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クリプト週間レポート(4月22日)

1. 中東の緊迫とビットコイン価格への影響


イランがイスラエルに攻撃を仕掛けたことをきっかけに、中東の緊張が高まり、それがビットコイン市場にも大きな影響を与えました。

イスラエルの報復や中東全域を含めた戦争のリスク、原油価格上昇への懸念が市場の安定を揺るがせています。

その結果、ビットコインは一時的に60,000ドルを割って大きく下落しましたが、現在は反発の兆しを見せています。


2. 現物ETFの買いが鈍化


米国現物ETF資金流出入


先週、ビットコインの価格上昇を支えていた利下げへの期待が急速に後退しました。現在、注目されているのはビットコイン現物ETFの購入動向で、先週からその買い圧力が弱まりを見せています。

15日から18日にかけては流出が続き、特にBIBT(ビットワイズ現物ETF )では17日に730万ドルの流出が記録され、良い兆しは見られませんでした。同日、ブラックロックのIBITでも1810万ドルという過去最低の流入が記録されています。


しかし、悪いニュースばかりというわけではありません。SECフォーム13Fによれば、ビットコイン現物ETFの承認後にIBITを購入した主要な機関が、自身の投資ポートフォリオにビットコインを約0.2%取り入れたことが明らかになりました。これは、投資家たちがビットコインへの関心と投資を徐々に拡大している証拠です。

2022年には、キャシー・ウッドが、米国の金融機関が自身のポートフォリオの1%をビットコインに割り当てた場合、ビットコインの価格が10万ドルを超えると主張していました。このようにビットコインの割合が増加すると、BTCの価値が上昇する可能性が高まります。現在の0.2%の割り当ては、今後さらに増加する余地があることを示しています。

3. 今後の予測 ー イスラエルの報復攻撃について


最近のビットコイン価格の下落の背景には、イスラエルとイランの軍事衝突があります。4月初めにイスラエルがシリア・ダマスカスにあるイランの在外公館を攻撃し、複数の軍幹部が犠牲になりました。これがイランの報復攻撃のきっかけとなりました。

イスラエルの軍事的な姿勢を考慮すると、イランの攻撃に対して報復を行う可能性が非常に高く、これらは金融市場、特にビットコイン市場に大きな影響を与える要因となるでしょう。地政学的なリスクが金融市場を不安定にする中、ビットコイン市場は特に敏感に反応します。したがって、イスラエルとイランの対立が再び激化すると、ビットコインの価格にさらなる下落圧力がかかる恐れがあります。

4. 今後の予測 ー 米国のインフレ指標



CPI消費者物価指数は3月までに急上昇してきましたが、連邦準備制度(Fed)が主に参照するPCE個人消費支出価格指数は、大きな変動なしに安定していると、パウエル議長は述べています。もしパウエル議長の見方が正しいなら、市場は安定する可能性が高いです。しかし、予測とは異なる結果が出た場合、さらなる価格の下落が懸念されます。PCEの最新データは、今週の金曜日、4月26日の午後9時30分に発表される予定ですので、この発表に注目しましょう。

5. 半減期後の価格はどうなるのか?


(1)オンチェーンから分析するクジラの動き


オンチェーンデータによれば、ビットコインの大口投資家は現在、売りよりも買いに積極的です。特に、'IntoTheBlock'のデータによれば、ビットコイン価格が60,000ドルの近辺に来ると、1,000BTC以上を保有するアドレスが積極的に買い注文をし、蓄積率を高めていることがわかります。これらのアドレスは先週、約160,000ビットコインを購入し、これはおおよそ100億ドルに相当します。

さらに、総供給量の0.1%以上を保有する大口投資家たちの間では、大きな売りが見られる兆しはありません。これは、ビットコイン市場の主要なプレイヤーたちが現在の状況を慎重に見守っていることを示しています。このような行動パターンは、市場に依然として高い不確実性が存在することを示唆しています。

(2)機関投資家の見解


伝統金融のアナリストたちはビットコインの今後の見通しについて、やや慎重な見方をしています。JPモルガンのアナリストは下落すると予想した一方で、ドイツ銀行のアナリストは高止まりすると予想しています。

JPモルガンは、現在の調整後のビットコイン価格がまだ過買いゾーンにあると判断し、さらなる下落の可能性があると予測しています。一方、ドイツ銀行は、半減期の影響がすでに価格に織り込まれていると報告しており、今後大きな価格上昇は期待できないと予測しています。


3. では、結論は?



ビットコインの半減期後の価格動向については、いくつかのシナリオが考えられます。過去のデータを見ると、半減期から約518日から546日後にビットコインの価格が最高値をつける傾向があります。したがって、2025年の9月中旬から10月中旬にかけて次のブルランがピークを迎える可能性があります。

我々の見解としては、半減期直後に大きな上昇が来る可能性は低いと考えています。これは、半減期がビットコインの価格に与える影響が弱まってきているからです。しかし、金利引き下げの可能性が低くなった今、さまざまな要因で再度金利引き下げが行われる展開になった場合、これまでの半減期の動きに沿って大きく上昇する可能性が考えられます。

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