私の夫は専業主夫。プロポーズしたのは私から。
「いま私が家族の大黒柱で、夫が専業主夫です」と言うと、多くの場合とても驚かれます。私が経営者であることを知っている人でも、夫もバリバリ働いていて共働きというイメージを持つことが多いようです。そんな私たち夫婦の役割のお話。
■社長になって10年。
間もなく社長になって丸10年となります。
さて、「社長になって10年なんだ」という話をしている人をイメージした時に、その配偶者の職業はどんなイメージでしょうか。
多くの場合、社長は男性と定義され、配偶者は「専業主婦で、社長である夫を支えている」とイメージしませんか?
しかし、私のように女性の社長の場合はどうでしょう。未だにこんな風に言われることがあります。
■プロポーズは私から
私が夫と出会ったのは25歳の時でした。夫は当時38歳(13歳上です)、不動産業のトップ営業マンとして活躍していましたが、職場の仲間に誘われて、新しく立ち上げる会社の創業メンバーとして引き抜かれたところでした。(なので、当時私の方が年収が高かった…!)
彼は建築士になるために、30代になってから仕事が終わった後に4年間も夜間の建築士学校に通っていて(すごい!)、2級建築士という資格を取るために日々勉強をしていました。
付き合うことになった1年後に2級建築士の試験があり、年齢的にも「試験に合格したらプロポーズされるのか!?」と期待していました。
しかし結果は不合格。。。
試験は1年に1度しかないため、また1年間は勉強漬け。来年も合格するかどうかはわからない。きっと彼は試験に合格するまではプロポーズしてこないだろうと、落ち込んでいる彼を見て確信しました。
でも、私は彼の事が大好きだったし、デートに行こうと言って勉強の邪魔もしたくなかった。私は彼の妻として、彼の勉強を支えたいと強く思ったんです。
だから、プロポーズを私からしたのです。
これは私にとってはとても自然なことでした。だって、結婚したいと強く思っていたのは私の方だったから。
そして付き合った2年記念日に入籍。結婚式は親族だけの簡素なものにし、勉強に専念してもらいました。
そして2回目の2級建築士の試験。
彼は無事に合格しました。
この時私は27歳。まだ会社員の時の出来事です。
■妊娠出産は社長になった後
本当はすぐにでも子どもが欲しかったのですが、なかなか授からず、結果として2年間の不妊治療をすることとなります。(不妊治療のお話は、また別の機会に。)
彼が2級建築士の試験に合格したこと、いつか飲食店をやりたいという夢を語っていたこと、そしてなかなか子どもを授からないこと。様々なことが重なり、私は会社を設立という決断をすることになります。
まだ子どもがいないうちに、
夢を叶えてみるのも悪くない。
私が会社を設立した2か月後に、夫は創業メンバーとして働いていた会社を退職し、私の会社に合流してくれました。
そこから佰食屋が二人三脚で始まり、OPENから2か月で正社員を採用、どんどんメンバーが増えてお店を任せられるようになった時、2013年29歳の時にようやく待ち望んだ妊娠が発覚したわけです。
そこから産休・出産・育児休暇を取り、少しずつ仕事を再開して子どもが1歳の誕生日を迎える時に第二子の妊娠発覚。年子で出産することとなり、この2年間は現場から大きく離れることとなりました。
■主夫になってほしいと言ったのは私から
子どもが男女ともに生まれたこと、そして下の子が生まれつき脳性麻痺でリハビリが必要なことなども相まって、子どもはこれ以上望まないと夫婦で決めたので、出産を終えた私は完全に仕事モードに戻ります。
様々な賞やビジコンに挑戦し、お店の成長や知名度アップに全力投球。新しいことに挑戦したり勉強したりと、仕事に熱中しました。その甲斐もあり、様々な方面から仕事をご依頼いただくようになり、私の仕事が多忙を極めました。
それまでは夫も不動産業をコツコツとやってくれていたのですが、あまりに私の仕事が忙しくなってきたので、コロナが始まる少し前ぐらいのタイミングで夫に伝えたのです。
■夫は私を支えてくれている
夫は文句ひとつ言わず、「了解!そうするよ!」と専業主夫になってくれたのが3年前。そこから私を支えてくれています。
一方で、私も完全に家事をしていないわけではなく、自分の担当を決めています。
私たちは、得意な家事を得意な方がするという役割分担で動いています。
そのため、私が泊まり出張から帰った後は洗濯ものが山積みになっていて、帰ってすぐに洗濯機を3回まわすこともありますが、それが私の担当なので、それでいいんです。
■いつでも役割を交代できる
今は私が大黒柱として毎日働いているけれど、夫がご飯を作ってくれることや洗い物をしてくれること等、とてもありがたいと感じ、それを伝えます。
一方で、夫も専業主夫(週に1回5時間ぐらいだけお店に出勤することもあります)ではありますが、洗濯や掃除は私が全部するので、それに対して感謝の言葉を伝えてくれます。
私たちは、いつでも「今は、私が仕事の番で夫が専業主夫の番だ」と表現します。私が妊娠出産していた時は夫が大黒柱だったように、いつでも私たちは役割を交代できると知っているからです。
そもそも、一人暮らしなら、仕事をしながら全ての家事を一人でやらないといけません。それを手分けしてくれるだけでも、感謝しかありませんよね。
そんな事って一つもないと思うんです。
出来るときに、出来る方が担当する。
出来なくなった時は交代する。
プロポーズは男から?
家事育児は女がやる?
そんなこと言ってないで。結婚したいと思う人からプロポーズして、家事育児はできる人が手分けしてやる。
そんな、「私たちにとっては普通」で「みんなからしたら一風変わった」と言われる夫婦の役割のお話、でした。
そんな夫との結婚10年の話は下記の記事から。
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私の夫は専業主夫。
プロポーズしたのは私から。
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株式会社minitts
代表取締役 中村朱美
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Thanks!!
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