菓子盆界のプチトマト
大学時代の先輩と定期的に電話をしている。
短いスパンなので、近況報告は2割、あとはとりとめのない話。
最近、私がハマっているお菓子をおすすめしたことから、「雪の宿」というおせんべいの話になり、そのまま話題は「おばあちゃん家の菓子盆」に。
「雪の宿」「ぽたぽた焼」「白い風船」などのロングセラー定番品は祖父母宅の菓子盆に必ず入ってましたよね、なんて言っていた。
すると
「なんか四角いゼリーみたいなやつなかった?」
と先輩。
私も記憶をたどり、オブラートで包んだ感じのゼリーみたいなのあったかもと、
【おばあちゃん ゼリー】
で検索したところ(このワードで引っかかるのすごいよね)
「おばあちゃん家でよく見るお菓子19選」
というサイトに行き当たり、その流れで
「おばあちゃんの家にいくと出てくる定番のお菓子ランキング」
にも行き当たった。
両サイトを見てみると、まぁ懐かしいお菓子が出てくるわ出てくるわ。
結局そのゼリーの正体は「ミックスゼリー」という寒天ゼリーのことだった。
カラフルなフルーツ寒天ゼリーをオブラートで包み、セロファンでキャンディーのようにくるりくるりと両端を巻いてある。
子どもの頃、その見た目の美しさに目を輝かせ、期待値MAXでひと口かじり、なんとも言えない食感と味に、そっとテーブルの上に放置した、なんて人も多いのでは。
その他にも、先ほど挙げたせんべい達はもちろんのこと、「源氏パイ」「ココナツサブレ」「純露」「アルファベットチョコレート」などなど、な!つ!か!しっっっ!となる物ばかりがランクインしていた。
「ファミリーツナ」もランクインしていたが、その存在を思い出した瞬間、完全に前の晩のおつまみの残りを出されてたんやん!!と気付いた。
幼少期の私はそれをチョコだと思い食べたことがある。
包みが完全にチョコ菓子だったもので。
口に入れた瞬間、パサパサのしょっぱい物だったときのあの衝撃は今でもよく覚えている。
そうやって、たくさんの製品が並ぶランキングの中でも一際幅を利かせていたのは、ブルボンの製品だった。
「エリーゼ」「ルマンド」「ホワイトロリータ」「バームロール」などなど。
挙げればキリがないくらいのブルボン製品。
絶対誰しもが1度は口にしたことがあるブルボン製品。
え、懐かし!!と必ずなるブルボン製品。
そして、今でも変わらず食べ続けられているブルボン製品。
ブルボンってすごくない?
おばあちゃんたち御用達のブルボン。
孫を喜ばせたい!ブルボン買っときゃ間違いない!と、おばあちゃんたちからの信頼は厚いに違いない。
とりあえず「エリーゼ」を久しぶりに食べたくなったりした。
最後はまた「ミックスゼリー」の話に。
あれって美味しいって思って買ってたおばあちゃんっているんですかね?なんて私が言っていたら(ミックスゼリー好きな方すみません)先輩が一言。
「ミックスゼリーはおばあちゃんのパケ買い」
なるほどパケ買い。
思わず笑った。
カラフルぅな見た目に惹かれ購入し、菓子盆に加えてみたらあら不思議。
地味めなラインナップに色を添えてくれるじゃないですか。
おばあちゃん達、食事でも「なんか色がないね」とプチトマトを足したりするし、そういう感覚なのねきっと。
その後も菓子盆において色を求めた結果、ミックスゼリーが使われ続けたに違いない。
菓子盆界のプチトマト、ミックスゼリー。
味はさておき、華を添えてくれているミックスゼリー。
どこで売ってるのかはよくわからないが、おばあちゃんたちが菓子盆に色を求める限り、定番品として愛され続けるのでしょう。