最強の性格・ENTJ(指揮官型)になる方法
1.ご挨拶と本稿について
こんにちは。初投稿となります。みるぷらとーと申します。
今回は、MBTI性格診断における「なりたい性格ランキング1位」「最強の性格」として選ばれることの多いENTJ(指揮官型)へのなり方を解説します。かく言う私もENTJの端くれなのですが、自らの過去を振りかえると必ずしも昔はそうではなかったことに気付き、一体何が自分の性格を変えたのか、と問題提起をしました。今回は私の性格を大きく変えることになった要因について説明し、それを再現性のある方法論として私の中で再構築した上で説明しようと考えています。
「性格ってなろうとしてなれるものなの?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、私の過去を振り返れば、内向的で、感情的で、怠惰で、優柔不断な自分がいました。しかし、中高生の間のいくつかの変わった習慣が、私を外交的で、論理的で、計画的で、決断力のある人間にしてくれました。私はこれらの習慣が私に与えた影響について客観的に記述することが出来ます。そして、そうやって記述されたものこそがENTJになるための再現性のある方法ということになるでしょう。
ENTJ(指揮官型)になるための再現性のある方法を示すことが本稿の目指すところですが、人間の内面を扱うものである以上、万人に等しく効果のある方法とはどうしても言い切れません。そのところをご承知の上、閲覧や購読をしていただけると幸いです。
2.ENTJから見たENTJについての解釈
ENTJになる方法を示す前に、まずは我々が目指している性格であるENTJについてもう一度整理しましょう。ENTJはその心理機能として、主機能が外向的思考、補助機能が内向的直感となっています。外向的思考とは、理屈に従って合理的に意思決定を行う機能であり、何事も定量的に評価してそれをもとに秩序だった思考を行います。内向的直観とは、本質を見極めてゴールから逆算したビジョンを作り出すひらめきになります。これらについての解説を行ってしまうと冗長になってしまいますから、詳しくは各自で検索していただけると幸いです。ENTJを理解するための肝は、内向的直観というひらめきに対して合理的で秩序だった思考で肉付けを行える点にあります。ゴールから逆算されたものであっても予感やひらめきにすぎないアイデアやビジョンに対して、定量的・合理的な思考のもとにそれらを客観化する能力。これが外向的思考と内向的直観の組み合わさった結果生まれる能力の概説です。当事者として言いますがこれめちゃくちゃ便利です。直感やひらめきに対して瞬時に論理で肉付けが出来るので独創的かつ合理的なアイデアを提供出来、討論では負け知らず。話し合いの場でも自分の意見が通ることが多いな、ということは常々感じています。もちろん周囲もそれに見合った評価をしてくれますから、パフォーマンスを保てればコミュニティ内で賞賛される立ち位置に就くことも難しくありません。ENTJになることで、高い討論やプレゼン、交渉のスキルが身につきます。
さて、心理機能の説明だけだと「ひらめきとか無理」「定量的で秩序だった思考ってなんだよ」と思われる方もいると思います。私もそういった能力を直接つけてもらうのは不可能だと考えていますから、ENTJのアルファベットを構成する4つの要素に区切って、IをEに、SをNに、FをTに、PをJに変えるための習慣をご紹介することによってENTJのなり方とさせていただこうと思います。アルファベットがENTJになった結果として、これらの心理機能が獲得されると考えていただきたいです。
3.IをEする。外向的になるには?
それぞれ外向と内向を表すEとI。
ENTJにとり、Eを持つ=外向的であるということがどのような特徴をもたらすかというと
・自分の意見を堂々とアウトプットできる
・目的に対し周囲を巻き込んでいける
この二点に尽きると考えます。前者はその高いプレゼン力や雄弁さ、後者はカリスマ性としてENTJの能力に直結します。後者の能力は前者ありきですから、前者の能力の鍛え方をここで解説しようと思います。さて、ENTJになるためにEになるということは、この二つを満たすことを指しているわけです。EとIの違いを陽キャ・陰キャという解像度の低いとらえ方をしている人がたまにいますが、Eになるということは決して陽キャになれ!ということではなく、能力としての「外向」を得ようということです。なんだか可能な気がしてきませんか?
