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第一印象も人材採用も|ゲインロス効果の活用とは。

第一印象は6秒で決まる、見た目が9割。そう思っている人も多いかもしれません。しかし、第一印象は最初の一瞬だけのこと。本当に人を魅了するには、第一印象だけ良くするのでは足りませんよね。

今回は【ゲインロス効果】を活用している私の事例をお伝えしたいと思います。


■第一印象が肝心と言うけれど

見た目が9割だと言う根拠、それがメラビアンの法則です。

*メラビアンの法則*
心理学者のアルバート・メラビアンが提唱した法則。人が他人のメッセージに対して、どのように受け止めるかは、視覚情報、聴覚情報、言語情報に依存しており、その割合はそれぞれ、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%だと言うもの。

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この法則を引用し、就職採用面接対策や恋愛、ビジネスシーンで第一印象を良くしようと、メイクや髪形・姿勢などを変えようとしている方も多くいらっしゃるかもしれません。

しかし、このメラビアンの法則の本当の実験方法や解釈について、誤解がある方も多いのではないでしょうか?


■メラビアンの法則の正しい解釈

そもそも「メラビアンの法則」が生まれた実験は、話し手が「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」について、それぞれが矛盾した情報を発した際、聞き手はどの情報を優先するのかを調べたものです。

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この実験では、ごく単純なコミュニケーションについて、限定された特殊な環境下で実験した結果に過ぎず、日常的なコミュニケーションや第一印象を決める際に「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合が必ずしも当てはまるわけではないと、正しく理解しておくことが大切です。


■第一印象を良くしすぎると「減点方式」

このメラビアンの法則を意識することで、逆に損をする人も沢山見て来ました。

大学生の時、部活の後輩にとっても可愛らしい女の子がいました。目がクリクリっとしていて、癒し系の雰囲気。

ところがある日、彼女がスッピンで部活に来ました。その彼女の顔を見たとき、「え・・・誰・・・?」と思ってしまった。本当に申し訳ないのですけれど、誰だか分からなかったんです。

彼女がスッピンで来たのはその1回きりだったのですが、あまりの衝撃に、いまだに忘れられない程です。

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たった1回のスッピン姿で「メイクを取ったら別人になる人」と長年ずっと印象付けられてしまった。これって損じゃないですか?

こういった経験から、私はメラビアンの法則による無理な第一印象アップの印象操作は「減点方式」と感じるようになりました。


■「ゲインロス効果」とは

ゲインロスとは言葉の通り、ゲイン(プラスの印象)とロス(マイナスの印象)を意味しています。

*ゲインロス効果*
人の心理状況において、プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に影響を与える度合いが大きくなるという心理効果のこと。相手に対して、最初にマイナスの印象を与え、その後にプラスの印象を与えた方が、より良い好印象を抱かせることができる、もしくはその反対もある。

「初めは怖そうな人だと思っていたけど、いろいろと仕事で絡むうちに、めっちゃ後輩想いの優しい人だと分かった」なんてことは日常茶飯事。いわゆる「ギャップ萌え」のことです。

この「ゲインロス効果」の中でも、最初にマイナスの印象を与え、その後にプラスの印象を与える、という順番で「加点方式」として上手く活用することが出来ると思いませんか?


■ゲインロス効果の有効活用

私が普段から使っているゲインロス効果は2つあります。

①普段はスッピン、
特別な日だけメイクする。

普段からバッチリメイクをしていても、たった1度のスッピンで「この人はスッピンだと変わるんだ…」と思われるぐらいなら、普段スッピンで過ごし、たまにメイクをした時に「この人メイクしたら綺麗になれるんだ…」の方が得じゃない?って思ったのです。

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会社を退職した日から9年間スッピン。でも時々大事な日だけメイクをすると、「メイクすると雰囲気変わりますね!」と言われるように。

普段はラクチンで、メイク道具も沢山いらないから一石二鳥なのです・・!


②講演会の開始前は出来るだけ
大人しく黙っている。

こちらは見た目じゃなくて雰囲気操作。
イベントや講演会の始まる前、黙ってニコニコしておく。なので、喋るまでは「おとなしそうな人」と思われることが多いようです。

その後マイク持って喋ると。下を向いている人すらみんな一斉に顔が上がるぐらい爆裂関西弁の関西人トークですよね・・。(これで印象が上がっているのかは謎ですけどね。笑)

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■人材採用への活用としても有効

個人的な印象を変える方法以外に、採用担当者の採否判断への活用を私はオススメしたいと思います。

面接の際、何を基準に採用していますか?

・印象が良い人
・笑顔が素敵な人
・コミュニケーション能力が高い人
・質問にハキハキ答えられる人

でも、もしも。

その面接の時が人生で一番全力の頂点だったら?
面接のためだけに、自分を偽っていたら
見た目だけ、それっぽく見せることが上手な人だったら?

そうなると、入社後は「減点方式」しか残らないですよね。

面接の時はもっとコミュニケーション能力があると思ったのに。もっとニコニコしている人だと思ったのに。こういった採用のミスマッチが起こることがあります。

この記事でも本質を突いているように、最初から「第一印象や見た目の印象を一切加味しない」と決めた採用基準はいかがでしょうか。


■佰食屋の採用基準はたった1つだけ。

就職の採用面接なんて、みんな緊張している。
いつも通りの自分をその場で出すなんて難しい。

だから。

面接に遅刻してきても。
履歴書の字が汚くても。
自分の年齢を間違えていても。
目を見てしゃべれなくても。
第一印象最悪でも。

私たちは、1時間かけてその人と喋る中で、他のスタッフも自然に部屋に入って来たり、来訪時の対応をしたりと接してもらい、今いるメンバーとの相性だけを慎重に見るようにしています。

面接時の印象よりも、その後に働くみんなとの相性の方がよっぽど大切ですから。

こうやって採用されたメンバーは、面接時の印象が決して良くない人も沢山。でも、その後みんなと過ごしていくうちに、良いところがどんどん見えてくるんです。最初の印象が低かったからこそ、もはや「加点」されるしかないですよね。

その「加点」部分に注目をし、「こんなことも出来るんや!」「こんな素敵なところがあったんだね!」と本人にも伝える。そうやって自己肯定感が上がり、モチベーションが上がり、もっと良い部分を伸ばそうとしてくれるんです。

これが、私たち佰食屋のゲインロス効果を使った採用と人材育成の方法です。

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些細な事ではありますが、考え方ひとつで、世界を見る目が変わることも。

でも、ゲインロス効果の活用、やりすぎにはご注意!ですね。笑



第一印象も人材採用も
|ゲインロス効果の活用とは。|
でした!

株式会社minitts
代表取締役 中村朱美

Thanks!!


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