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結果の出るノウハウで結果が出せないのはなぜでしょうか?[くま日誌]261号
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昨日散歩している時に道端で「片方の軍手」が落ちているのを見つけました。少し黒ずんでいたので何かの作業をしていて、片方だけ落としてしまったのかもしれませんね。
この片方の手袋が道端に落ちてるというのは、注意してみると結構発見できます。私も今年だけでも2~3ヶ月に1回は、見つけたのではないかと思います。
この片方の手袋が落ちていることを「片手袋」と名前をつけ、それを写真に撮るなり収集し、いくつかのパターンに分類しているというマニアの方がおられます。
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間接的に、この片手袋のマニアの方のお話をお伺いしたことがありますが、例えばガードレールの上にかけてあるような人間介在しているパターンや木の枝にかけてあるパターン、人間が誰も介在していない、ただただ落ちているだけのパターンなどなど色々な分類をされています。
そこから、その手袋を片方だけ落としてしまった方がどのような生活をしているのかというのを想像して楽しむ、ということがこの世界のようです。
そしてこのことを、仕事にされています。
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その話を聞いてからというもののカラーバス効果により、道端で片手袋を見つけると反応してしまうようになりました。落ちている片手袋を見つけると瞬間的に、「これを落とした人は職人さんかなぁ」とか「この人はOLさんでコンビニで弁当買って帰る時に思わず片方の手袋だけ落としてしまったに違いない」などと想像を膨らませるようになっています。
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こういう事例というのは1回お話をお伺いしただけで脳に不可逆的な変化をもたらしますね。片手袋を見た時に反応する世界に一度踏み入れてしまうと、二度と落ちている片手部分に気づかなかった世界には戻れませんよね。
自分の深い部分で何かを認識する/認識が変わるというのはこのようなことを言うのではないでしょうか。
多くの場合、私たちは手っ取り早く「ノウハウ」を仕入れて結果を出そうとしてしまいます。しかし同時に多くの人が(結果が出ると言われている)「ノウハウ」を仕入れたにも関わらず結果が出ないという矛盾を抱えているように感じます。
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この原因は、もう一段、私たちの深いにある「世界をどう認識するのか」という「認識の枠組み(パラダイム)にバグがある」ことにあると考えています。
心の中では営業は迷惑なものだと思っているのにもかかわらず、営業についての様々なノウハウを学んだとしても、それは結果がでるわけありませんよね。
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片手袋の事例ではないですが、この自分の認知の枠組みにくさびを打ちヒビを入れ、新たな認知を獲得していくことが一見遠回りのようで、自身の目指す幸せな世界に到達するための近道になっているのではないでしょうか。
様々な人に会い、話を聞き、「あーそういう世界があったんだ」という事例を知り刺激を受けることは、そういった意味でも大切なことはないかと思っています。
■まとめ
・多くのケースで、結果が出ると言われている「ノウハウ」を仕入れても、実際に結果を出すことができていない。
・片手袋の事例のように世界をどう認識するのかというパラダイムにバグがあることがその原因になっているのではないだろうか。
・バグをしアップデートていくためには様々な人に会い話を聞き刺激を受けることが大切である。