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新規事業はピンチから始まる|アフターコロナの新規事業、作りました【後編】

前回の前編では、新規事業を考えたきっかけや思考回路、アイデアを思いついた背景を記しました。後編では、そのアイデアをどうやってマネタイズできるように変化・進化させてきたのかをお伝えします。

■2020年7月:防災筋力®の商標は出願したけれど

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防災筋力®という言葉を誰よりも先に商標出願できたことは幸運でした。しかし、この防災筋力®という概念を、どうやってビジネスにするのか?ということが次のハードルとなります。

最初に思いついたのは、地域の防災訓練の運営を担うという事業

現在各市町村単位で実施している防災訓練に、私たちの防災筋力®という概念を導入し、みんなで防災に必要になる筋トレを一緒にして、もっとそれを継続したい場合は提携ジムで「防災筋力®トレーニング」という講座を受けてもらうというもの。

各市町村のスポーツジムと提携し、防災訓練で「防災筋力®トレーニング」の指導をしてもらい、スポーツジムのプログラムも紹介できるという部分で提携料をいただき、コロナで打撃を受けたスポーツジムの集客に貢献する案を考えていました。

しかし、調べれば調べるほどハードルが高い。防災訓練は各市町村や消防、議員さんも絡んでいる計画書があり、そこに参入するには障壁が高すぎることに気づきます。


■2021年1月:また、周りからは理解されない

商標を出願したものの、マネタイズが難しい。どうすれば事業になるのか悩み、近しい人たちに「今こんなことを考えているんです」と伝えても、「防災?筋力?ふ~ん…」「なんだかよくわからないけど頑張って」と言われるばかり。

嗚呼、これは佰食屋の創業の時と同じだ。
また、周りからは理解されない。
だから、やっぱりこれは、いける。


そう、いつだってイノベーションが起こるとき、周囲の理解は得られないものです。周囲からバカにされたり笑われたり否定されたりして、それを乗り越えてでもやりたいと思える時。それはきっと、世の中を変えられる。

だからこそ、もう周囲に相談することを一切やめることにしました。これは、完成するまでは誰にも理解されないものだ。だから水面下でただひたすら頑張るしかない、と。


■2021年3月:私は筋力の専門家ではない、だから。

そもそも私は筋力に関してはド素人です。そこで、誰か専門家に協力を要請しようと考えました。そこで、とある人を思い出しました。

それが株式会社メディカルアート代表取締役の坪井氏。つぼい鍼灸整骨院の院長でもあります。

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株式会社メディカルアート 
代表取締役 坪井良寛

はり師|きゅう師|柔道整復師|鍼灸学修士
2007年 明治鍼灸大学鍼灸学部卒業
2012年 明治国際医療大学大学院鍼灸学部研究科博士前期課程修了
2013年5月 つぼい鍼灸整骨院開院
http://tsuboi-ss.com/
2019年5月 機能回復ジム メディカルアート オープン
http://tsuboi-ss.com/medicalart/index.html

私と坪井くんは、阪神淡路大震災があったその年、小学校4年4組のクラスメイトだったんです。大人になって再会した時には、彼は自分で鍼灸整骨院を開設し、トレーニングジムを経営していました。

そこで、「こんなことを考えているんやけど、一緒に防災筋力®トレーニングを作らない?」とメッセージを送ったら、なんと5秒ぐらいで「やる!」と返事が。これが、2021年3月上旬のことです。

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そこから坪井君と協力をして約3か月かけて防災筋力®トレーニングが完成。コスト削減のためイラストは私が手描きしてデータ化し、現在はこの防災筋力®トレーニングを多くの人に活用してもらおうと防災筋力®のHPで公開しています。

<防災筋力®トレーニング>
https://bousaikinryoku.com/training/

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■2021年8月:商標ライセンス利用のススメ

そして待つこと1年1か月、ようやく防災筋力®の標準文字で商標登録完了。取得できたのは2021年8月でした。

世の中にはすでに多くの「防災」や「筋力」に関する商品・サービスがあります。

*トレーニングジム:筋力
*非常食:防災
*着圧ソックス:防災(エコノミー症候群防止)
*高たんぱく食品:筋力

しかし、いずれの商品・サービスにおいても「防災」か「筋力」のどちらかの目的しか付加されておらず、目的意識が低くなってしまったり継続が難しくなってしまったりして、商品・サービスのターゲット層が狭く、持続した販売に結び付かないモノもあると感じます。

