フォーティエイト つぶし駒掛け その3


「つぶし駒掛け……だ」
つぶやくように告げるリョウ。
日頃の研鑽がつい出てしまう。 彼女は、仲間内で男女四十八手の権威なのだ。
しかし、智史とそういう間柄になる前は理論のみの権威であった。
「つぶし駒掛け……?」
「この体位の……名前……」
腰が密着し、そのまま横へと軽くグラインドされる。
「あう……」
「へえ、バックっていうだけなのかと思ってたら……いろいろ名前があるんだ」
「い、今までだっていろいろあっただろ」
肩越しに振り向いて智史の顔を見ようとする。 その顔がまた色っぽく、智史はリョウの中で反り返らせてしまった。
「ひう!」
奇声を上げてリョウが背をのけぞらせる。 すると結合が浅くなるので、智史はメイド服がまとわりついている彼女の腰を引き寄せねばならなかった。
「い、いや……そこ感じ過ぎ……」
「もっともっと感じさせますよ……リョウさんのこと、大好きだから」
「あ……」
時ならぬ智史の告白にキュンとなるリョウ。 そしてそれが引き金となり、彼女は我を忘れて智史との行為にのめり込んでいった。


この項終わり

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