#死ぬまでに見たい画家100人の作品 O JUN
東京都現代美術館「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」にてOJUNさんの作品が展示してありました。
O JUN(おー・じゅん)は、1956年東京都生まれの画家で、東京芸術大学大学院修了後、スペインやドイツでの滞在経験を経て独自の表現を確立したアーティストです。彼の作品は、日常の断片や記号的なイメージを取り入れながらも、強い余白や重厚なフレームなどによって独特の緊張感を生み出しています。特に、2000年の新潟少女監禁事件に着想を得た《足踏み》や、「飛び立つ鳩に、驚く私」シリーズなど、個人的な体験や社会的背景を反映した作品が多く見られます。
O JUNの作風は、一見シンプルながらも深い物語性を持ち、観る者に想像力を喚起させる力があります。また、「反復」や「なぞり」といった制作プロセスを重視し、それが作品に新たな変化と連続性をもたらしています。展覧会では異なる時期や作家の作品を混在させる実験的な空間構成も特徴で、絵画そのものの可能性を探求する姿勢が際立っています。彼の創作は、静寂と動的なエネルギーが共存する独自の世界観を提示し続けています。