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「部活動」というものの在り方 [理念]

今回は真面目に、今現在最も時間を使っている(≒本業みたいな扱い?)現場に対して、私自身の理念や思うところを綴らせていただきます。
こればかりは中途な内容にしたく無いので、他と比較してかなり長めの投稿となりますことを、どうかお赦しください。

[ ⚠️注意!⚠️ ]
不特定多数に届く媒体に発信している以上、教え子など直接指導を受けたことのある人がこの記事に辿り着くかも(ありがとうございます!!!)。
現在進行形でレッスンしている学校も含め、各現場に即した最良の方法を試行錯誤しながら取り組んでいます。これから触れる理念を100%発揮できているとは限りませんので、予めご了承ください…!
(アマチュア吹奏楽団【はじめの一歩吹奏楽団「笑」】の活動は理念第一で展開中、気になる方はぜひ体験しに来てください!)

 … … …

早速、“在り方”の結論にあたる部分に触れますが、
私が思う、現在の「部活動」における根本に当たる目的とは、

スポーツや文化活動などを通して「将来をより豊かにする方法」を知る

…と、考えています。

人によっては、部活動の延長線が「仕事」となったり、「趣味」の大きな部分となったりするケースもあれば、たまに触れる/思い出す程度の場合があったりなど、結果どういった距離感で“豊かさ”に繋がるかは十人十色だと思います。
加えて「吹奏楽部」にとっては、この考え方が特に重要度の高い部活動なのではないかと考えています。(以下、吹奏楽部に特化して話題展開しますが、他の部活動に置き換えて考えても同じことが言えるのではと推察します。)

この「将来」という部分に焦点を当てた目的の提示は、教育基本法の前文として一番最初に記載のある、

我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図る

文部科学省「教育基本法」平成20年3月施行(平成22年11月一部改正) より

という記載があるにはありますが…、部活動に特化した記述には類似する記載が見当たらない他、「自分自身の将来を豊かにする」といったニュアンスを含む文章に限って考えると、学習指導要領にも特に無いのでは…と思います。
(…もしあったらすみません!大学時代に感じた印象+その時ピックアップした資料と、この投稿のために短時間で調べた程度なので、もしお詳しい方がいらっしゃいましたらどうぞご指摘いただけますと幸いです…汗)

なのでもしかすると、一般的にはわざわざ取り上げて考えられるような理念では無いのかもしれません。
或いは、活動を展開する上での様々な背景がある結果、あまり重要視されていない要素である可能性もあることと感じます。実際、そう感じてしまった現場も今までにいくつもありました…私にとっては、とても淋しいことに見えてなりません。

 … … …

「部活動」というものは、あくまで学校単位で行われている諸活動である以上、「学校教育」の一環、或いは関連しているものとして捉えられています。学習指導要領にも、文化庁から出されているガイドラインにも、記載があり、その位置付けは実に明白です。
では、「吹奏楽部」というコミュニティでは、約3年間を通して何を教育、何を学んでいくものか?

楽器の奏法や技術を学ぶ?
譜面の読み解き方を学ぶ?
音楽や吹奏楽に関するイロハを学ぶ?
集団行動としての規範などを学ぶ?
本番への向かい方や心構えを学ぶ?

どれも間違いでは無いでしょう。吹奏楽部において重要なものばかりです。しかし、これらが「学ぶ」という考え方で留まってしまう程、勿体無いことはないなと思います。

高校生の頃、レッスンにいらしていただいた指導者の先生からこんな話を聞きました。

3つの段階による“オンガク”
「 音我苦 」= 音、我を苦しめる
「 音学 」= 音を(音から)学ぶ
「 音楽 」= 音を(音で)楽しむ
自分は今どの段階にいる?本当の意味で「音楽」することができている?

