤーの意図とは関係なしに発生する。

発生条件:
①参加者が偶数である
②両者敗北が1組である

上記事象が起こる原因としては、(多少長くなるがイベント主催者の方に置かれましてはこの内容を理解してほしい)トナメルのマッチングの仕様が、同勝ち点のプレイヤーをオポネント順にマッチングするという仕様によっておこる事象である。

そうした場合、両者敗北のプレイヤーは対戦相手が敗北しているため、純粋に敗北したプレイヤーよりもオポネントが低くなる。2回戦の場合、オポネントが低いプレイヤーが2名のみとなるが、その組み合わせは1回戦でマッチしているため、再マッチができず、両者不戦勝となる。

ポケモンカードプレイヤーにとってなじみのある他のツールでは、そういう事象を避けるため基本的に同勝ち点のプレイヤーのマッチングはランダムで行っている。

ジャッジの経験から、両者敗北が1組(2名)というのは参加者が6名でも100名でも通常発生しうる事象である。そのたびに謎の不戦勝が発生することは、ツールの使用意欲をかなり削がれる。

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プレイヤーにとって、対戦より勝ち点を得られる可能性が高いということは魅力に感じることもあるかもしれないが、富山までわざわざ来たプレイヤーにとっては、4回のはずが3回しか対戦できずに帰宅を強いられるというのは正直どうかと思った。

<運用による解決策>

考え方としては、参加者が奇数のときには起こり得ない事象ということに注目した。(てぃらさんの発見です)

1.「参加者が偶数」の場合において、1回戦の時点でダミーユーザーを追加して、参加者を奇数にする。

2.2回戦のマッチング時点で、不戦勝のプレイヤーとダミーユーザーを入れかえ、ダミーユーザーが不戦勝になるように入れ替える

3.階段が2つできてしまっているかを注意し、その場合該当プレイヤーを入れかえ、階段を極力なくす

4.次回戦がはじまったあと、ダミーユーザーを除外する

この仕様は富山のときになんとか改善策を見出し、MTリーグの際に(3)の仕様を失念しており階段を2か所発生させてしまった。

<こうだったらいいな♪>

大会が継続しやすい、大きなチャレンジがしやすい環境づくりを目指しておられるトナメル様におかれましては、参加者の不戦勝の頻度を減らしていただくことで大会の満足度向上に寄与していただければ幸いだと思う。

改善要望としては2方向ある。どちらでもいいし、どちらでもかなりユーザビリティが向上する。

まず1つは根本的な改善策として、同勝ち点のマッチングをオポネント順ではなくランダムにしてほしい。という点がある。

こちらは不戦勝回避の点ももちろんあるが、大会の公平性の観点もある。

同勝ち点をオポネントで上から順にマッチングした場合、明らかに最初に上の階段を踏んだプレーヤーが有利になり、(※0-1だが1-0のプレイヤーと対戦したプレイヤーが高いオポネントになる)
勝利したのに下の階段を踏んだプレイヤーが不利になる。(※1-0だが0-1のプレイヤーと対戦したプレイヤーが低いオポネントとなる)

もっとシンプルに言うと、最初のランダムで上の階段を踏んだ人はずっとオポネント上位になりやすく、下の階段を踏んだ人がずっとオポネント下位になりやすい。

同勝ち点のプレイヤーをランダムにマッチングしていれば、上記の有利不利はなくなるが、高オポネントを上位、低オポネントを下位としてしまうと、序盤についた有利/不利が最後まで覆らない結果となってしまう。

もちろん、ツールのランダム性による有利不利はどうしても生まれてしまうものではあるのだが、序盤についた有利不利が最後まで覆らないというのは、最後まであきらめずに上位を目指すプレイヤーの意欲を削ぐのではないかと個人的には思う。

そのため、同勝ち点のプレイヤーのマッチングをランダムで行う機能を付けてほしい。もちろん、もとのマッチングに思想があるのであればそれは残してもらって構わない。しかし、選択できるようにしてほしい。というのが一つ目の要望だ。

二つ目の要望は、不戦勝と選手を入れ替えられるようにしてほしい。

上記問題も、すべて手動でマッチングを入れ替えられるのであれば回避できる事象である。しかし、なぜか不戦勝と選手を入れ替えることができない。この仕様に関しては、どうしてそうなるのかよくわからないが、大変困る。

改善策1は複雑なアルゴリズムの開発を伴うと思うが、2は現状の仕様を多少変更するだけで可能なはずだ。

人数が偶数になる大会の度、生まれては消えていくダミーくんがかわいそうだ。改善を願う。

課題1.5:自動ドロップとの相性の悪さ

これは、課題1に関連して実際のイベントで起こった事象である。もう少し思慮があればと自分を呪ったマッチングになってしまった事象であり、このようなことが今後あってはならないと強く思う。

