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【用語】防鹿柵(ぼうろくさく)

防鹿柵とは、シカの侵入を防止する柵です。シカ柵ともいいます。 

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シカが進入できない高さのネットと柱の工作物を立てます。写真をよく見ると、柵の中の方が植物の種類が多く、高さが高いのが見て取れます。



1997年の森づくり開始当初、特に多くの時間を費やさなければならない作業がエゾシカ対策でした。

1980年代以降、その数を増やし続けていたエゾシカが苗木や樹皮を食べてしまうため、シカが好む木には「樹皮保護ネット」を巻き付ける作業を行いました。

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冬は積雪が1~2mあるので、雪の上でもシカの被害がないような高さにします。


また、「防鹿柵」と呼ばれるシカ除けの柵を設置し、柵内への広葉樹の植え込みなども進めました。しかし、防鹿柵はエゾシカが高密度に生息する状況では有効な手段ですが、補修等のコストの面から防鹿柵を設置し続けることは難しいという課題も浮き彫りとなっていました。


 2005年、知床が世界自然遺産に登録され、運動地のエゾシカ対策にも転機が訪れます。2012年1月より、運動地を含む幌別・岩尾別地区でも世界自然遺産地域の植生保全を目的としたエゾシカの個体数調整(シカの数を適正な生息数とするため間引くこと)が始まりました。

これは、「知床世界自然遺産地域管理計画」の一つとして定められた「知床半島エゾシカ管理計画」に基づき、遺産地域のエゾシカの管理として行われているものです。

この取り組みにより、2014年頃からは、運動地周辺のエゾシカの生息密度は減少の兆しが現れ始めます。以前に比べるとシカの姿を見ることも少なくなり、そして、防鹿柵の外でもこれまでに目にすることがなかった小さな木々や草花が見られ始めるようになりました。

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 現在も運動地周辺では個体数調整事業が行われ、エゾシカの生息密度を低く維持する努力が続けられています。開始から20数年を経て、知床の森づくりは、新たな段階を迎えています。



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