今日の朝食 茹でたまご、
356 記憶の中の茹でたまご。
朝、冷蔵庫にあった茹でたまごの殻を剥きながら、ふっとものすごくおいしい茹でたまごを食べたのは、いつのことだっただろうかと考えた。記憶にはあるものの、その記憶をだどりきれないまま、久しぶりに淹れたて温かいコーヒーを飲みながら、厚切りのバタートーストを食べた。
朝から予定が詰まっていたので、そのまま簡単な朝食を済ませて、午前中の予定を終えて、隣の駅まで探し物に出かけて、買ってきた唐揚げで昼食も済ませて、午後の仕事を終えて、散歩がてら東急ストアに行き、戻ってまた仕事をしてから、夕食を終えて、ドラマを1本観た後に、朝から引っかかっていた「記憶の中の茹でたまご」を探すことにした。
その茹でたまごは、2011年の7月10日にフランスのシャンパーニュ地方、アイ村のホテル・カステル・ジャンソンという宿で、朝食に食べたものだったという結論に達したのは、本棚にある40冊ほどのノートの一冊、2011年の夏のメモを見つけたからだった。
お湯が沸く、茹でたまご機の中に自分でたまごを入れて、好みの時間で引き上げて食べるというシンプルなものだった。パンとコーヒー、ハムとチーズにフルーツが少々というシンプルな朝食だったのだが、どれもとてもおいしく、とくに茹でたまごの味わいは印象に残った。
震災の年、春、夏、秋とシャンパーニュ地方を訪ね、夏にアイ村に行ったときに泊まったホテルの朝食で食べた茹でたまご。やさしいマダムと、親切なオーナーのルネさんの人柄に、新鮮なたまごという組み合わせであったのだろうと思う。しかし、またあのホテルで食べてみたい。とりあえず週末に、ルネさんが造るシャンパーニュ・アンリ・グートルブを手に入れて朝食に飲んでみようかと検討中。
それにしても、10年前のメモの字が汚すぎてなかなか判読できなかった。2時間以上、シャンパーニュの記憶を彷徨う羽目になった。暗号メモのようなノートだが、記憶のHDみたいな存在ではあると思った。