事象:3Rで不戦勝になったプレイヤーが、4Rでも不戦勝になった

考えてみれば当然のことで、トナメルの仕様上同勝ち点のプレイヤーはオポネント順に並んでいるため、不戦勝は、勝ち点が一番低いプレイヤーの中で最もオポネントが低いプレイヤーが該当する。

大会の性質上自動ドロップを設定していた場合、勝ち点の最も低いプレイヤーが消えていくため、不戦勝のプレイヤーも次のマッチングにおいて再び最も勝ち点の低いプレイヤーとなる。

自動ドロップルールにより、最も勝ち点の低い集団を除外した結果、不戦勝したプレイヤーが再度、勝ち点が一番低いプレイヤーの中で最もオポネントが低いプレイヤーとなり、また不戦勝となる。

せっかく富山まで来たのに、2回連続で不戦勝となって予選が終了して帰っていったプレイヤーの心境を想像すると今でも心が痛む。

<運用による解決策>

前ラウンドで不戦勝になったプレイヤーの名前を覚えておき、再度不戦勝になっていないか確認してからマッチングする。

<こうだったらいいな♪>

同じプレイヤーの不戦勝が2回続いた場合、マッチングを変更する、もしくはアラートを出す。

課題2:トーナメントの回数

スイスドローを僅かにでも運営したことがある人なら当たり前のことであるが、スイスドローの終了回数は断定できない。

極端な話、両者敗北が起こりうるポケモンカードにおいては、参加者が10人でも100人でも1000人でも、理論上1回の対戦で全勝が2名以下になるケースは確率上存在する。

問題は、トナメルの仕様で、最初に決めた回数対戦しないと、スイスドローを終了することができない点である。

それにより、あらかじめ設定した回戦が終了するまで、結果表示をすることができず、途中の順位を最終順位として選手に参照してもらった。なんともおさまりが悪い。

※その仕様により、富山の大会は永久に終わることができない。https://tonamel.com/competition/EQJTn/tournament

<運用による解決策>

始まる前にあらかじめ、選手にこの旨を伝え、さも当たり前であるかのように途中結果を最終結果として参照してもらうようにアナウンスする。※永久に終わることのない大会のことは、そっと忘れる

<こうだったらいいな♪>

もともと人数によって回数が確定するルールに対して設定されたツールなのかもしれないが、スイスドローに対応すると銘打っている以上、全勝が2名になった時点で終了する機能、もしくは、任意のタイミングで現在の順位を最終結果とする機能が欲しい。

(追記:よく考えたらスイスドローの回数って両者敗北があろうがなかろうが可変的なものだよな…と思う。そもそも最初に回数を指定させるというのが、スイスドローを理解した仕様なのか?という疑問がある。)

課題3:リマッチのしづらさ

これに関しては、本来そういう機能があるのかもしれないが、通常使用する中で機能を発見できなかった。仮に可能なのであればもっとわかりやすくしてほしい。

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課題1および1.5で示したように、運営者の意図と違ったマッチングを吐き出してしまうことがまれにある。

そういった場合にも、マッチングを取り消して、再度手動変更してリマッチができれば、最悪大きな問題にはならないと認識している。というか、リマッチしたい場面が割とある。

しかし、画像の通り、「現在のマッチングをやり直す」というボタンが表示していてほしい場所にあるのは、無慈悲にも「大会開始前に戻す」のボタンなのである。

いや、押せるわけないだろ!!

これに関してはこのボタンを怖くて押せてないので、実はこのボタンが正解とか、隠しボタンがあるとか、そういうプロトナメルプレイヤーの方の助言をお待ちしています。

<運用による解決策>

絶対にミスをしない

<こうだったらいいな♪>

マッチングをやり直せるようにしてほしい。

まとめ

その他、エントリー時の注意点や、UIの改善要望等上げたらきりがないのだが、いつまでもこの記事が完成しなくなってしまうため、一旦ここで共有してしまいたい。5/7にもトナメルを使った100人超の大会の運営に携わるため、また何かあれば別途共有したい。(結構事故って涙をのんだこともあるため、いろいろ言いたいことはある)

嫌味たらしく書いてしまった部分もあるが、MTリーグにおいても、運営の手を介さず勝敗報告ができる点や、報告状況が運営者からリアルタイムで確認できる点は非常に評価されていた。実際に対戦間のリードタイム減少にも大きく寄与していた。その点は本当にツールに感謝する点である。

だからこそ、「これ本当にユーザー目線でOK出したのかよ」という点が目立ってしまうという結果にもなっている。

トナメル様の思想は素晴らしいし、できれば同じ方向を向いて、より大会を取り巻く環境がよくなる手助けができればと思う。そのため、この記事がその一助となり、トナメルを活用して幸せになる方が一人でも増えればと願う。

あと、金麦ラガーは味が濃いからビールみたいに飲める。覚えといて。

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