元実況アナ週一コラムvol.5 窮鼠猫を噛む・8月31日編 9 仙田和吉 2022年8月31日 10:53 窮鼠猫を噛む皆さんはこのことわざを耳にしたことがお有りだろうか?2018年 1月4日午前5時25分にすい臓がんの為この世を去った星野仙一さんが、阪神タイガース監督時代に良く使っていた言葉。特に18年振りリーグ優勝を達成しセリーグ史上最速でマジックナンバー点灯の2003年に口をついたフレーズ。追い詰められたネズミが逃げ場を失った時、必死で猫に噛みつく事がある。それが転じて絶体絶命の窮地に追い込まれると、弱い者でも強い者に逆襲に出る場面が有るという例え!2003年当時星野監督は、ビジターゲームがナイターの場合お昼前からマスコミ各社代表1人大体12~13人とコーヒー・紅茶を飲みながら前日・当日の試合や普段の生活について話すお茶会を催してくれていた。チームも首位を独走、当然悦に入る状況で監督の口から余裕めいた話が出そうな雰囲気だが・・・常に引き締める様にこの「窮鼠猫を噛む」と言う言葉を使っていたのを思い出す。貯金はいくら有ってもエエ、減るのは早いだろう!油断大敵の戒めとして何度も繰り返していた。その星野監督は2002年ID野球でお馴染み野村克也さんの後を継いで、タイガースの監督となった。星野さんはID野球について「弱者が強者に勝つ野球」と評し、自分の野球は「弱者を強者にする野球」と語った。具体的には、考えて頭を使う野球から勝つことを体に染み込ませる野球。27人の血の入れ替え(選手の入れ替え)を行ったのも、その思いを表現した行いだった。これは星野監督にしか出来ない芸当であるし、切られ行く選手に対するやりきれない複雑な思いも大きな度量で飲み込んだ。だから弱者のもがき・あがき・土壇場の粘りを数多く知っていたし、そんな立場の思いを理解しているから相手をナメる発言をしなかったと振り返る。少し話しは逸れるが、そんな星野さん野球の原点は「千円のグラブ」‼️実は星野さんの生まれる3ヶ月前に、お父さんが脳腫瘍で亡くなっている。星野さんが生まれた後、お母さん1人正に女手1つで姉2人を含め3人を養った。ギリギリの生活費の中から必死のやりくりで、母が息子にプレゼントしたのが「千円のグラブ」母の愛が詰まった贈り物だ!決してお金では買えない愛情をグラブに感じ監督になってもその母から貰った愛情を生かしてアメとムチを使い分けるのに長けていた。阪神が18年振りの優勝を決めた日、デーゲームでサヨナラタイムリーを放った赤星選手を星野監督が力一杯抱きしめたシーン。覚えていますでしょうか?その2日前愛情注いで育ててくれた母親が他界していた。又6年前には愛妻・ふさ子さんが急逝されている。そんな大切な2人をダブらせて、母親に子供が嬉しそうに抱きつく様にも奥さんとこれ以上無い喜びを分かち合っている様にもあの一瞬には見えた気がする。現役時代は燃える男🔥監督としては闘将と呼ばれ鉄拳制裁も有名だったが、選手の奥さんの誕生日には花束を送ったりその裏には絶対的な愛情も感じ取れた星野さん。思い起こせば、甲子園球場優勝決定後の監督インタビューで「あーしんどかった」という第一声はチーム・体調だけじゃない人生の響きだったかもしれない。そしてお母さんが男社会の中、女手1つで養ってくれた姿こそ「窮鼠猫を噛む」に重ねたのかもしれない。いよいよ9月でプロ野球は勝負の月と言われる‼️残りは30試合も無いが、弱者の逆襲を期待したい季節でもある。 オーストラリアのV旅行で、40℃超えるなかスーツ着て交流会の司会したのも良い思い出😀もうあの世に旅立たれて4年も経つのか・・阪神の優勝旅行も遠い存在になってきたな~ ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #プロ野球 #スポーツコラム #星野仙一 #元アナウンサー #窮鼠猫を噛む #2003年 #阪神タイガースプロ野球 9