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私だって転生したい!(1)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:オタク気質の子。

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新章開幕ー!!


1時間目と2時間目の間の休憩時間、
高校の教室で……。


 ねぇねぇ、きぃちゃん。

 んー?

 どんなお話を書くか、まだ聞いてなかったけど……もう決まってるの?

 おっ、よくぞ聞いてくれました!いろいろ挑戦しようと思ってるんだけどさぁ。

 うん。

 いま考えてるのは、異世界転生ものだよ。

 あっ、聞いたことある!最近流行ってるんだよね?

 そう!やっぱトレンドは押さえておくべきじゃん?……だよね、青ちゃん!

 とあるアメリカ人がこんなことを言っている。……「トレンドを押さえないと読んでもらえない。オリジナリティがなければ読んでもらう資格がない」。

 へぇ……いいこと言うなぁ、そのアメリカ人。

 有名な作家さんの言葉?

 ううん。私立探偵の言葉。

 探偵……へぇ……。

 毎日ハンバーガーを食べてると、そんなシャレたことが言えるようになるのかね。

 ハンバーガーかぁ……。

 ハンバーガー食いに行くかぁ。

 ……えーっと、授業……。

 じつはさ、ちょっと悩んでて。

 えっ、どうしたの?

 異世界転生ものを書こうって決めたんだけど……具体的にどんな風にストーリーやキャラを考えていけばいいのかわかんなくてさぁ。

 そっかぁ。

 何しろ私、小説書くの初めてだから。

 うーん……青ちゃん、どうしたらいいのかなぁ?

 打ち手はたくさんある。

 おー!

 例えば、転生時に得る能力から考えるのも一案。能力が決まれば、あとは「それを使ってどう活躍するか?」とか、「どうすればピンチになるか?」とか設定していけばいい。

 なるほど!

 能力?

 異世界転生ものでは、転生時に特殊な能力を授かるパターンがあるんだよ。

 へぇ!

 一般的には、その能力を使って異世界で活躍することになる。だから能力が決まれば、エピソードを作りやすいはず。

 そっかぁ!

 能力ねぇ……。

 きぃちゃん、何かアイデアある?

 能力といったら……やっぱ筋肉アップかな!

 筋肉?

 いざという時に、筋肉が爆発的に膨れ上がる能力!

 ……爆発かぁ。

 ほら、異世界ってどんな危険が待ち受けてるかわからないじゃん?そんな時こそ筋肉っしょ!「筋肉が一番!筋肉があれば何でもできる!!」って言うし。それになにより、ムッキムキな人ってカッコいいじゃーん!

 ムキムキかぁ……。

 ムキムキな人はいいけど、「何でもできる」のはあまりよくないかもしれない。

 えっ!?

 青ちゃん、どういうこと?

 主人公が無敵の能力を持つ話は難しいから、あまりオススメできない。一般的には、主人公が強すぎると物語にメリハリがなくなり、読者は飽きてしまう。

 あー、確かに!

 そっかぁ。そうだよなぁ。……筋肉アップは止めた方がいいのかなぁ。

 筋肉がアップする代わりに、何かを失うという設定にすればいい。そうすればバランスがとれるから。

 なるほど!

 うん。

 何を失えば面白くなるかなぁ……。

 んー。

 ……うん!IQだな!

 IQ!?

 「オレのターン!IQを生贄にして筋肉を召喚!出でよ、大胸筋!」なんて感じ!……どうかな?

 とてもユニーク。

 おー、褒められた!

 えっと……IQはどれくらい下がるの?

 そうだなぁ……。

 この世はすべからく等価交換。筋肉とIQは比例関係にすべきだと思う。

 より強力な筋肉を得るには、より多くのIQを差し出すってわけか。

 その方が、ドラマが盛り上がる。

 確かに!例えば……最強の敵が現れたらIQなんて気にしてる場合じゃないよね。極限まで筋肉を強化する!つまり、IQはすっからかんになる!……もうね、誰と、何のために戦っているのかすらわからなくなって、敵味方問わずぶち殺していく!

 ええっ!味方を!?

 『ドラゴンボール』の「大猿」にしろ、『エヴァンゲリオン』の「暴走」にしろ、思えば名作にはコントロール不可能な要素がつきもの。

 そっかぁ。

 きぃちゃん、面白くなりそうだね。

 おー、また褒められた!


これがほんとの脳筋ー!!

明日も見逃すな!!(毎日更新中)


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