王将の隠れ名作
いつもの店で、いつものメニューを食べる。
自分なりの定番を持っているような生き方はかっこいい。
でも、ちょっと勇気を出して新しいものに手を出してみる。
すると「なんでもっと早く試さなかったんだよばか」ってこともある。
例えば王将なんかでも。
王将の定番といえば僕の中では餃子とチャーハン、もしくは天津飯って決まっている。
でもいつの日か、その日は無性に焼きそばが食べたい気分のときがあった。
焼きそばって自分でもすぐに作れるしなあとか思いながらも、
(しょうゆ)って書かれた焼きそばが無性に気になった。
本来頼むべきチャーハンを犠牲にして焼きそばを頼んだ。
これで不味かったら承知しないぞという気分だった。
なにせ確実に美味しいチャーハンを犠牲にしているわけだから。
でもそんな心配は必要なかった。
出てきた焼きそばは、いつも食べているソースのそれとは違う薄めの色味でなんとも言えない香りを放っていた。匂いでワクワクしていた。
匂いからの一口目で、いきなり大ヒット。
焼きそばはこれしか食べたくないくらいのうまさだ。しょうゆベースのソースが独特の塩味と旨味を持っていて他では食べたこのない独特の味と香りを持っている。
見た目も心なしか光って見える。
なんでこんなツヤツヤとしてるのか?
そこは流石の王将、ちょっと油っぽいくらいのと油脂のコーティングで
肉、野菜、麺がしっかり包まれているからだった。
基本の味はしょうゆベースだし、麻婆やチリソースみたいにパンチも強くないから他のサイドメニューにもよくあう。
ラーメンやチャーハン、天津飯ももちろん美味しいけど、
30過ぎてからは炭水化物でお腹を満たすよりも、
いろんな味を楽しんだりおかずを少しずつつまみたい気分。
このしょうゆ焼きそばをメインにして、あとは少しずつおかずを頼めたらもう完璧だ。餃子や唐揚げなんかもあっても最高だね。
この出会い以来、王将の定番になったしょうゆ焼きそば。
なんでもっと早く頼まなかったんだとか思いながらも
大人になって出会えたからこそはまってしまったのかも。
いつもと違ったメニューを頼む、お気に入りの場所に行く。
そんな自分の中での鉄板を捨てて、攻めるって実は体力がいる。
当たる時もあれば外れる時もある。外れる時の方が多いかな。
だけどまだ鉄板ばかりを選ぶ人生にはしたくない気がするんだ。