金融×コンテンツで、急成長しているweb3IP企業「PudgyPenguins」について
前提
まず産業としてとしてコンテンツ(アニメ、漫画、音楽などを含む)×金融というジャンルが大きく成長していく10年になると考えています。
Kpopの同時多発的な国籍を跨いだ成功、ドラマの世界同時配信、アニメの最新話の世界同時多発的な解説動画、日本のヒップホップアーティストの日本より先んじる海外での成功など、私たちが何気なくみているモバイルの画面の中でも大きく環境の変化を感じられる時代になったかと考えています。
そのような時代を可能にする変化の要因としては下記の二つが考えられます。
1,配信されたコンテンツが即時グローバルに届くデジタルプラットフォームと受け手のリテラシーの向上
2,グローバル化したことによって、大きな成功をいきなり目指せる技術やファイナンス環境が構築されつつある。
そのような今後の世界の潮流を見ていく中で、PudgyPenguinというNFTIPコレクションの現在進行形で進んでいるマスアダプションに向けた展開は一つの参考になると考えていて、世界最速で成長したweb3IPと言われるようになるまでの道のりや、施策についてまとめていければと考えました。
またこのブログ内で言及されていることは、個人のリサーチ等も含むためPudgyPenguinの公式な見解ではなく、また、PudgyPenguin等のNFTの購入を推奨しているものでもありません。
PudgyPenguinとは
プロジェクト
Pudgy Penguinsは、ブロックチェーンベースのデジタルアートワークコレクションで、非代替トークン(NFT)で構成されています。
2021年にEthereumブロックチェーン上で立ち上げられ、8,888個のユニークなNFTが含まれています 。このプロジェクトは、Web3革新を推進し、IPの利用とコミュニティのエンパワーメントを目指しています。
NFTの所有者は、独占的な体験、イベント、IPライセンスの機会など、さまざまな特典を受けることができます。
ファウンダーLuca
Pudgy Penguins NFTプロジェクトの現在のオーナーであり、ロサンゼルス出身の起業家です。彼は2022年に750ETH(約250万ドル相当)でこのプロジェクトを買収しました。この買収は、元の創設者チームが約束した開発を実現できなかったことによるコミュニティの不満が高まった結果、行われました。
買収後、Luca Netzはプロジェクトの新しいリーダーシップを導入し、ブランドイメージとNFTのフロア価格を回復させる新たな成長計画を発表しました。
彼のリーダーシップのもと、Pudgy PenguinsはWeb3ブランドとしての地位を確立し、そのホルダーに重要なライセンシングの機会を提供することに注力しています。
2023年、彼はPudgy Penguinsと関連NFTをさらに多くの人々が利用するためのマルチチェーン機能を開発するために、LayerZeroとのパートナーシップを発表しました 。
また、彼のリーダーシップのもとで、Pudgy Penguinsは新しいおもちゃの製品ラインを市場に投入し、NFTから物理的な製品へと事業を拡大しています 。
補助
Web3やNFTから理解したい人は下記動画をご覧ください
資金調達
その発展を支えるために複数回の資金調達ラウンドを実施しています。最も注目すべきは、2023年5月に行われた資金調達で、このラウンドでは900万ドル(日本円現在価値で約14億円)のシード資金が調達されました。
このラウンドは、投資会社1kxをリードとして、LayerZero Labsの創設者を含む複数の投資家が参加しました。
投資家(1kX)について
POAP,Safe,SnapShot,IndexCooperative,Gitcoin,ZkSyncなどに投資を行っているweb3投資家です。数々のweb3著名プロジェクトに投資をしていることでも知られています。
PudgyPenguinのナラティブ形成
PudgyPenguinがなぜこんなに熱狂的な支持を受けているのか?という質問を受けることが多々あります。
