東京佼成ウインドオーケストラ 第154回定期演奏会 を聴く
noteでは初めての、演奏会に関する投稿です🌸
終演直後に書き始めていますが…今日起こった前代未聞の連続、凄過ぎました…!!!
生演奏の本番を聴きに行くのは3ヶ月ぶり、東京佼成は〈第151回定期演奏会〉からなので半年ぶり。素晴らしい贅沢をしてしまいました✨
指揮者の原田 慶太楼氏は過去にも、
・2018/6 シエナWO(第46回定期演奏会)
・2019/6 シエナWO(第48回定期演奏会)
・2019/8 東京フィル(NEO SYMPHONIC JAZZ)
3度演奏会に足を運ばせていただき、アグレッシブな音楽表現とその表情に憧れを抱いておりました!
音楽に対する姿勢においても共感することがとても多く、勝手に勇気付けられた思いをすることも過去に何度もありました🌱
師事をされた師匠が、吹奏楽界に大変な影響をもたらしたF.フェネル氏であり、氏が指揮者として長年ご活躍をされた日本の吹奏楽団、東京佼成ウインドオーケストラ(以下"TKWO")の定期演奏会に、原田氏が満を持して初登場という話題性!!
↑この"初登場"という事実、この投稿の終盤までぜひ覚えておいてください💡
もちろんプログラムも、F.フェネル氏に縁の深い曲目だらけで、経緯は違えど楽団、指揮者双方にとって得意とするプログラムでしょう!
正直期待値の高さは半端無かったのですが…いとも簡単に越えられてしまいました😅笑
第一部(3曲)
パッと見た時、まずはその曲目の多さに色々と気付きます。
TKWOの定期演奏会は、毎回4曲から多くても6曲ほどのプログラムが大半でありましたが、今回は9曲ものプログラム。最終的にアンコールも1曲あったので合計10曲…最近のTKWOではこの多さ自体がかなり珍しいことなのです😳
更には最初と最後、どちらの曲も「マーチ」であることも、私が行ったTKWOの演奏会では聴いたことがありません…!
それこそF.フェネル氏が現役であった頃の公演ではよくあったことなのかもしれませんが、現代のプロ吹奏楽団の演奏会ではとても珍しい現象です!
〜いざ、プログラムの中身へ〜
《フローレンティナー・マーチ/J.フチーク》による華々しいスタート!TKWOとF.フェネル氏のスタートこそがこの曲。原田氏も同じ選曲をされたのです…!
しかしながら、こんなアプローチ初めて聴いた!!Trioから一気にテンポダウンさせ、緩急も伴い美しく歌い上げていく。日本でマーチを演奏する機会=コンクールorマーチングに値することが多いので考えようが無かったですが、これはとても新鮮でした!💡
事前のSNSの投稿で所有楽器の中で最も古い楽器を使用しているとのことだったB.D.も、芸劇では初めて聴く逞しく響くサウンドで、冒頭から一気に世界観に惹き込まれてしまいました!まさしく"新生"TKWOが始まったかのような幕開け?笑
…これで腹7分目といったところでしょうか(早すぎ)
演奏後、いつもは指揮者が退場されてから舞台転換が始まるのですが、本日の原田氏は舞台上で待機、間のチューニングも舞台上で聴かれていました!この行動にも何か意味がありそう。
《吹奏楽のための抒情的「祭」/伊藤 康英》。オープニングから舞台後方で存在感を放つ桶胴太鼓(名称違ったらすみません…)、この出番が早速2曲目で登場!
伊藤氏の30年以上前の作曲で、青森県のいくつかの民謡が題材。ただ活発で溌剌とした部分ばかりに注目するのではなく、「聖と俗との混沌の中で、この『祭り』は抒情性を極める」ということで、1曲目とは打って変わった"静"と"動"との見事なコントラストに心奪われます!
ラストのTimp.の大熱演から、B.D.の一音で豪快に終曲!!ズシンと全身に響いたものです🔥
《交響曲第一番「指輪物語」より Ⅰ.Ⅲ./J.デ=メイ》は吹奏楽界ではなかなかの王道でしょうか!こちらも迫力満点✨
全楽章を聴きたかったくらいですが(笑)、今回は交響曲のオープニングを輝かしく飾る第一楽章「ガンダルフ〜魔法使い」と、S.Sax.の大変技巧的なSoloから、合奏全体が躍動する第三楽章「ゴクリ(原名:GOLLUM)〜スメアゴル」の抜粋。
2曲目の《祭》との作曲時期は数年ほどの差で、国や作曲家のスタイルによりこんなにもサウンドや曲調が違うのかと!それでいて楽団と指揮者との方向性や統一感は抜群で、「生って良いよなぁ」と改めて思わせられる瞬間でした!
第二部・アンコール(7曲)
↓本日のプログラムで最も楽しみにしていたのはこれ!!!↓
《ブルー・シェイズ/F.ティケリ》。エキサイティングな感動を覚えるがあまり、この曲で涙が出そうになるとは想像していませんでした…!!!
元々過去の指導先の学校で取り組んだり、福井県の武生商業高校の先生に幾度とお世話になった流れで好んでよく聴いていたことがあり、この曲をTKWOでやるのはもう、それこそ前代未聞だと思っていました…!(しかし本曲、TKWOでも以前取り組んだことがあったそうです。全然前代未聞ではないです())
休憩明けで雰囲気がリセットされた状況で、最初の音2つでもうワクワクが止まらない!音楽的爆発が何度も発生する中、Cl.Soloは小倉さんによる立奏、これは本当にシビれまくったっ!!!!!最後のSym.の一音まで情熱的且つ本当に楽しそうに振られていた原田氏には、改めて憧れの意が強まりました😎
あんなに見事に噛み合った《ブルー・シェイズ》に、今まで出会ったことがありませんでした!(汗) 今日の熱演は、絶対に忘れてはならない!!!!!