自分の意見をアウトプットする能力を得るために最も重要なのは、まぎれもなく環境です。言おうとしていることを言える環境こそが、アウトプットすることそのものへの我々の心理的な敷居を小さくし、そのような環境でのアウトプットの経験を経ることで徐々に場所を選ばずアウトプットできる外向性の獲得に繋がります。そのような環境とはずばり、発言一つ一つに対する許容度の高い環境、良くも悪くも何を言ってもいい環境です。私の場合、そのような環境として男子校がありました。男子校では下品な発言も多少アンモラルな発言も許容されてしまう傾向があり(それがいいこととは私の口からは言えませんが笑)、同時にある程度奇抜な意見でも抑圧されない環境でもあります。男子校には異性の存在とその差異からくる一元的な価値観が存在しませんから、発言に対して様々な面で制約がないわけです。そのようなアウトプットされる内容の制約がない環境で、自分の持っている意見を勇気を出して言うようにしてみましょう。その繰り返しが自分の意見をアウトプットする力につながると考えます。言いたいことを言える環境でアウトプットになれ、そのような環境から離れてもその能力を意識して使うことでENTJの持つべき外向性は獲得できるでしょう。胸に秘めているアイデアやビジョンを人に話せることは、それが出来なかった人間からするととても大きな快感を伴います。私も公立中においては周囲からあまり理解を得られず閉塞感を感じていましたし、そのような環境では自分の考えをアウトプットする機会もモチベーションも起こりませんでした。しかし、高校進学後は周囲の環境があらゆる種の発言に寛容だったものですから、今まで胸に秘めるだけだったアイデアをどんどん言えるようになっていきました。この記事を見ている皆さんは、もしかしたら考えたことをアウトプットするときに抵抗を感じてしまうようなある種抑圧的な環境にあるかもしれません。そのような場合は、自分のアイデアやビジョンを何の抵抗もなく話せるコミュニティを作るなり参加するなりしてみてください。自分の周りにそのようなコミュニティがなければ、世の中には様々な趣味や学問に関する研究会がありますから、そのような意見交換を目的とした会に所属することを考えてみてください。
後者のカリスマ性に関しましては、前者の能力と、ENTJのほかの能力が開花すれば自然に身につくように思います。独創的で合理的な意見をはきはきとしゃべる人には自然と人が集まるものです。つまるところ、カリスマ性は直接身につけるものではなく、ほかに身に着けたいくつかの能力の結果として得られるものであるということです。
4.SをNにする。本質を見極めるには?
それぞれ直感と感覚を表すNとS。ものごとを五感でありのままにとらえるか、その本質を見極めようとするかがSとNの違いです。これだけではわかりにくいですから、魚を見たときの両者の反応を例示してみましょう。
S「体が細くておなかは銀色だな。背中は黒っぽいな。」
N「魚といえば、キリスト教の象徴だな。」
ちょっと例が極端すぎたかもしれません。何が言いたいかというと、Sは見たものをそのまま記述するのに対し、Nは関連性、共通点などを見つけ出して記述するのです。抽象的な話になりますが、Nは見たものに対しいったん概念に帰納し、概念からその他のイメージへと演繹します。先ほど示した例で言いますと、魚を見て概念としての魚を捉え、その概念としての魚が持つ意味=キリスト教を想起するのです。
つまり、我々が身につけるべき能力は「見たものから概念の段階まで帰納して、そこから様々なイメージへと演繹する能力」ということになります。概念の段階まで帰納できれば、そこから行う演繹はこれまで皆さんが得てきた知識と結びついて自然と行えますから、本稿では「見たものから概念の段階まで帰納する」ということを出来るようになる方法を紹介します。
この能力を得るための方法とはズバリ、哲学書の乱読です。哲学書を読み、多数の思想家の思考の「型」を得ることで、日常の様々な事象をそのフィルターを通して解釈できるようになります。これらの「型」は、いずれも先人の編み出した本質を見抜く考え方ですから、これらを出来るだけ多様に取り込むことがNの能力を得る近道となります。