僕個人の見解なんですが、下記の時系列による熱狂的な共同体験に起因した熱いナラティブがWeb3の人々を呼び込み団結させたと考えています。
単なるペンギンの絵が書いてあるNFTというよりも、プロジェクトロードマップが魅力的でお金の匂いがするというよりも、会社がリアルタイムで崩壊していくという、リアルドラマが垂れ流され、誰もが債権者となり、みんなで再生させたIPという独自性の高い体験を提供し、web3のドメインで、強い帰属意識を産んだと考えています。(当時はTwitterでものすごい論争を呼んでいました)
その後Lucaの事業推進によって、Web3以外の外部露出を増やし、"純粋なIP"としての人気の獲得に向け爆進していて、web3とリアルにおける1回の成功と2回目の成功への道を突き進んでいます。
2021/8 メディアでの注目
「The New York Times」に掲載されるなど、当初はNFT市場への参入が少なかった時期に、BAYC(Bored Ape Yacht Club)などの高額取引やTwitterによる公式NFT配布がニュースになり、感度の高い投資層の関心を引きました。
特にPudgy Penguinsは、金融トレーダーによる初のNFT投資対象となりました。この記事はライター、ケビン・ローズによって執筆されました。
2021/8著名人による購入
Redditの共同創設者がPudgy Penguinsを購入し、自身のTwitterで言及。これに続いて、NBAスターのStephen CurryやカナダのラッパーTory Lanezも投資し、プロジェクトへの関心が高まりました。
初期のプロミスと期待外れ
初期ロードマップでは、メタバースでのゲーム、トークン発行、教育的なNFTの提供が約束されましたが、設立半年後も具体的な進展は見られず、チーム構築さえ困難である状態でした。
この間に行われたのは、Pudgy PenguinホルダーへのLil Pudgysと釣り竿(Pudgy Rods)のエアドロップのみで、多くのホルダーにとっては期待はずれでした。
2022/1ファウンダーの追放
NFTインフルエンサーでありファウンダーのCole氏が、攻撃的なツイートや過去の不正行為が明らかになったことで追放されました。
資金の枯渇
Pudgy Penguinsはロードマップを実行しきれず、さらにCole氏がプロジェクトの資金を着服した疑惑が持ち上がり、共同創設者たちの間で金銭の不正流用が発覚しました。
コミュニティの崩壊と再生
Cole氏は自らの追放をディスコードで投票にかけ、結果的に追放されました。200以上のPudgy Penguinを持つホルダーの9×9×9氏がプロジェクトの買取を提案しましたが、その後、eコマースの専門家であるLuca氏が750ETHでプロジェクトを買収しました。
2022/4新たな始まり
Luca氏はプロジェクトのロードマップを一から作り直し、未来への明確なビジョンを打ち出しました。
2022/4ロードマップ公開
NFTプロジェクトとしては、かなり珍しく(?)当時の新たに作成されたロードマップがかなりの割合で現在実行されており、プロジェクトの運営は更なる展開を現在ではしています。
新生PudgyPenguinの展開
web3における、コミュニティとユーザーチームの信頼を得たPudgyPenguinは、IP企業としてグローバルでの販売網を構築していきました。
2022/6マーケットプレースローンチ
Pudgy Penguinsは独自のマーケットプレイスをリリースした。これにより、どのユーザーもPudgy Penguinsマーケットプレイスの公式サイトで、OpenSea、LooksRare、X2Y2、NFTXなどのNFTマーケットプレイスからPudgy Penguinsの全セットのNFTを購入できるようになりました。さらに、このマーケットプレイスでLil PudgysとPudgys Rodsも提供しました。
2022/7truePengu配布
