【#NFTSchool】 Generativemasks (ジェネラティブマスクス) TAKAWOさん(@takawo)さんが語る作品と戦略
この記事は2022/03/05(土)【#NFTschool】Generativemasks (ジェネラティブマスクス) TAKAWOさん(@takawo)さんが語る作品と戦略イベントの書き起こし記事になります。
ゲスト:
Generativemasks (ジェネラティブマスクス) TAKAWOさん(@takawo)
司会進行:
PolygonJapanコミュニティマネージャー岡山佳孝 (@okayama1991)
今後のイベントの最新情報は下記のアカウントで告知します。ぜひフォローよろしくお願いいたします。
PolygonJapanTwitterアカウント(@0xPolygonJapan)
自己紹介
TAKAWO)普段はクリエイティブコーダーという肩書で、毎日プログラミングでグラフィックを作って公開することを2019年からしています。2021年8月からNFTアートのプロジェクトに関わり、幸いにも話題になり活動の幅が広がっています。よろしくお願いいたします。
Generativemasksの作品群
TAKAWO)2021/8/17にリリースしたコレクティブルのNFTアートプロジェクトです。特徴は、一つ一つのグラフィックがプログラムで生成されていて、リロードする度に色のバリエーションが変わする作品になっています。
当時、一時流通の価格は0.1ETHで販売して、約2時間で完売しました。Generativemasksのロードマップに従って今はいろいろ進めています。当初は、1万個出していたので少しずつ数カ月かけて売れればいいなと漠然と思っていました。
元々NFTアートを作る前に考えていたビジョン
TAKAWO)Generativemasksのプロジェクトを立ち上げる段階で、寄付のプロジェクトをしたいと考えていました。
元々の活動がプログラムを用いたアートだったので、色んな人と関わりを持っていました。収益を独り占めにすることには違和感があったので、寄付にすれば自分自身も面白がれてモチベーションが湧くのではと考えました。
Generativemasksさんのコアな価値観
TAKAWO)僕個人が一人のクリエイターとして頂点にいるのではなくて、日本やアジアでジェネラティブアートに関連する表現活動を支援したいし、そこで一人のメンバーとして盛り上げていきたい、共創できるプラットフォームになりたいと思っています。
現在のチーム構成とチームでの役割
TAKAWO)総勢で5,6人で行っていて、主要なメンバーは僕と株式会社TARTのToshiさん(@toshiaki_takase)とwildmouseさん(@wildmouse_)と主にやり取りしています。自分が小説家や漫画家なら、二人は出版社のような関係だと思っています。コントラクト周りやコミュニティ運営で二人に関わってもらっています。
対マーケットのNFTアートの仮説
TAKAWO)自分はプログラムで作ったものを公開するというようなことをしていて、他のアート作品が高額で取引されるのを見て勇気づけられて、見方が変わっていきました。
また、Art Blocks(@artblocks_io)というジェネラティブアート専門のNFTアートのブランドで活躍されている人たちと、かつてからやり取りしていたこともあり、自分も日本発でできることがあるのではないかと考えていました。挑戦してみようと思えたタイミングと、2021年の夏頃にNFTが盛り上がったタイミングが、ちょうど重なりました。
内発的動機を維持するための考え方
TAKAWO)少しずつ売れていくケースだと徐々に準備ができたかと思いますが、Generativemasksの場合は3,000人くらいのホルダーが一瞬で爆誕したので、リリースしてから一ヶ月くらいはかなりプレッシャーを感じてピリピリしていました。
当時は,自分がどういうふうに振る舞ったらいいのか、市場の価値を下げないためにはどうすればいいのかを常に考えていました。コミュニティのために、ホルダーの人たちのためにと考えて活動していましたが、徐々に精神的に健康じゃなくなっていく感じがしていました。
伸び伸びコードを書くことが好きだったので、なんだか「コミュニティに貢献すること」を強制されているような気がしていました。しかし、あるタイミングで抜けられたので良かったです。
大変だった時期にホルダーさんのためにやるべきこととやらなくていいことをどうやって決めていたか
TAKAWO)自分が新しく作ったものをエアドロップすることには抵抗があって、エアドロップするためにコードを書くことはできませんでした。
Generativemasksの場合は残るものを作りたかったので、NFTアートの歴史や文脈の中で、自分たちが疲弊したり信じることができないものを作るのはやめたほうがいい、と思っていました。
エアドロップをしないと決めたときのコミュニティとの対話
