元実況アナ週一コラム ファイナル 4cmに宿った見えない力 5 仙田和吉 2022年12月23日 15:08 4cmに宿った見えない力 それは今から23年前、だんご3兄弟がヒットし💶ユーロが誕生した年の話し!中央競馬1年の総決算グランプリ有馬記念での出来事、残り200㍍で先頭に立ったグラスワンダーに内からテイエムオペラオー外からスペシャルウィークが猛追。後20㍍でオペラオーが力尽き最後は2頭首の上げ下げでゴールイン❕勢いは外スペシャルウィーク、しかしゴール板でグラスワンダーがグッと鼻先を伸ばした。殆んど同時の雰囲気で、当然写真判定に持ち込まれた。その中で勝利を示唆するウイニングランは、スペシャルウィークが行って15万人近くのファンから騎乗している武豊Jのユタカコールが起き、完全に勝負あった感の中山競馬場。この時レース後取材の為関係者エレベーターに向かう私の視界に、グラスワンダーを管理する尾形充弘調教師の姿が入っていた。青ざめた顔色、フーとため息を吐く様子はやはり負けを覚悟しているムード。そしてレース後確定迄の間、暫定的に馬が入る順位ボックス2着の場所に鞍上的場均騎手とグラスワンダーが入った。暫くはほぼ決まった様な判定を待つばかりの中、検量室前にスペシャルウィークが戻って来た❗とその時衝撃の結果が・・・長い写真判定の末電光掲示板の1番上に灯った番号は7、スペシャルウィークの馬番は3!どよめく競馬場に一際大きな声で響いたのは「お父さんが勝ってたよ」と言う子供の声だった。声の主はそう的場騎手のお子さん、一気に検量室前の空気が変わったのである。次の瞬間尾形調教師はやったーと叫び、両腕を天に向かって突き上げ渾身の喜びを表現正に地獄から天国へ昇った様だった。大接戦となった2頭、実はこの年春の宝塚記念で初対決!その時はスペシャルウィークが早目に先頭に立ちグラスワンダーが追い掛ける展開で豪快に抜き去り3馬身差でグラスワンダーに軍配が上がっていた。それ故3馬身差を逆転するには同じ競馬では駄目だという最後方待機がスペシャルウィークの戦法だった。レースはスタート後武豊Jがグラスワンダーを確認しながら後方に下げライバルの真後ろに付けていた。常にグラスワンダーの動きに合わせるように走り前を捉えに行く際も、ずっと目の前にグラスワンダーを置く競馬を貫いた。それだけに最後の最後作戦通り勢い的にしてやったりと言う高ぶりが僅かなジャッジを狂わせたかも⁉️しれない。そうじゃないとゴール板を知っている天才が、判断を間違えるはずもないだろう‼️後は見えない力が働き神様の後押しがゴールの瞬間、劣勢になりかけていたグラスワンダーを救ってもう一踏ん張り利かしたのか? と感じる粘り具合。普通の脚色で有ればスペシャルウィークの勝ちは頷ける物だった❗そもそもグラスワンダーは尾形調教師が自らアメリカに足を運んで、オーナーに頼んで購入したキーンランドセール出身の馬。デビューから4連勝を達成し末恐ろしい競馬を続けていたが、骨折を機にスランプを味わった。この時同じ厩舎にエルコンドルパサーという強い馬が出現し、 両馬の手綱を取ってきた的場騎手はある時同じレース出走で選択を迫られた。長らく迷った末選んだのはグラスワンダー、結果はエルコンドルに先着を許し選択ミスという声も上がる中本調子にない事を理由に敗戦を飲み込んだのであった。そんな経緯もあり、このグランプリに賭ける騎手の執念が最後の一押しを生み出し微差を制した要因かもしれない。勝利が確定すると「正直驚いた❗ ハナだけでも出ていた事に 感謝したい」と 冷静に喜びを噛み締めた的場J。常にガッツポーズをしないベテランらしい言葉であり、馬との絆が最後の瞬間を演出したのかもしれない。そして何より尾形調教師がポツリと漏らした話しに、そうかもしれないな~と思った事が有った‼️その中身が「2月に亡くなった父が 見えない後押しを してくれたんじゃないかな? 恐らく神様がご褒美を くれたんだと思います」尾形充弘師のお父さんは同じく調教師だった盛次(もりつぐ)さん。その父藤吉さんから合わせると三代にまたがる競馬ファミリー、だからこそ一族のプライドにかけて大方の見方を覆す後押しが有ったのでは・・あの時息子が突き上げた拳は、天国のお父さんお爺ちゃんへの感謝だと察した❕第44回有馬記念大接戦の結末は4cmのドラマ、神様しか書けないシナリオだった❗さて67回の今年はどんなゴールシーンが待っているのか❔結末は神様だけが知っている❗全馬無事を祈り、熱く応援したいクリスマス🐴競馬は人馬共に、時に血が物を言う奥深さが存在するスポーツなのである。これからもそんな奥深さを感じつつ、レースを見続けて行けたら本望な何の取り柄もない筆者である。 これ迄乱筆をご覧頂き有り難うございました🙇 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #ウマ娘 #有馬記念 #最終回 #グランプリ #1999年 #スペシャルウィーク #スポーツコラム #テイエムオペラオー #グラスワンダー 5