万人坑 ❷ (全5回)

引き続きこちらの学習会に参加した感想を書いていくよ
『中国強制労働・万人坑を辿る』講師: 青木茂さん

【参加してみた感想】
青木さんがスライドに資料や写真を映しながら、解説をしていく形で「中国強制労働 万人坑を辿る」学習会は進められました。配られた資料に目を通しつつ、写真にうつる遺構をみていく。記念碑、そして累々と並べられた、あるいは積み重ねられた人骨とミイラ化した御遺体… 当時の凄絶な状況を想像しながら、御遺体が人間だったころの人生に思いを致していきました。

ミイラになった方のお顔は、亡くなったばかりのじーちゃんの顔にそっくり。なんだか、わたしたちって本当そっくりだなあ。そんな人たちを死ぬまで働かせて殺したんだな。

万人坑とは、日本による中国侵略のもと、劣悪な条件下で過酷な労働を強制され死に至らしめられた = 殺された中国人の遺体が埋められているところ。中国各地にある。各地で万人単位のひとが埋められているので「万人坑」。人捨て場という意味だといいます。その死因は飢え・過労・衰弱・病気・事故・虐待・冬の寒さなど。くわしくは青木茂さんのWebページを確認してください。

(注: ★これ以降の数字や記述は青木茂さんの作成した今回の学習会資料と著書『中国に現存する万人坑と強制労働の現場』を参考にさせて頂いています。)

わたしが驚いたことは2つありました。

❶規模がおかしい

★中国全土で強制労働を強いられた人数4000万人(推定)、日中戦争の死傷者(中国の公式記録)2100万人、そのうち強制労働による死者1000万人〜(推定) とのことで…

思わず「よんせんまんにん?」とピンと来ないくらい、あまりに途方もない数なのだが…ちなみに愛知県の人口が7,464,410人(2024/12/1)で東京14,200,331人(2024/12/1)なのです。
2100万人というのは東京と愛知の人口を合わせた数。
これだけの犠牲者がいて日本では全然知られてないっていうのは…残酷な話です。

❷死亡率の高さ

★例えば西安炭鉱だと労工の死亡率は1ヶ月18.8%→2ヶ月46.4%→3ヶ月63.5%→半年84.3%→1年以内100%…という具合に跳ね上がっていくのだといいます。
★青木さんが訪れた万人坑のなかでも状態は様々で、遺体が整然と並べられているところ(西安炭鉱)、折り重なっているところ(大同炭鉱)…最初は穴を掘って丁寧に遺体を埋葬していましたが、あまりにも死者が多いので(※それだけ殺しているということ)後期になって現場に余裕がなくなってくると、谷に投げ捨てるようになってくる…そんな場所もあるのです(北票炭鉱)。

もちろん、そういう状況に追い込んだのは日本側です。本当に命の使い捨て…劣悪な環境下で1日12時間以上も働かされてたら人は死ぬ…あたりまえ… 。
なにかこうマニュアルのような残忍さで、アウシュビッツも機械化された殺戮だというし…家畜や社畜と同じで、酷い扱いをすればするほど働かせられるということなのだろうか。

「なんてことをしてくれたのだろう」
これが大日本帝国の罪業に対する率直な気持ちです。
とりかえしのつかないことをした。もとより人命など、とりかえしがつかないけれど、その土地、人々の住まい、人生、建物、文化、習慣、ことば、海や山や魚や木や凡ゆる生き物、記憶、歴史…そういったものを永久に変えてしまったのかもしれない。

なんか偉くて金づかいの荒い人びとがこの世界で起こしていることは、相も変わらず残酷なことばかりです。

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