そこで、私たちの「防災筋力®」という概念を既存商品・既存サービスに付加することで、これまでターゲットにならなかった層にも訴求できるのではないでしょうか。

■筋トレは苦手だけれど、家族を守るための防災に係る筋力トレーニングなら続けたい
■普段から履くことで筋力アップして冷え性が改善され、更に災害時にエコノミー症候群防止になる一石二鳥三鳥の靴下なら欲しい

私たちが既存の商品・サービスの良いところを更につなげ、向上させ、既存の企業の販路拡大や顧客を増やすお手伝いをできるかもしれない。その可能性は想像をはるかに超えるかもしれません。

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こうやって、私たちは商標ライセンス利用という新しいビジネスを始めることになります。(既に問合せ・資料請求もあり着実に進んでいます)

■利用料金は災害時に寄付します
ライセンス契約で頂いた利用料は、必要経費(銀行引き落とし手数料等)を差し引いた金額をプールし、災害が起こった際に即座に全額被災地に寄付致します。その際、ご契約いただいている会社様の社名とともにSNSにて寄付について公表致します。この寄付の概念については、また後日noteでも詳しく記したいと思います。

<防災筋力®ライセンス契約>
https://bousaikinryoku.com/license-agree/

流れ



■2021年9月:無料弁護士相談も補助金もフル活用!

しかし商標ライセンス利用をビジネスにするには、契約書等も作らなければいけません。大企業と契約する可能性も鑑みると、法律順守はもちろん、契約書としての機能や契約解除に係る項目などについても慎重に作りこむ必要がありました。

そんな時はINPIT(知財総合支援窓口)の活用です。


佰食屋肉寿司専科で「肉寿司」という商標の利用停止の内容証明が弁護士事務所から届いた時も(この時の弁護士事務所に訴えられそうになった事件についても、いつかお話したいと思います。笑)、佰食屋という商標を出願する時も、いつもお世話になっているのがINPIT防災筋力®の出願の際も実は事前に相談していました。

今回は、無料相談で弁護士の先生に予約をして、作成してみた商標ライセンス契約書をチェックしていただき、様々なリスク想定と契約期間の考え方、解除の方法などたくさんのアドバイスをいただき、無事に無料で完成させるまで至ったわけです。これが2021年9月のこと。

全ての準備が整ったので、防災筋力®の公式HPの作成に移ります。HP製作費については、小規模事業者持続化補助金を9月上旬に申請、無事に補助金が採択されましたので、かかった費用の3/4を補助していただきながらHPを制作することができました。

完成したHPはこちら。わかりやすさを最重要視したため、とってもシンプルな作りになっています。

こうやって、私たちの新規事業はコストをほとんどかけることなく進められたわけです。

※HPの中で商品紹介ページは未完成です。飲食店をアフターコロナに最適化させる新しい商品開発に取り組んでおり、完成して皆様にお披露目できるのは2022年春ごろの予定です。
※まだここでは提携先と秘密保持契約を結んでいることで書き切れていない事業も進んでいます。情報開示できるようになりましたら改めてお知らせ致します。


■2021年12月:だから、佰食屋1/2を閉店して一本化した。

2020年7月から今日に至るまで、私は水面下で恐ろしく忙しい日々を送っていました。坪井君のいるメディカルアートに何度も突撃訪問し、防災訓練やふるさと納税関係のヒアリングで亀岡市役所に突撃し、INPITにも特許庁にも何度も電話して、すごい金額の特許印紙を購入し、契約書や補助金申請書をつくってHPを制作して、他社との打ち合わせ、商品開発の試作・試食の連続…。

だからこそ、フランチャイズ展開しないと決めた2021年6月にはすでに佰食屋1/2の閉店を決めていたわけです。物理的な私の管理業務の削減と新規事業にかけられるリソースを増やすことを目的として、店舗を一本化することに決めたのです。

これが私たち佰食屋のコロナ禍の行動と決断、そして新しい道です。

いつだって、ピンチはチャンスに変えられる
創業10年目の私たちの、新しい挑戦「防災筋力®」。
応援のほどよろしくお願いいたします!



新規事業はピンチから始まる
|アフターコロナの新規事業、作りました【後編】|
でした!

株式会社minitts
代表取締役 中村朱美

Thanks!!

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