今でも強く印象に残っている言葉です。
本当の意味で「音楽」できることを大切にしていきたいと同時に、「音我苦」「音学」の段階を経るということも、時には必要なことでしょう。

「音楽」だらけになる部活動運営も、
「音我苦」だらけになる部活動運営も、
バランスが悪いような気がいたします。(細かい配分に対しては様々な考え方があるかと思いますが!)

“ガク”の部分が、「我苦」を交えながら「学」の段階を乗り越え、「楽」の段階へと昇華していく。
「楽」が何よりも大事、ということでもなく、この昇華していく過程こそが最重要なのではと、私は思います。ですから部活動運営の上では、3つの要素それぞれが点在している状況を確保し、挑戦を重ねて全員で乗り越えられる過程を作ることができる環境こそが、私の思う理想です。

そして、この過程を知り、自分のものにしていくことが「将来をより豊かにする方法」になり得るのだと、確信しています。
究極的にはそれが“吹奏楽(部活動で扱ってきた活動)を続ける”ということにならずとも、その過程を知ることさえできたならば、これは将来のどんな活動にも生かされるものです。ただ、「楽」の要素をより多く知っている方が続けやすい、まだまだ探求したい気持ちば芽生えやすいかと思いますので、そのまま続けてくれる形がより嬉しいことは間違いないのですが…!笑

また、“特に吹奏楽部にとってこの考え方の重要度が高い”と前述した理由についてですが、
音楽は至高、とか言うのではなく…ただ単に部活動における諸活動の中で、最も“集団性”の高い部活動だと考えるからです。

人間は一生、何かの「集団」や「社会」に所属を繰り返していくこととなります。無論、居心地の良い場所ばかりとは限りません。
この中で、どんな立ち回りをすると良いのか、どんなことに注力すると先に繋がるのか、自分の役割をどう確立していくべきなのか、「我苦/学」→「楽」にしていくことを目指す過程の中で、その集団においてどんな自分を構築していくのか、吹奏楽部ではそれを問われる場面がとても多いと感じます。

会話をする際の「言葉」の選び方…、
接していく相手との「距離」の感覚の判断…、
「批判と否定」の違いに対する理解…、
何かを伝える際の最適な「タイミング」の判断…、

そして、喜びや楽しみを「共有」できる幸せ。

これを知ることができる吹奏楽部を、私は構築及び催促していきたいと思い、常々現場にあたるようにしています。

これが大人になっても本当の意味で「音楽」できるような思考を備えられていたら、どれだけ素敵なことでしょう!
そして、この思考をあらゆる「〜学」に当てはめていくことができれば、もう人生無敵です。たとえ大きなものを成し得られない人生だったとしても、過程を通して人生を豊かにしていけるものではないかと、確信しております。

…などと若造がほざいている、と言われればそれまでですが…笑
指導者というの私の大目標は、この「将来をより豊かにする方法」をより多くの生徒に気付いてもらい、実際に自らの人生を豊かにしていってもらえることです。

 … … …

実は、この投稿の作成中に出会った現場で、自分の考え方に影響を及ぼすような大きな出来事がありまして。(なので1週間空いてしまいました…)
また別機会で投稿しようと思いますが、より考えが強まるような出来事でした。

吹奏楽を始めて早十数年…、取り急ぎここまでの活動の中で、この考えが弱まったことはありません。今後もどうなっていくか…勝手ながら検証/研究を繰り返し、より現場に即した理念や方針を考えていけたらと思います。

…ところで。
最近、週末の指導の際に誰かと一緒に行くことが増えてきました。コンクールの時期だから、ということで各楽器の専門の人を呼ぶこともありますが、僕のやり方や各学校の実態に興味があり、付き人のように場を共にする人も。これがとても嬉しい!

客観的に見られることによる自分にとっての勉強は計り知れない…専門的かどうかによっても大きく視点が変わってくるので、私自身もいつも刺激をもらっています。
双方勉強になる空間、理想的な環境です。

私自身も皆様から沢山勉強したいと思っています。気になる方やお時間いただける方など、ぜひお近付きになれたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします!🌱

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