私は高校時代哲学書を片っ端から読み漁っていましたが、短期間に大量の哲学書と触れたせいか、周囲の事象への解像度の変化が目に見えて変わる感覚を得ました。概念の段階まで思考をめぐらすことにより本質をつかみやすくなり、その本質をつかむことで物事の解像度が上がるのです。哲学はあらゆる事象を概念の段階までさかのぼって扱う学問ですから、上記の能力はいわば哲学的思考にほかなりません。哲学書を読め、と言われると億劫になる方もいるでしょうから、おすすめの勉強法を書いておきます。短期集中学習用プランですから、学問として哲学を身につける手段ではないことはご承知おきください。
1.哲学史をざっとおさえる。
2.プラトン、アリストテレス、デカルト、ロックの解説書を読む。イデアのような「本質的なもの」について考え、イギリス経験論と大陸合理論の考え方を叩き込む。彼らの著作に手を付けると尚よい。
3.ドイツ観念論を学ぶ。入門書→解説書の流れでOK。カントやヘーゲルの主な著作は素人には読めたものではないので、『純粋理性批判』や『精神現象学』を無理に読む必要はない。
4.ニーチェ、フロイト、マルクスを読む。ニーチェは『道徳の系譜』や『善悪の彼岸』、フロイトは『夢判断』や『快楽原則の彼岸』、マルクスは『ドイツイデオロギー』や『資本論』。『資本論』は相当長いので無理に手を付けなくても良いかも。アニメや漫画の考察でニーチェやフロイトの手法を扱っているものは数多いので、参考程度に見てみると面白いかもしれない。
5.フッサール、ハイデガー、サルトル、ソシュール、レヴィ=ストロース、フーコー、ウィトゲンシュタイン、ラカン、ドゥルーズ、デリダ、ネグリetc…個人的に現代思想が一番好きなので推したくなってしまうが、必ずおさえておいてほしいのはハイデガー、サルトル、ソシュール、レヴィ=ストロース、フーコーあたり。彼らの著作は難解なものが多いので、解説書を読み漁るのがちょうどいい。
目の前の事象を概念の段階で扱うトレーニングは、哲学書の乱読が最も適切でしょう。哲学的思考はまず、当たり前のことを疑うことから始まります。これらの哲学書はいずれも当時当たり前とされてきたことに疑問符を突き付けることから始まりました。これらの古典を読み解くことで、本質を見抜く能力が養われます。
5.FをTにする。感情と合理性を切り離すには?
それぞれ道理と論理を表すFとT。ENTJにおいては、感情と合理性を冷徹に切り離した思考が特徴的です。つまり、意思決定の場において感情という軸ではなく合理性という軸を用いることが出来るようになることが目標です。
正直、T型の人は「冷たい」という印象を持たれがちですし、考え方もかなりドライなことが多いです。ですので、この考え方を徹底することはENTJの私からもあまりおすすめは出来ません。しかし、感情と理屈を完全に切り離した意思決定こそがENTJの大きな長所であることもまた事実です。以下に示す方法を試そうかと少しでも思っている皆さんは、その点をしっかり天秤にかけてください。
Tになるための最も重要な点は、「何がしたいか」ではなく「何をすべきか」を徹底することです。「何をすべきか」という問いに対して出した答えに対し、我々は「何がしたいか」という視点からこの答えを無意識に否定してしまいます。当たり前です。感情を意思決定の場で切り離すのは簡単な話ではありません。ここで一つ思考実験をしてみましょう。頭の中に常にデカルト座標を持つイメージをしてみてください。X軸が感情(大きくなるほど○○したい)、Y軸が合理性(大きくなるほど○○すべき)です。そして、この座標に今日やることをプロットしていきましょう。プロットしていった点のうち、X座標を無視してY座標の大きいものをこなしてみましょう。
やりたくない、怖い、だるい、面倒といった感情は、常に客観的な視点に立った意思決定を阻害します。そのような感情からくる言い訳につい自分で納得してしまっては元も子もありませんから、このデカルト座標を思い出して感情と合理性の関係を整理してみてください。あらゆる事柄を、感情と合理性のデカルト座標を根拠に対処することこそが感情と合理性の峻別です。ある程度感情と合理性を峻別できるようになると、自分の考えに自信が持てるようになります。感情を意思決定に持ち込むことによって生まれる合理性の穴が限りなく0に近くなるからです。論理的な視座において最善にほど近い考えを生み出せますから、正しさという権威にバックアップされることで自信をもって発言できるようになるのです。自分の意見の中にある不安な点を自身で解決することで、「あとは自分の見つけられなかった穴を他者に見つけてもらって評価してもらうだけ」という状態での意見具申が可能になりますので、やり取りも非常にスムーズになります。
