元スポーツアナ週一コラム vol.6色が変わってもう32年 9月8日編 13 仙田和吉 2022年9月8日 12:43 色が変わってもう32年か~スポーツの世界では、色によって表現出来る部分がある。例えば競馬!1枠から8枠迄の縛りが有り、その8つの枠を色で分ける。1枠は白・2枠は黒3枠が赤で8枠はピンクと言うように競馬ファンなら当たり前の認識で観戦の目安になる。 はたまたお正月の箱根駅伝でも色とは切っても切れない縁があり、各大学オリジナルのユニフォームや伝統のタスキ1つとして同じものが無いのも興味深い。そして我々の普段の生活にも染み付いた色が存在し、そんな色が急に変わったらどうなるだろうか?信号機の3色が良い例だ!恐らく赤・青・黄色が変われば混乱必至、判断基準を変更するには万人の賛成が必要になる。今では当たり前になったがあるスポーツにおいて、白から黄色に変えて多くの人が納得したものが有る❗それが何だか、皆さんはお分かりになるだろうか? 答えは: 球場のポール。 1990年のある判定後、色を変えるに至った歴史が残る。それは4月7日の東京ドーム、巨人✕ヤクルトの開幕戦。3-1ヤクルトリードの8回裏ジャイアンツ1死2塁の場面。ピッチャー内藤(ギャオス)バッター左の篠塚❗2点差に加えネクストバッターズサークルにはクロマティ-が控えているから、当然勝負。ここで外野に対して嫌な打球を予測したのか、内藤✕篠塚の対戦前に野村監督がレフト荒井から栗山に変えた。そんなこんなで少し時間が経過した後、内藤の投じた初球だった! 115キロインコースのスライダー、体勢を前に崩されながらも篠塚の振り切った打球はライトポール際へ!舞い上がった白球はライトスタンド1番右に飛び込み、同点ホームラン?ファール?歓声とため息が入り交じる微妙なコース。実はメジャーリーグに習って、このシーズンから審判が4人制となっていたのでこの打球判定は1塁塁審。その判定は・・・右手がグルグル回るホームランのジャッジ❗判定の瞬間打たれた内藤はマウンド前方に膝から崩れ落ち更には四つん這い。そして「ファールでしょう」と一言。当然3塁ベンチから野村監督が1塁塁審の元に駆け出し詰め寄り、ライトポールの外を通過しているとジェスチャーを交えて猛抗議。(確かにファールの様に見えたが)この時テレビ解説されていたのがミスタージャイアンツ・長嶋茂雄さん。「ポールが白いので何とも言えませんが 微妙ですね~」とテレビでもお茶を濁す様な一撃だった。 協議の結果は判定通り同点ホームラン❗この試合はその後延長14回巨人のサヨナラ勝ち。開幕戦で勢いづいたジャイアンツはこの年独走、9月8日にリーグ優勝を決めた。 そしてこの判定を機にコミッショナー(プロ野球最高責任者)通達が出て白球と同じ外野ポールの色は判別しにくいと言う理由、また霧や雨の場合見易いと意見の多い事から黄色のポールが誕生した❗当時を振り返ってホームランを打たれたギャオス内藤さんは、「野球のポールの色を変えたのは 僕です❗とアピール出来ますし、 初の開幕投手を務めて 一生忘れられない 思い出が作れました。 その後バレンタインデーは 貰えるチョコレートの数も 滅茶苦茶増えましたし 大プラスですよ」と如何にも温厚な性格の前向きなお話し。観戦するファンからもこの変更に反対の声は少なく、色を変えて成功したと言える良い事例となっている。 今や黄色いポールは当然の存在となっているが、32年も前の出来事に時が経つ早さを覚える筆者。 そうだな、自分の髪の毛を見れば月日の流れを感じるな~ ポールとは逆に年々白さを増している今日この頃である😢 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #プロ野球 #東京ヤクルトスワローズ #読売巨人軍 #スポーツコラム #元アナウンサー #ギャオス #コミッショナー #篠塚和典 #1990年 13