2:母の書く字に似てきた気がする
自分の字が、いつの間にか
母の書く字に似てきたことに気が付いたのは
最近のことです。
僕はずっと母の字が好きで
丸っこくて、ゆるやかな文字は
僕を安心させました。
ひらがなの「す」が似てきたように思う。
幼い頃に持ち物のひとつひとつに
油性ペンで名前を手書きしてくれた母の姿と
その文字のそれぞれの佇まいを思い出します。
自分の書く字が好きではありませんでした。
筆記具や紙が変わる度、
その日の気分や体調によって
文字の雰囲気が変わりました。
そういう人は多いと思う。
あとか