…お気付きでしょうか、もう私大満足しています笑
既に腹12分目くらいでしょうか、お腹いっぱいを越えています() 次いで…
《古いアメリカ舞曲による組曲/R.R.ベネット》が、今回の演奏会のメイン枠を飾る構成なのでしょう!初めて聴きましたが5つの曲から成る大規模な楽曲でした!
本曲が初めてどころか、R.R.ベネット氏の作品は《吹奏楽のためのシンフォニック・ソング》のみ知っているという、まだまだ浅い状態でした…それが本当にもったいないと感じるほど面白い曲で、トリッキーな構成を秀逸な演奏で初鑑賞出来たのは本当に幸せ者です✨
この曲の初演はなんと1949年!!驚きの歴史の深さ…なのに色褪せないこの曲の魅力の正体は一体なんなんだ!?いずれ取り組みんだり読んだりしてそれを追求したいところです!
《ウェディング・ダンス/J.プレス》以降の4曲は、F.フェネル氏の"最後"にフォーカスした選曲。この曲は、TKWO×F.フェネル氏初共演のアンコール曲であったそうです!
この曲はアンサンブル(Cl. Octet)の演奏の方が先に知っていましたが、それもこれもF.フェネル氏による功績とのこと。まさしく今日のステージに相応しい情熱的な音楽をこれでもかというほどにかまします!!!🔥
これぞプロフェッショナルのアンサンブル、伝統を継ぐTKWOにしか為せない技でしょう!細かい音符ばかりが連続すると思ったら、終盤の長音で一気に惹き込んで来るんですよ…本当にずるい。笑
…これで終わると思うじゃん?まだアンコール込みで4曲あるんです…!
《美しきドゥーン川の堤よ土手よ/P.グレインジャー》。本曲はF.フェネル氏が生前最後に指揮された曲なのだそうです。曲調も一気に変わります。
1曲目から基本私は、全体を見渡すと共に原田氏の指揮の様子をよく見ていたのですが、この曲で初めて指揮棒を使わずに振られます…深い共感。
終盤になると、客席からでは見えないほどの動きとなり、それだけ小さく振っていたのか振るのをやめていたのか…というところ。音が切れた後に自然と発生した長い静寂の時間は、以前の〈第123回定期演奏会〉のラスト曲《Mindscape for Wind Orchestra/高 昌帥》の時の記憶を思い出し、この時間こそが生演奏の一番の魅力であることを再確認しました。本当に美しい時間でした🌸
そして、プログラム上では最後の2曲はF.フェネル氏がよくアンコール・ピースとして演奏された曲なのでした!
《行進曲「ローリング・サンダー」/H.フィルモア》《行進曲「ヒズ・オナー」/H.フィルモア》。どちらも大変ハイテンションなマーチです!😆
最後の最後までエネルギッシュな演奏、であることはもちろんのこと、F.フェネル氏がよくやられていたというバッティングポーズも何度も登場!敬愛するその姿勢を強く感じたと共に、聴いて、観て、感じて、何倍も楽しみ感動出来る公演の締めに大変相応しい2曲でした!
と、ここで終わると思いきや!拍手に数度応えて舞台に戻ったと思えば、指揮台に乗り人差し指を掲げる姿!どんな曲をやるのかと思ったら…
《シェナンドー/F.ティケリ》。開演前の予告動画で原田氏が「F.フェネル氏との大事な曲」と仰っていた曲の正体はこれでした!
これだけ白熱した演奏会でありながら、最後は穏やかに締める!?予想を遥かに超えてきました…もの凄いプログラム。
最後の一音が切られてからの静寂、先程のグレインジャーの時よりもさらに長かったように感じます。あの幸せな時間をもう一度…演奏にかける思いなどももちろんですが、昨今の情勢下で、生の演奏会を聴く機会が減ってしまっている中、本当に大事な部分をじっくり思い出させていただけているかのようで…今だからこそ心に染みるものがありました。私も強く生きよう。
終演後…[総括]
鳴り止まない拍手、この中でTKWOの演奏会はおろか、今まで観てきた演奏会では全く見たことの無い光景が2つありました!
まず、アンコール前とアンコール後、2度に渡って指揮者の原田氏が演奏者から拍手を受けていたこと。2度目は一度立たせようとしたのに立とうとしない演奏者たち。こんなことって凄い…舞台上全体が愛に溢れている瞬間でした。
そして、プレイヤー全員が退場した後も客席からの拍手が全く鳴り止まず、しまいにはカーテンコールのようなものが発生したこと!スタンディングオベーションに囲まれ、指揮者と演奏者が中には楽器も持たずに舞台に出てこられ(相当予想外のことだったのでしょう!)、全員で例をされる姿。あんなの初めて見ました!約2時間の公演が本当に貴重なもので、文字通り"最高"の時間であったのではという考えを確信に変える出来事でしょう。ホール全体が愛に溢れた瞬間でした。
こんな現場にいることの出来た私、どれだけ幸せ者だったのでしょう🌸
これを活力にする他ありません!!!🔥
"初登場"であったにも関わらずこれだけの相性と愛を魅せる楽団と指揮者。
勝手な想像ですが、演奏者が長い時間指揮者を称えていた光景を見て、私には楽団から原田氏へ「おかえり」といったメッセージを送っているようにさえ見えました。あの音楽を待っていた人は多かったことでしょう😭✨
次の共演はいつなのでしょうかね??これで終わりではないですよね…??🙏
何卒よろしくお願いします🙇♂️笑
既に今からその時を楽しみにしたいと思うほど!!大事なものを思い出させていただけた久々の生演奏、本っっっ当にありがとうございました!!!✨
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