Pudgy Penguinsは1周年を記念して、初のSoulboundトークンであるtruePenguをリリースした。
このデジタルトークンはイーサリアムのブロックチェーン上で動作し、ERC1155標準を使用しています。truePenguトークンは、その日の時点での保有量によって異なる階層に保有者が分類され提供されました。
2022/7PMI Tokysとの提携
PMI Toysとのパートナーシップを発表し、2022年第4四半期に発売されるPudgy Toysのために、PudgyPenguinホルダーたちにライセンス機会を提供することを発表しました。
*PMIはFortniteやAmong Usのおもちゃも製造しているメーカー
2022/8Penguin Advisory Board設立
2022/11サザビーズオークション出店
2023/1LilPudgysLayerZeroクロスチェーン対応
2023/5Pudgy ToysとPudgyWorldを発表
2023/5アメリカゲームストップでのPudgy Toys販売
2023/9アメリカウォールマートでPudgy Toys販売
2023/10イギリスSmyths Toyでおもちゃ販売
2023/11zkSyncと共催でPudgy Miami Art Basel開催
2023/12「Pudgy Penguins」×「Nouns」のコラボフィギュア販売
2024/1Pudgy Toysの販売が7ヶ月で750,000個を突破
2024/4PudgyPenuginトレーディングカードPJ発表
2024/5Pudgy Penguinsがロッテグループとのパートナーシップ発表
2024/5 オーストラリアの大手おもちゃメーカーBGWIで取り扱い開始
2024/6 GIPHYが200億回の再生を記録
2024/6 L2チェーンのFrameを買収
web3史上最も最速で成長しているIP
PudgyPenguinのソーシャルメディアのグロースでは2023年から2024年にかけて4900%の成長をしていて具体的には下記のフォロワー数となっています
・Twitterフォロワー数15万人
・Instagram145万人
・Tiktok43万人
GIPHYとは
日本でいうLineスタンプのような存在で、広く使用されているアニメーションGIF画像の検索エンジンおよびデータベースです。
ユーザーは、さまざまなキーワードやテーマでGIF画像を検索し、見つけた画像をソーシャルメディアやメッセージングアプリで共有することができます。
GIPHYは、特にSNSの投稿やチャットでの表現を豊かにするために利用されます。
活用している著名人
また最近だとPudgyPenguinのスタンプが韓国の人気歌手IUさんのInstagramにも登場したことで話題となりました。
PudgyToy
フィギュアなどのグッズを購入した場合、出生証明書とQRコードが印刷されているカードがついてきていて、カードのQRコードを読み取ると、Soulbound NFTとTradeable NFTを含むデジタルエクスペリエンス「Pudgy World」にアクセスできるように設計されています。
フィギュア購入者はメールアドレスの登録だけでこれらのデジタル資産を受け取ることができ、NFTとブロックチェーンの世界への親しみやすい入口を提供しています 。
Pudgy World
「Pudgy Penguin World」は、Pudgy Penguins NFTコレクションをベースにしたインタラクティブなメタバース空間となっています。また、zksyncをベースに構築されており、googleなどのメールアドレスベースの登録をするだけでスタートできるユーザーにウォレットを作る煩雑さを省いた体験を提供しています。
このプラットフォームでは、ユーザーは自分のPudgy Penguin NFTを使用して様々なアクティビティに参加でき、独自のバーチャル空間でコミュニティの他のメンバーと交流することができます。(NFTを持ってなくても遊ぶことができます)
またゲームをするとPudgyCoinというコインをもらうことができます!
