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今日の朝食 フレンチ・トースト再び
060 おいしかったものは、繰り返し作れ
昨夜は快飲した。久しぶりに会う巨匠、仕事の仲間と酒を飲んだ。静かに、熱く時を過ごした。やはり人と会うことは大事だと確信する夜だった。オンライン、リモート疲れが癒されるひとときだった。
重い体を起こして、朝食を作った。食パンを切り、卵とオーツミルクの解き汁をたっぷりと吸わせて、バターとオリーブオイルで焼いた。うまい!と思った食事は、繰り返し何度か試すうちに、分量や加減がブラッシュアップされていく気がして、ついつい同じ食事が続くことはよくある。
最近、ハマっているフレンチ・トーストもそのひとつだ。焼く時のオリーブオイルやバターの量、火加減を調整して、完成度は高まっていくように感じられる。自分がおいしいと思える頂点に向かって、調整は続く。
厚切りだから、耳も立てて焼けるのだが、この光景を見ると、なぜか備前焼の伊勢﨑 淳さんの作品を思い出す。しかも蘇るのはmiho museumの風景と、備前の作品が並ぶ風景だったりする。記憶の結びつきというのが、どのように紐づいているのか、自分の感覚を疑いたくなるのだが、そびえ立つパンを見ると伊勢﨑 淳さんの神々しい作品が脳裏を占拠する。
伊勢﨑 淳さんのオブジェを彷彿させるフレンチ・トーストは、皿の上でメイプルシロップと融合して、フォークとナイフで新たなかたちへと造形されて、胃袋の中へと消えていくのだった。