英語ができない僕が外資のカントリーマネージャーになったら 5
いよいよクリスティーナとのミーティングの日。
緊張しながら約束の時間少し前にZoomのリンクにアクセスしました。どんな人なんだろう、どういう話になるんだろう、と言っても多分会話はほとんど成立しないだろうなあ。英語が苦手だということと、もし詳細な質問があったら後でメールで送ってくれ、という英語だけ用意しました。少しは言いたいことが伝わるといいなあ、と思っていました。
5分たち、約束の時間になりました。
が、現れない。。さらに5分経ち、10分経ち、、、あれ?時間間違ったかな?
クリスティーナにZoomアクセスできる?とメールしました。
Hi Kristina
Can you access Zoom?
とだけ。
するとすぐに、時間間違っていました、あと50分後に、と返信が来ました。
OK. See you later.
どうやらセッティングしたフリスが日本とシアトルの時差を間違っていたようです。
まあ少し時間ができてホッとしました。説明資料を読み返し、用意したトークスクリプトを確認し、コーヒーを飲んで待ちました。
そしていよいよ時間。今度はクリスティーナも無事に現れていよいよスタートです。
ハロー、マイネームイズ、プリーズコールミー ヨシ。みたいなカタカナ英語の挨拶をして、何のアイスブレークにもなりませんが、とにかく英語が苦手なのは伝わったかなと思います。何となくクリスティーナも英語ができない私の拙い自己紹介を微笑ましく聞いてくれていたような気がします。
そして資料の説明。どうやって日本の市場にNEIを広めていくのか。
マーケットの概況、英語を上達させたいと思っている日本人は20%に満たないこと。
日本には多くの英会話、英語研修プレーヤーがいること。ビジネス、カジュアル、受講料が安い、高い、の軸でのプレーヤーのポジショニング。そしてそれらのプレーヤーが各々いろんなことを訴えていること。生徒数が多い、TOEICの点数が上がる、講師の質が高い、月額●●円でレッスン受け放題、、。
彼らの土俵に乗ってはいけない。
Don't go on their level.
ではどこで戦うのか?
英語力を測るための新しい指標を提供します。
TOEICやTOEFL、CEFL、英検などがあるがそれらの点数が高くても、必ずしも英語でのコミュニケーションが得意とは言えない。
なので、新たな英語のコミュニケーション力を測る指標にはチャンスがあると考えていました。
さらにそれは既存の英会話教室、英語研修のプレーヤー、ベンダーとも協業できる可能性にもなると。
日本企業の人事が必要と思う人材はTOEICの点数が高い社員ではなく、グローバル市場で戦える人材です。そうした人材を育てその能力を測るスコアとしてNEIを浸透さることが大切。
そのために、どういう活動をして、その活動の中間指標を設けます。
ざっとという以上のような内容の提案をクリスティーナにしました。
そして最後に、複雑な質問は答えられないから疑問点があれば後でメール送ってくれ、と伝えました。
多分色々伝わっていないこと、資料の中のヘンテコな英語、あったと思いますが、クリスティーナはうんうん、と頷きながら聞いてくれていました。
(良かった、思ったより神経質な人じゃなくて)
何とか拙い説明が終わり、後でその資料をメールで送っておきました。
(ふう、とりあえず終わったー)
こうして、無事?私の初めての英語によるプレゼンは終わったのです。
次は何が待っているのか、どういうステップで進んでいくのか?
ここまでの出来事は後輩から最初のLINEが来てからわずか1ヶ月。
これからまた何人かの人に会い、私の品定めが進んでいくことになるのですがそれはまた次回。