感情と合理性の峻別をするだけでは物足りません。論理的思考と、それをアウトプットする能力も鍛えなければ、ENTJになることは不可能です。論理的思考は前述した哲学書の乱読で鍛えることが出来ますから、考えたことを言語化して話すという過程について解説しましょう。論理とは言語によって組み立てられるものですから、考えたことをちゃんとアウトプットするにはその考えたことにしっかり符合する言語が充てられなければなりません。考えを言語に翻訳する力を鍛えるにあたり、最も有効なのは語彙力を増やすことです。語彙が増えれば表現可能な幅も広がりますから、あなたのアイデアを言語化する際にふさわしい表現が見つかる可能性も高まります。要はヤマを張るわけです。語彙を手っ取り早く増やすために有効なのは、討論が得意な人の表現を知り、自分の中できちんと消化して自分のものにすることです。新聞の社説や論説文なども良いでしょう。何かを上手に説明する人を参考にすればよいのです。巷には討論が得意な人の物まねをするだけの「他人の言葉でしゃべる人」がいますが、このようになってはいけません。あくまで思考をアウトプットする表現として他者の言葉を取り込み、それをいかんある場面でも応用可能になるよう消化して自分の言葉にすることが肝要です。日常的に、他人の文章表現や言い回しに対して関心を抱くよう心がければ、自然と上手な言葉選びができるようになります。
6.PをJにする。計画性を得るには?
探索と判断を表すPとJ。Pは実際に物事を進めながら計画を立てるタイプ、Jは計画を立ててから物事を進めるタイプです。ENTJの計画性や判断力はこれによるものです。これまでに述べてきたことに比べ、P→Jに関しましては計画的に行動しよう!スケジューリングとかちゃんとやろう!何かする前に計画を立てる癖をつけよう!といったような「そんなことが出来るなら苦労しない」ということしか書けませんから、ENTJである私の計画性や判断を具体例にこれらについて解説していこうかなと思います。
まずは計画性について。ENTJの心理機能について解説した際、ENTJはひらめいたビジョンに論理で肉付けするという話をしましたね。直感的に思いついた、ゴールから逆算されたビジョンを論理によって具体化・客観化する過程で、ゴールへと向かう一つの鮮明なビジョンが浮かびます。これが、ENTJが従っている「計画」です。スタートからゴール、ゴールからスタートを俯瞰し、そのビジョンを実現する策を考えることこそ計画性というものです。
判断に関しましては、自分の意思決定を信頼し、迷うことなく実行することが挙げられます。先ほど感情と論理を切り離すと不安がなくなるという話をしましたよね。自分の考えに自信を持てるからこそ、それを実行することを躊躇なく決断する。この判断こそが我々の行っているものです。
直感と論理で計画を立て、自分の立てた計画を信頼して実行する。これを行うようになればJであると言えるでしょう。判断、決断するということは、物事に白黒をはっきりつける必要があるということです。意思決定の場において、優柔不断になるのではなく、答えを出し切ることを心がけましょう。
J型はルールに厳しいとよく言われますが、ENTJの場合すでにそこにあるルールに盲目的に従うというよりかは理屈の忠実なしもべという印象です。自分が論理的に納得がいかないルールは軽視していますし、納得のいくルールは尊重し絶対に破りません。もちろん「自分ルール」もかなり多いですし、それにとても忠実です。ENTJは自分が論理からはじき出した「自分ルール」に心から納得し、それを愚直に守ります。ENTJの独創性や想像力からは自由という言葉が想起されるかもしれませんが、我々は理屈に対してきわめて忠実にあるだけなのです。兎に角理屈に忠実に行動すること、それがENTJを目指すうえでのJ型になるヒントだと思います。
7.終わりに
ENTJは物事の成功率が高く、周囲に評価してもらえることの多い性格タイプです。ENTJになることは、仕事や日常の様々な面で大きなメリットがあります。皆さんが上記の習慣を経て成功されることを願ってやみません。最後まで閲覧していただきありがとうございました。
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