不毛地帯から考えるしんどさ [くま日誌]143号
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先日から体調を崩しているのですが、熱が下がらないですね。飯は食えるようになったものの、もう少し回復まで時間かかりそうな感じですね。検査していないですが、、去年に続き、コロナじゃないかと疑ってます。とりあえず、家に引きこもって寝てます。
高熱が出てベッドでうなされていた時のことですが、無意識に「しんどい…」とか「キツイ…」という言葉が口をついて出てきてしまいまして、少し元気になった今、反省しています。
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意識朦朧としていたということもあり「これはダメなワードだわ」とメタ的には気づきながらも、訂正や否定をする気力もなく、そのまま放置してしまいましたね。
この無意識に口からついてでる言葉というのは、特に潜在意識にとって非常に大切なことですよね。潜在意識は、「しんどい」と口にした瞬間、いかにその状況がしんどいのかを探しに行ってしまいます。
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好むと好まざるに関わらず、このような性質にある以上、私たちはネガなワードを使用してはいけないと肝に銘じておく必要がありますよね。
こういう時に思い出すのって、ビジネス書ではなく以前読んだ小説だったり、映画だったりしますよね。
以前、読んだ、山崎豊子さんの「不毛地帯」という小説があるのですが、主人公は陸軍士官学校を首席で卒業したエリートなのですが、戦後、ソ連軍へ拉致されてしまい、シベリアへ抑留されることになりました。
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解放されるまで11年間もシベリアで強制労働をさせられるのですが、その間の描写は、とても心に来るものがあります。山崎さんはとても詳細まで当時の生活を調査されているのだと思いますが、リアリティ&ディテールがすごいのです。
過酷という言葉では言い表すことのできない状況の中、いつまで続くかも分からぬ強制労働の時間を生き抜いた主人公。
このようなタグを「しんどい」とか「つらい」というキーワードに付与したらどうかなと考えた次第です。
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自分は、コロナになって高熱が出ていますが、ベッドに寝ることができていますし、生死を彷徨うようなことなどありません。
比較の話にはなりますが、シベリア抑留された主人公の「壱岐」の境遇に比べれば、どれだけ有難い状況なのかと思いますね。
その不毛地帯のタグ一つで「しんどい」が「有難い」になりますし、「つらい」が「嬉しい」になりますよね。
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不毛地帯はあくまで小説ですが、いづれにしても先達の努力の上に今の自分は生かされているわけですし、そういう感謝の気持ちを忘れずにいたいものですね。
これで、次回、再び同じ状況になったとしても、二度とネガなキーワードは使うことはないと考えています。