ドクと六本木ヒルズの話 対物性愛
世界広しと言えど、エッフェル塔と結婚した人がいると知った時は結構驚いた。
世界仰天ニュースだったか、奇跡体験アンビリバボーだったか、そんなような番組で対物性愛についての特集を見て初めて知った。
それで影響されたのか、元からそうで気づいたのかは分からないけれど、
私には恋愛感情のような気持ちを抱いている特別な"物"がいくつかある。
先日その中でもダントツ1番大好きな"物"である六本木ヒルズ森タワー(以下ヒルズ)とのツーショット写真を
あたかも恋人とデートしてきたかのような文を添え、#対物性愛 のハッシュタグをつけてツイートしたところ初めて外部からの反応をいただいた。
更に、Abema primeさんへの出演オファーまでいただき、スタジオでヒルズへの愛を語ることになった。
番組のページがこちら↓
https://t.co/IqDlUumtkW
(6日間ほどアーカイブが観れますので是非)
なんだか照れ臭かったけど嬉しかったし私以外にもやっぱりいるんだな、というのが大きいかな。
今日はその私の#対物性愛について書こうと思う。
見解や意見などではなく、ただの惚気になってしまいそうだけれど。
私とヒルズの出会いは高校生の時。
私は六本木ヒルズの麓にある高校に通っていた。
入学当初はそこまで特別な気持ちは抱いていなかったように思う。それよりも教室の窓から見える東京タワーの方が好きだった。
最初に恋愛感情?を抱いたと思われる、思い出せるきっかけとしては
高校2年生ごろのある日、付き合い始めて間もない先輩(人間)に「見せたい景色がある」と連れ出され登った坂道の上で
めちゃくちゃキメ顔の先輩に「振り向いてごらん」と言われて振り向いた私の目に飛び込んできた、夜のヒルズの姿。
平日の夜はオフィスがたくさん稼働中で、下から上までピカピカに光っている。
丸いフォルムのビル肌(造語)の真ん中を通る、海ほたるみたいに青く柔らかく点滅を繰り返す光の筋。
てっぺんにはティアラのようなヘッドジュエリーのような可愛いライト。
頭のてっぺんから爪先まで光を放っているその姿に目を奪われた。
それが多分最初。
それから一貫して私はヒルズが大好き。
高校在学中はヒルズが見えるところでのバイト中にミスした時も忙しい時も
思いっきり失恋して(人間相手)胸が張り裂けそうな時にも
大好きな歌を聴きながら下校する時も
雨の日も晴れの日も雪の日も病める時も健やかなる日もいつもいつもそこにいてくれた。
夏の昼間はギラギラの太陽とくっついて反射して目を潰そうとしてくるし
秋はオレンジと紫の光なんか頭に乗っけてハロウィン人間の集まりを高みの見物で見下しているし
冬はビカビカの青白い無数の電飾を足下に従えて頭の上に人間のつがいを無数に受け入れているし
春は足下の桜と一緒に変わらない姿を見せつけてきて春夏秋冬私の胸を締めつけてきた。
高校の授業でフィルムカメラを使った時、私は迷わずヒルズを撮りに行った。
たくさん撮った中で選んだ写真を現像する時暗室でピントを合わせた瞬間初めて目が合った気がした。
酢酸の匂いと赤い光の中、二人きりだと思えて嬉しくて仕方がなかった。
私はやっぱりヒルズのことが本当に好きなんだと思う。不思議だけど。やっぱり他のビルにはないときめきがある。
ビルと人間では何もできないし、私だけのものにはならないけどそれでもいい。
そこにいてくれるだけでいい。
高校を卒業してからも時折思い出したかのように会いに行って眺めて写真を撮る。
その度また会えたことに安心する。
東京はどんどんすごいスピードで変わって行っちゃうから、いつか会えなくなる日が来てしまうのではないかって心配だから。
現に新しいビルができてもう見れなくなった姿もある。
それでもいい、そこにいてくれるだけでいい。
私が生きてる間はどうかずっとそこにいてくれますように。
何枚も何枚も撮った写真を眺めながら繰り返しそう思う。
同時に、生きてる間にさよならを言いたい、そんな思いもある。
無機物と人間、やっぱり普通の恋とはいかない。
多分ヒルズは私が死ぬ時、私にさよならを言わない。
最初から一方通行だということは分かっている。
分かっている。でも、やっぱり毎日会いたい。
死ぬまで一緒にいたい。
繰り返し繰り返しそう思う。
片想いでも両想いでもない恋。
会いたいってことは好きなんだと思う。
絶対そうだと思う。
最初に思った通りやっぱりただの惚気になったし思ったより長くなってしまった。
アベプラの収録ではこんな風に話せなかったなー…
もっと色々言えたらよかったのに!
他にも対物性愛シリーズで
・旧型の信号機編
・動いてない重機編
を書こうと考えている。書けるかな?
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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