ドクと下北沢の話
15歳くらいのとき、チャンベビというガールズバンドが好きでよく下北沢モナレコードにライヴを観に行っていた。
アルバムは全部買っていて、全曲覚えていて
いつも変わらないセトリを安心して聴けるライヴが大好きだった。
いつも一番前の席に座って必ず泣きながら観ていた。
ボーカルのユウコさんが歌ってるのを見るだけで涙が出てしまうのだ。
今考えてもよく分からないけど、確実に感情のスイッチがそこにあった。
そしていつもの最後の曲でコールアンドレスポンスで大きな声で歌って終わる。
当時のドクは自分の感情を表現できる場所が極端に少なかった。チャンベビのライヴが唯一のそれだったと言っても過言ではない。
ドクにとってとても大事で大好きな時間、空間だった。
その頃から、いやもっとずっと前からステージに立って歌うことがドクの夢だった。
やり方が全くわからなくて一歩が踏み出せなかった。
ドクが下北沢に戻ってきてステージに立つ夢を果たすのは20歳をとうに超えてからのことになった。
ひょんなことから縁あって繋がった東京恋慕に加入して初めて立ったのが
下北沢ろくでもない夜のステージだった。
あれから何年経ったんだろう。
たくさんよくしてもらった。
フリーワンマンややばい名前の自主企画やレコ発ワンマン
MV撮影までご協力いただき本当に感謝してもしきれないと思う。
ドクはいつもお酒を浴びるように飲み散らかし
高頻度で終電を逃し朝までお世話になり
いつもいつも元気をもらって一生かかってもお返ししきれないと思う。
今でも下北沢に行く機会があるたんびにろく夜に飲みにいく。
今はもう駅に着いて改札から出る度に
あの懐かしい下北沢とは全然違う姿の街がドクを迎えるけど
辺りを見回してももうあの頃の面影はほとんどないけれど
建物はどんどん変わっても街のかたちは全然変わってないし
なぜか意地になって引っ込みがつかなくなってくだらないぬいぐるみか何かに5000円くらい溶かしたゲーセンも
なんかくじ引きを引かされてそこから言葉巧みに乗せられて唐突にiPhoneデビューさせられた携帯屋もそのままある。
変わらないものもたくさんある。
なつかしいモナレコードに行ったおかげで
今日もnoteが書けました
こんなもんでいいのかな〜
ドク
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