8月25日元スポーツアナ週一コラムvol.4・意外な意味 13 仙田和吉 2022年8月25日 14:42 天才ではない、それが俊足❗一見何が言いたいんだろう?と言う表現も実は俊足には秀才といった意味もある。たまに辞書を引くと、驚きが有るから面白い。そもそも天才と秀才の違いは?どんなものか考えてみた。天才とは努力しても越えられない生まれつき天から与えられた才能、先天的な才。 秀才とは訓練や鍛練それに周囲の教えや研究等により秀でた力を付けた人を指す後天的な才と私的結論を出してみた。 そんな違いを考えながら自分が知っているプロ野球・俊足選手の取材を振り返ってみると、成る程と思える話が多々あった事が蘇る。タイガース 赤星さんベイスターズ 石井琢郎さんドラゴンズ 荒木さん等々決して恵まれた体格でない中、盗塁王は勿論守備・打撃でも好成績を残した面々だ。その結果の陰には血の滲むような努力と研究か有り、間違いなく秀才のプレーヤーと評して良い領域の選手達。かつて横浜(大洋)のスーパーカートリオの1人として、3年連続盗塁王に輝いた屋敷要さんもやはり俊足を代表する選手だった。屋敷さんを取材した当時のノートを見てみると目から鱗が落ちる話が記してあった! 屋敷さん曰く「盗塁は走るのが ただ早ければ 成功出きるものじゃないよ。 現に自分は動きが硬く スタートダッシュが 鈍いんだ! だから地面から 1・5㍍の高さにゴムを張り、 低い姿勢のままくぐり抜け ダッシュ力を補う 練習を繰り返したんだ」この練習により盗塁の際スタートが早くなり、自身のスピードに磨きをかけた。更に成功率を上げる為に時間を割いた事がある。それは投手のモーション・癖を掴むこと!そこで得た言葉を惜しげもなくこう教えてくれた❗「世界の盗塁王・福本さんは ピッチャーの目を見て、 僕はピッチャーの首の動きで 次の塁を狙いに行きました!」 俊足だから当たり前のように盗塁を決めていると思いがちも、成功を勝ち取る裏には相当な努力と研究が隠れていた事に頭が下がった。そんな屋敷さんには、現役時代忘れられない会心の一瞬があります‼️それは巨人に移籍して臨んだ1994年対西武ライオンズとの日本シリーズ第2戦の9回 1-0リードのしびれる展開で、 センター守備固めとして出場した時のミスを倍返ししたプレー。 まず先頭バッター大塚のセンターフライを名手が逸らしてしまいまさかの2ベース。巨人は初戦の前日11-0と大敗していてこの守りにより雰囲気は一変、1回から好投演じる先発槙原投手にかなりのプレッシャーが・・・ただ次の佐々木をレフトファールフライ、続く清原に対してはオールストレート勝負でショートライナー!勝利まで後1人後アウト1つのシーンが、その記憶に残るプレー。バッターは左の鈴木健、1塁が空いているが逆転のランナーになるので勝負。この時センターの屋敷さんはこんなことを考えていたそうだ!「槙原投手の決め球はフォークボール、 もしその球を投げて 鈴木がバットを出してきたら ヘッドを遅らせて 対応してくるだろうから 打球が飛んで来そうなのは センター前だ‼️」実際鈴木健の打球はセンター前!見た目にはポトリと落ちそうな軌道、多くのファンが同点だと思った次の瞬間センター屋敷がダイビングキャッチ❗白球は地面スレスレ屋敷さんのグラブに収まり試合終了。このスーパーキャッチで勢いに乗ったジャイアンツは、長嶋茂雄監督悲願の日本一達成。正に考え抜かれた守りと、スタートダッシュの鍛練の結晶が詰まっていたビッグプレー。その昔大洋ホエールズの誇った1番 高木豊2番 加藤博一3番 屋敷のスーパーカートリオ、1985年タイガース日本一の年このトリオが揃って40個以上の盗塁を記録。同一年同じチームの3人以上が40盗塁をマークしたのは、日本プロ野球史上後にも先にもこの1度きり。俊足と言う言葉から、時には天才を上回る事が出来るのを教えて貰った私。案外スーパーカーは秀才の傑作なのかな⁉️と訳の分からぬ思いにふける超凡人筆者である😢 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #プロ野球 #読売ジャイアンツ #スーパーカー #スポーツコラム #元アナウンサー #大洋ホエールズ #盗塁王 #1985年 #長嶋茂雄監督 #屋敷要 #世界の盗塁王 13