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誕生日、ここに眠る。
アンハッピーバースデイ。
今年もアイツを始末する。
「誕生日」なんて言葉、ミュートにしてやる。
誰かが好きに祝うのはいいけど、目に入れたくない。
みんなの祝福のムードにはついていけない。
誕生日なんて敵でいいんだ。
アイツはゾンビか亡霊だ。
勝手に僕を数えたりしないでくれ。
僕の数も僕の時間も僕が決めるから。
存在を喜ぶのは否定しない。
僕だって祝いたい時がある。
でもそれは、365日いつだっていいじゃないか。
パーティの口実として日付が決まってるのは便利だけど
何年目ですって、数えなきゃ嬉しくなれないのか?
何でもない日、おめでとう。祝福を。
今日ここに僕が居ることに。君が在ることに。
毎日そこに新しい僕と美しい君を発見すればいい。
誕生日なんて無くても僕は命を喜べる。
年齢の価値が今の僕には分からない。
忌々しいアイツ。
毎年、足される数字を否定しては
儀式をして弔ってやるのに。
アイツはしつこくよみがえる。
おめでとうなんてニコニコ笑顔をふりまいて。
お前と仲良くなんてできやしない。
それでも僕の邪魔をしに来るんなら、
何度でも息の根を止めてやる。
アンハッピーバースデイ。
R.I.P.