セットされたバグ [くま日誌]145号
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仕事の量が増えると、どうしても質が犠牲なってしまう、それはバーターの関係である。量と質の関係というのはこのように捉えることもできますよね。
仕事の質を高めるためには、仕事量を減らすことが重要である、「量質バーター」という考え方ですね。
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一方で、「量質転化」、つまり、仕事の質を高める方法は量をこなす事である。と考えることもできますよね。
どちらの考え方にも真実が含まれてるような気がしますが、どちらの考え方を採用したら中長期的に見て勝率を上げることができるのかは一目瞭然ですよね。
もちろん、後者、「量質転化」を採用すべきですよね。
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それでは、がむしゃらに行動すれば「量質転化」が発生するかというと、(そういう側面もあるのだと思いますが、)
自分なりに、効率を高めるための新しい工夫をしたり、
これまでやらなかったことにチャレンジしたり、
という特定の行動をとることで、より効率的に「量を質転化」を発生させることができますよね。
工夫やチャレンジなく同じ仕事を長時間やることは、質転化まで時間がかかるというか、転化しづらいのではないかと想像できます。
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自分も過去に、自分としては仕事量(というより作業量ですね。)が非常に多いなぁと感じる環境で働いていました。その時、拠り所となった言葉は、常に「量質転化」でした。
いつかはこの作業が自分の仕事のクオリティを上げてくれるはずだと信じて仕事をしていたように思います。
ただし、自分が考えていたのはそこまで。
「特定の行動が量質転化をもたらす、作業をいくら長時間こなしても質は上がらない」
という言葉を持っていませんでした。今はそのような言葉を持つに至ったので、その後の行動を変えることができているのではないかと思います。
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上記の例の通り、私たちは自分の中にどのような言葉を持っているのか、採用しているのか、拠り所としているのか、によって大きくその後の人生に差が出てきます。
この「採用」というのは、異なる方向性を示す二つの言葉が、両者とも真実を含んでいる点が厄介なんですよね。
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「今を生きる、今この瞬間が人生である。人生とは今この瞬間の連続で成り立っているのだから今を楽しむ必要がある」
という言葉にも真実が含まれていますし、
「未来のために今、何ができるのか。未来の目標を達成するために今の時間を投資していく必要がある」
という言葉もまた正しいですよね。
両社とも真実が含まれています。
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これもどちらの言葉を採用しているかで、その瞬間瞬間の行動が変わってきますよね。
もちろん、後者の方を採用した人に比べると前者を採用した人は、未来を明るくするためのハードルは高くなってしまうかもしれません。
こういった自分が生きてきた歴史の中で、無自覚に無防備に採用してきた言葉の数々が今の自分の行動を規定し、その結果人生を決めてしまっているという構造ですよね。
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大人になった今、私たちは自分で自覚的に、どのような言葉を採用するかを選択することができるようになりました。
自分の中に無自覚にセットされているバグともいえる、こうしたバイアスをよい言葉に触れることで、意識的に上書きしていくことが重要ですよね。