獣皮活用に必要な超低温冷凍庫【1/2】コロナワクチン用に使われていた品の有効活用する!
獣皮活用の為に数年前から奔走しているのですがやってみてからじゃないと分からないことは多々あるわけでその中でも皮革活用においていの一番になる原料、すなわち原皮(獣皮)の確保があります。
幾度となく食肉の副産物であるという話は言っておりますがその為、どうしても順番は食肉⇒獣皮の順番となります。お肉が無ければ皮は生まれません。ところがそれが足を引っ張るというか、お肉よりはどうしても皮は活用にあたり食肉加工(解体)業者様からすると単価が安くなります。そこから問題となるのが保管場所。
今は出荷までの間、一時的に食肉用の冷凍庫を間借りする形で置いてもらっています。獣皮は結構場所を取るのでお肉の場所を圧迫します。収益性の悪いものより良いものを優先するのは当然の流れです。すなわち原皮を置いてもらえるスペースがなくなっていくという事です。
解決の為には専用冷凍庫を導入するのが一番なのですがこれがまた費用的に結構掛かります。
そしてこれを解決するために嬉しいお話を頂きましたのでそれを試験導入してみようというお話しです。加えてなんでそんなに低温じゃなければいけないのか?以前にも話していますが獣皮活用において、原皮の確保において非常に大切なのでもう一度話していきます。
コロナワクチン用の冷凍庫が大量廃棄!?
ある日、県庁の方と別件で話していた際に出てきたとある話題。そう、コロナワクチン冷凍庫の件です。感染症法上の取扱が5類へ移行したことに伴い付随機器の管理も国から自治体へとそのまま移行しておりました。移行後もワクチン保管には使えるのですがなぜ廃棄なのでしょう?理由は使わなくなるから。これまでは国策として国民全員に接種を呼びかけていましたから相当数が必要であり、それに合わせてもちろん保管用の機材も必要という事です。およそ二万台が国から各自治体へと無償譲渡されています。
このコロナ関連で導入された機材(ここでは超低温冷凍庫のみ)が5類移行により任意接種になるためそもそもの接種者数が減ってそれに伴い保管する数が減りますから不要になるという事です。
各自治体へは厚労省から5類移行後の取扱に関しての連絡が出ておりました。昨年末から、今年度末である昨今も新聞各社などで最近報道されていることも少なくありません。その中で多くは研究用などで大学や医療機関へと配備が進められていたというわけです。
ちなみにこの超低温冷凍庫はメーカー希望小売価格だと80万円前後します。
キョンの獣皮に最適かもしれない
実際に私が「チバレザー」開発ため原皮の確保へ動いている中でその保管問題はかなり大きな要素です。※こちらは後編で述べます。
大きく分けてイノシシ、シカ、キョンの三種類をチバレザーとして皮から革へと創り変えています。この中でなぜキョンに最適かもしれないかと言うとサイズの観点からです。この中では一番小さなのがキョンで成獣でも15kg程度しかなく非常に小さいと言えます。ワクチン用の超低温冷凍庫もそんなに大きくありませんので保管枚数が一番確保できるという事です。
また食肉の副産物である皮(革)ですがキョンは食肉としての流通量はまだ少なく原皮が出にくいという弱点があります。しかしながら獣害として捕獲はされますので何とか活用をとなった場合に食肉ではなくまずはできる事、獣皮活用からやってみようという事です。
食肉にするには『食品衛生法上に基づく食肉処理業の営業許可を取得した施設で解体された肉』と非常に厳格な基準をクリアした施設のものしか流通させてはいけません。
↓過去記事参照ください
こういった施設がまだ少ないので副産物としてのキョン原皮はまだ少ないという事です。しかし前述したように獣害としてどんどん捕獲されますからやはりただ廃棄するのではなくせめて革(皮)として活用していく、すなわちいのちを無駄にしないという事に繋げていきたいわけです。
『獣資源活用』次の一手に必要なもの
機銃を通過した食肉加工施設が少ない、冷凍保管がなぜ一番いいのか、この辺りの話はまた別の機会に詳しくお話しますが何はともあれ必要なのは原皮保管環境という事になります。
それは
・認可取得済み食肉処理施設の増加
・原皮冷凍保管環境の整備
が急務なのですが前者は私たちの領域ではないので一旦、横に置いておくとして後者は私たちがやらなければいけない事です。冒頭申しましたように今は各食肉施設内に間借りする形で施設側に負担をかけている現状です。これらを払しょくするために冷凍庫配備の環境を進めていかなければいけません。これらは実務上、次にやらなければいけない事ですが加えて周知徹底というのがまだまだ足りていないと感じます。
なぜそのような大そうな施設が必要なのか?
そもそも獣害はなぜあるのか?
こういった根本にある物事を理解しないといけません。衣食住全てにおいて最終製品しか目にすることのない時代ですから中々伝わり難いかもしれませんがマクロで見たとき、いのちは全てに繋がっています。とりわけ私の業界、そして千葉県においてはいのちとの繋がりを伝えるのにはこの獣害問題は最適であるとも言えます。実務面からと根本理由を上手に織り交ぜながら伝えていく事が次の一手として必要不可欠です。
これらを伝える場として学校や各勉強会などへ講話しにいったりしています。このnoteも伝える場として機能させていきます。読まれている方で話をしてほしいなど御座いましたらぜひその機会を頂ければ幸いです。
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