ホーム画面
ミニゲーム
ワールド探索
PudgyPneguinライセンスとロイヤリティ
OverpassIPとは
PudgyPenguinsとSaaSy Labsが共同開発した、NFTの知的財産(IP)をライセンスするためのプラットフォームで、NFT保持者がデジタル資産を物理商品やメディアに変換する機会を提供しています。
このプラットフォームは、NFTを使用したブランドライセンスを通じて、NFTの認知度と影響力を高めることを目的としています。OverpassIPにより、NFTコレクションのグローバルな視認性が向上し、コミュニティやコレクションの価値が増大します。
OverpassIPの提供サービス
NFT保持者: 個々のNFT保持者は、自分のデジタルアセットを登録してライセンス機会を求めることができ、ブランドとのパートナーシップを通じてその価値を活用することができます。
コレクション: NFTコレクションは、ライセンスを通じてそのリーチを増大させ、コレクションの成長と保持者の価値を高めることができます。
ブランド: ブランドは、OverpassIPを通じてWeb3コレクションとのパートナーシップを探し、キャンペーンに適したIPを効率的かつ合理的な価格で取得できます。
ロイヤリティ分配
モデルイメージ)
Pudgy Penguinsのホルダーは販売利益の10〜15%を受け取ることができます。
例として、Walmartが80万個のPudgy Penguinsを一個あたり8ドル(約1,200円)で注文した場合、交渉により初回注文で約15%のネット利益が見込まれます。
これにより、Pudgy Penguinsは96万ドル(約1億5千万円)の売上を上げることになります。
次の第4四半期の購入オーダーでは50から100のPenguinsがライセンスされる予定で、75のPenguinsがそれぞれ約2000ドル(約31万円)を生み出す計算になります。
現在のPudgy Penguinsの価格が8000ドルであるため、選ばれた場合にはそれなりの利益が見込めるというわけです。このビジネスモデルは時間とともに成長すると見込まれ、コミュニティとの連携を重視しています。
ロイヤリティの証券性について
ビジネス利用について
所有者は所有する個人のPudgyPenguinもしくはLilpudgyを使ってビジネスをすることができます。
・利用上の禁止事項
Pudgy Penguinの名前/商標の使用
損害を与える、または悪影響を与える
・将来、チームにライセンスを提供する可能性があること
ソーシャルメディア・コンテンツ
物理的なおもちゃ
ストーリーテリング
将来的にうまく成長したIPがあれば買収の可能性も示唆していました。
実は世界各国でIPを使ったアイシングクッキーのお店や、ゲーム開発、ジム経営やIP展開などが進んでいます。
コミュニティ形成
PudgyMap
世界中に散らばるPudgyPneguinホルダーの仲間たちを検索することができます。
PudgyPenguinにおいてグローバルでのコミュニティ形成に力を入れていて、それぞれの国における現地のマーケテイングや、メンバーのエンゲージを上げるための活動を各国で行っています。
具体的には、香港、中国、韓国、マレーシア、タイ、ベトナム、台湾、インド、シンガポール、フィリピン、オセアニア、ヨーロッパ、ニューヨーク、カナダ、ドバイなどの各国にコミュニティが存在しており、独立的にそれぞれの国で大規模なイベント開催などを行っています。
各国で勝手に開催されるイベント
PudgyFest(香港) / Pudgy Week(シンガポール)
PudgyPenguinLink集
HP
Shop
Community Invite
TIkTok
Youtube
Discord
ホルダー向けリンク集
LilPudgys Brige
自分のLilpudgysをブリッジさせることができます
PudgyWorld
VRフィルター
自分のペンギンのホログラムがもらえます
.PUDGY
ドメインをとることができます
PenguinMap
自分の居場所を登録することでPudgyPenguinメンバーに居場所を知らせることができます
PudgyPenguinカレンダー
全世界で開かれているPudgyPenguinイベントを知ることができるようになります。
Gif
自分の持っているPudgyPenguinを使ったmeemを作ることができるようになります。
日本コミュニティ
PudgyPenguinsの成功へのしたたかな展開
崩壊と再生のナラティブで強い求心力と認知度を得たIPの注目度は高くなり、他方で粛々とgifやソーシャルでのプレゼンスを高め、ブロックチェーン経済圏以外への進出をビズデブドリブンで進めていくチームの強さ。
PudgyPenguinという経済圏への参加者の最大公約数を常に目指している施策の姿勢や、プラットフォーム上で活動をするために整備されたサービスを含め独自の生態系はNFTのブームが終わった今でも着実し進んでおり、
今年は日本でもさらなる注目を浴びる機会があると思うので引き続きPudgyPenguinにぜひ注目してください!