自我 ego

自我(ego)


東洋他 (1988) 学校教育事典 教育出版
 個人の精神機能の主体を指す。さまざまなものを感じたり、認知したり、考えたりするほかに、決断したり、自分の行動や自分が自分であることを意識した記すときの心身の統一体

オールポート egoとselfは従来区別されていなかった。

中略
 日本語の「私」が指し示すものにも、主体の場合(私は……、私を……)と、客体(私に……、私を……)の場合が区別できる。北島晴朗は、主体的自我を次の三つにわけて考察している。①意識体験としての自我、②説明のための構成概念としての自我、③上の①と②とを同一のものとしてみる立場。精神分析理論における自我は、上の②にあたり、原始的衝動であるエス(ES、またはid)と、 超自我(super ego)の働きに対して自律的に調和・統合を行う。

 
山崎英則他(2003) 教育用語辞典 ミネルヴァ書房
 いま自分のことを考えているとしよう。ここには二種類の自分自身がいることになる。まず、対象化され客体化された自分。これは自己と呼ばれる。そして、さらに自己を対象化して考えている主体としての自分。これが自我である。ただ、自我は実態的な存在物ではなく、どこかに感情や思考をつかさどる場所がなくてはならないという想定から作られた理念的構成物だともいえる。フロイトによれば、自我は個人が環境から刺激に応じる過程で発生する。衝動や欲望の源であるイドは、両親や道徳心から成る価値体系としての超自我や外界の現実との間で葛藤を起こす。これを調整するものとして自我が発生するのである。また、エリクソンは青年期の克服課題として自分自身の同一性を失う自我の危機を
あげている。

岩内亮一他 (2006) 教育学用語辞典[第四版] 学文社
今野善清他 (2003) 新版 学校教育事典 教育出版

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