TAKAWO)代わりにやったことがあって、ツールを作ることをコミュニティのメンバーとかとやっていました。GenerativemasksのTwitterのヘッダーを作るためのプログラムを書いたり、PFPの背景にGenerativemasksを取り込めるだとか、そういう風なプログラムを介してツールを提供して面白いと思ってもらえるようなブランディングを発信しました。
コレクターの人たちの温度感は様々で、giveawayをやった方が良いと言う方もいましたし、アート作品だからじっくり待つタイプのプロジェクトだと認識して応援してくれる方もいました。
ホルダーのペルソナについて
TAKAWO)ジェネラティブアートに関心がある人たちがまとめて買っている節もあります。既存のジェネラティブアートのコレクションと比べてバリュエーションが豊富に見えることも購買要因としてあるかと思います。
人間って人の顔を区別することに認知が最適化されているので、色んなマスクが欲しくなるっていうのもあるかも。またジェネラティブアートにしては比較的お求めやすい金額だったこともあるかと思います。
ロードマップを作るときに参考にしたもの
TAKAWO)特にはなかったですね。ロードマップは大きく3つの段階があるのですが、最初に寄付で、次に株式会社TARTと共同でやっていくので役割分けがありました。フィジカルなマスク等は段階的にやっていくために分けました。
ロードマップに入れとけばよかったこと
TAKAWO)僕はロードマップを少し変えています。当初の一過性の寄付から、継続性を持ったコミュニティ支援のための仕組みづくりに変えています。ロードマップを作っていても、変えるということはあり得たと思うので、やっていても少し変わったのかなと思います。
ホルダーさんに共感してもらうための説明について
TAKAWO)Discord上で対話する代わりに、毎日コードで作ったものを公開していて、コードを勉強するチャンネルも作っています。
自分のコードを公開して分かってもらうことで、共感する人が入れ代わりつつ残ってくれていると思います。自分が面白がってコーディングを続けていれば、プロジェクトの価値としてどこかで返ってくると思っています。
Discordメンバーがアクティブになり続けるために意識していること
TAKAWO)透明性みたいなところは重要と思っていて、誰かのネガティブなコメンがあってももみんなでシェアして考えを共有し合うことでオープンに議論するのを心がけています。
Discordはもちろん一人一人と対話する場所でもあると思うのですが、土が良くないといい植物が育たないかと思うので、そこをモデレーターの方々に整備してもらっています。
モデレーターは二人、コミュニティマネージャーは三人、運営メンバーはそんなに多くはないです。
コミュニティ運営で意識していること
TAKAWO)礼節とかそういうことはあると思うのですが、特段議論したことはないです。Discordのチャンネルのデザインを整理してくださっていて、チャンネルを分ければいいというものではないですが、話が増えていけばいくほど整理が必要かなと思います。
コミュニティの人たちが喜んだ施策
TAKAWO)直近はGenerativemasksのウクライナ・エディションは比較的良いリアクションがありました。
作品を作る上での大事にしていることやチェックしていること
TAKAWO)創作活動全般でいうと、やっぱり続けることが大事だと思うし、小さな取り組みでも何かしらチャレンジすることは意識していると思います。それが続いていければエッセンスを注入して作品を作れるかと思います。
Generativemasks以外にも別のプラットフォームでNFTアートをつくっていて、そっちの方では違うチャレンジとして作品を発表しています。Generativemasksはキャラクターを想起するような具象的なグラフィックでしたが、もう一つのコレクションではもう少し抽象的だったり絵画的な作品を作っています。
ウクライナ・エディションの方向性
TAKAWO)今の世界情勢を見て、自分はコードで意思表明してみたのですが、コミュニティの中からウクライナカラーで作ってみたよということをシェアしてもらって、ウクライナ政府とのウォレットと結びつけて寄付できるのであればすごく面白いなと思いました。思いついてから、一日くらいの素早い速度感でリリースできました。
寄付を重要視する理由
TAKAWO)最初は取っ払いというか、ETHのウォレットから別のウォレットに送金すること自体は難しくないし,負担もそれほどないでしょと簡単に考えていました。
しかし、実際は確定申告や税金面でとにかく大変でした。他方で、そういった自分の体験や反省を活かして、他のアーティストがコミュニティに支援しやすくしたり、収益が循環する仕組みを作ることが今やるべきことだと感じています。そういう自分が気づいたことを、やりきりたいと思っています。
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