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週末を“桃の日“にする。

親戚から 桃が贈られてきた。

大きな箱で送られきたそれらは 小ぶりながらも色濃く 甘い香りを漂わせ、夏の訪れを教えてくれる。
 
正直、うちでは滅多に桃を買うことがない。
桃は好きだ。独特の食感と甘さ、それに何よりも芳醇な香りがいい。お店で桃のかき氷があれば、他のものと少し迷ったのちに 桃を選ぶことだろう。

なのに なぜ 買わないか。
それは “甘いかどうかの見極めが難しいから“ である。

ネットで「桃 美味しい見分け方」「桃 食べ頃」などと探せば、参考にできる情報は多くある。例えば、色が濃いもの、香りが強く立っているもの、という判断基準があるようだ。

品種が違えば色は違うし、匂いと言われてもいい匂いだな~くらいしか分からないのにどうすれば?

というのが、本音である。
柔らかさも基準ではあるようだが、お店に並んでいるものだと触るわけにもいかず 難しい。

実際 桃の良い香りに釣られて 桃を買ったことはあるのだが、いかんせん目利きがうまくいかずに 首を傾げながら食べたこともある。

そういったこともあり、私にとって桃は「美味しいけど自分で買うほどではないな」という果物なのだ。

ところが 今年は 桃が贈られてきた。
別の県に住んでいる親戚からで、そちらの地方では有名な桃らしい。

手のひらにちょうど収まるくらいのサイズで、スーパーで見るものよりも小さめに感じられた。小さいためか個数が多く、10以上あったため 幾つかは親が近所の人や知り合いにお裾分けしたようだ。それでも うちに残った分は結構多かった。

さて、うちにあるものなら 触り放題&匂い嗅ぎ放題だ。

ネットの情報を頼りに 熟して甘そうな桃を選別して剥いてみた。甘い匂いも強く、触った感じも柔らかめ。色も濃い。よし、これだ。

条件に満たしたものを選んだと思っていたが、食べてみたところ そこまで甘い桃ではなかった。
良い桃が贈られてきた、という前情報で 期待度が高くなっていたこともあるのだろうか。「こんな感じの品種なのかな」「匂いは良さそうだったけどね」という会話をして食べ終えた。桃、選ぶの難しすぎないか。

そんな感じで 良さそうな桃を選んでは食べていたのだが、個数が多く また うちがそんなに果物が大好きなわけでもないということもあって なかなか減らないでいた。冷蔵庫にいれっぱなしも良くないだろうし、早々に食べねば。

そういうわけで、週末を“桃の日“として、桃を食べる日にした。

“桃の日“の開幕

冷蔵庫にいれっぱなしだったからか、若干しわしわになっている桃。

大層に “桃の日“ とは言ったものの 、大半の桃はジャムにしようと思っていた。ジャムにすれば砂糖を入れるため単体で甘いかどうかはそこまで影響もなく、日持ちもするので長く桃を楽しむことができるからだ。

桃を剥いていき、そのまま食べても美味しいものはそのままで、甘さが少ないものはジャム用として 角切りにし 、選別していく。調べたところ皮も利用できるようだったので、皮は紅茶と一緒に水に浸けて フレーバーティーにすることにした。

さらに、SNSで見てやってみたかった 桃モッツァレラにも挑戦。こちらはそこまで甘い桃でなくてもできるようだったので、ジャム用として分別された桃を使う。

“映え“の桃モッツァレラ。

(※うちの照明が暖色系なので 写真がオレンジがかってしまうのはご了承いただきたい。)

レシピ通りに桃、モッツァレラ、生ハムをいい感じに配置し、オリーブオイルと塩コショウで味付けた。(バルサミコを使うレシピもあったが、これだけのために買うのは憚れたので省略)見た目重視で うちで育てているローズマリーも上に乗せる。これこれ、SNSで見たやつ!

桃の色が変わってしまわないうちに実食。
うーん、私の好みではないかもしれない。レシピ通りに作ったはずだが、モッツァレラチーズを一番安いやつにしたからか、桃がよくなかったのか分からないが 思ってたよりも美味しくはなかった。

食べれないほどではないのだが 、素材+素材+素材…で、素材そのままで 掛け算になってない。桃とモッツァレラと生ハムを一緒に食べたら まぁこんな味だよね、という 驚きのなさ。あまじょっぱいのは好きだし、桃もモッツァレラも生ハムも好きなので いい感じでマリアージュしてくれるのかと 思っていたのだが 相乗効果はあんまりなかった。(※あくまで個人の感想です。)

食べたことのない料理とは こんなものだろうか。ただ、一度食べてみたかったので、この機会に食べられてよかった。

皮とジャム用の桃たち。

桃モッツァレラを食べ終えてからジャム作り再開。角切りにした桃は水分を出すため レモン汁と砂糖をまぶして少し置いておいた。

この水分の出た桃たち 、かなり美味しい。
砂糖で甘さが足されていて、桃の食感が損なわれることもなく、香りも強い。このまま牛乳に入れて飲むと美味しかった。とはいえ このままでは日持ちがしないので、鍋に移して火を入れていく。

種も一緒に煮込む。

皮と種を入れるレシピもあったのだが、今回 皮は紅茶パックと一緒に水に浸かっているため 種だけ入れる。後から回収するのが手間かと思い お茶パックに数個ずつ入れてみたが、別に入れなくてもよかったかもしれない。

日持ちを考えて、砂糖は桃の半分ほどの割合とした。コップテストで問題ない粘度まで煮詰めれば、熱いうちに煮沸消毒した瓶に入れて完成。

ヨーグルトと一緒に試食。

次の日、ヨーグルトと合わせてみたら これがめちゃくちゃ美味しかった。ジャムにしても 桃の食感が損なわれていないのが 意外な発見だった。桃の食べ方の正解を見つけてしまったかもしれない。

夏にぴったりのドリンク。

こちらは、桃ジャムと 皮と紅茶を水出ししたフレーバーティー、さらに桃のシロップ漬けの段階で一部取り分けて作ったゼリーを混ぜたドリンク。ゼリーからも紅茶からも桃が香る一品となった。ゼリー単体で食べても美味しかった。

“桃の日“の終わりに

フルーツは基本的にそのまま食べることが多いが、頂き物で大量に桃を手に入れたからこそ、色々な料理で 桃を最大限に楽しめた週末にすることができた。

来年は自分で適当に桃を買って、甘くなければジャムにしちゃえばいいや、なんならジャムのために桃を買おうかな、と思えるほど。

今、冷蔵庫には桃ジャムがある。
しばらくはこのジャムと共に、暑すぎる夏を楽しもう。

… 良い桃らしいから 全部ジャムにするのもったいなくて 2個だけまだ冷蔵庫で眠ってるんだけど、それもジャムにしちゃえばよかったなぁ。