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65歳のナンパに付いて行ってみた話(2)

お会計を済ませていただき(ご馳走様です‼︎ありがとうございます‼︎)、居酒屋を出た。
12月の風は、頬を切るように冷たかった。

お祖父様はまず、コンビニに向かった。
「何番だ?」と私に聞き、番号を答えるとその煙草をプレゼントしてくれた。感謝の旨を伝えあり堅く頂戴した。
コンビニを出た。お祖父様と並んで歩く。
私が「ところで、どこへ行くのですか?」と聞くと、「良いところだ」と言ってお祖父様はニヤッとした。ふぅん。と、思った。

10分ほど裏路地を歩くと、お祖父様が突然止まりある店に入った。
スナックだった。
入店すると私をみたスナックのママさんが開口一番、「あらとんでも無く若いお客様ね。失礼だけど、ご年齢は?」私に問うた。「4月で20歳になりました。」と学生証を見せた。「あらほんと、失礼したわね。何を呑む?」と迎え入れてくれた。
ハイボールを頼み、お祖父様と話をした。
どこから来たのか、年齢はいくつなのかから始まり、お祖父様の娘さんの話や孫の話をたくさん聞かせて頂いた。
中でも覚えていることは、お祖父様がママに「変な関係ではない。さっき出会った友達だ。」と紹介してくれたこと。最近人間関係で悩んでいた私には、とても嬉しい言葉だった。
その後は、他のお客さんと歌を歌った。工藤静香や広末涼子、中島みゆきなど。みんな手拍子をしてくれたり、合いの手を入れてくれた。

一頻り話した後、3時くらいに御暇することにした。
お祖父様に1日のお礼を伝えた。
「また会おう」とお祖父様に言われて嬉しかった

本当に良いところだった
またいつか、65歳の友達に会いたい。

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