YSF2024を振り返る
感想
2日目のアフタームービーはまだ作り終えていないが、先に今感じていることを残す。
1日目に円陣でハイタッチをしてから始まり、最初は慣れずににハイタッチを会場の人としていたが、徐々に全体がハイタッチの雰囲気に包まれて、すごく良かった。
2日目はチンドンで会場を掻き回し、ハイタッチのサークルがゲリラ的に生まれていた。みんなもついてきてくれて、ハイタッチをしながら会場を練り歩いた。太鼓の音を響かせながら、ハイタッチをしている時は会場と身体が一体化していた。途中からカメラの記録がどうでも良くなった。だって、こんな幸せな時間をこれからもたくさん作っていけばいいのだから。
そして最後には会場のみんなとハイタッチして、地べたで集合写真を撮った。街のみんなで地べたから祭りをつくった瞬間だった。
全体を通して、みんなの笑顔が作れれば、そのやり方やクオリティは問わない。そこにデザインのヒントをとても感じた。先生の行っていることが身体と心で実感できた。
青春とは一期一会だからよいのかもしれない。短い間しか一緒にいない人たちと祭りを作り上げるからこそ、刹那的で愛おしい。もう二度とないから儚くて美しい。
そして祭りが終わってもハイタッチは残り続ける。日常に戻り、また再開した時にはきっとハイタッチをしてあの日を思い出すのだろう。
高校2年生のときに初めて感じたハイタッチの魅力を7年越しにまた街中で感じることができて、本当によかった。用賀サマーフェスティバル2024は僕の人生の中でとっても大事な時間になった。今後はこの経験を起点に活動していくことになるだろう。
今年で大学は卒業する。大学を卒業しても祭りを日常から作り上げるための計画をこれから本格的に考える。
総評
今年初めてYSFに参加してみて、今後のイベント運営に参考になる学びがたくさんあった。
よかったところ
心強いスクールパートナー
YSFの1番の良さはさまざまなバックグラウンドをもつ個性ある先輩社会人がサポートしてくれるところだった。セクションを横断した協力体制
特にクリエイティブセクションは初期段階でセクションを解体して、各セクションへ配属するようにした。後半は積極的にコアメンバーと連携をとり、リーダーシップを発揮するメンバーも生まれてよかった。今まで見えてこなかった街の人の顔がハイタッチで共有できた
花かけしてくれた方の顔が見えることでより実感が湧く。用賀サンクスに次ぐ良いアウトプットをみんなで作れてよかった。用賀はダンス、バンド、エイサー、フラダンスなどバラエティに富んだ音楽がある
壇上から降りて地べたでみんなと一緒に踊っているのが良かった
学び
Discordのチャンネルが多すぎて探す時にストレス溜まる
ロールを使って非表示チャンネルと共有チャンネルを使い分けるインフォメーション系グラフィックはオンライン上(Figmaなど)でつくる
共有、修正がローカルで作るとめんどくさいし、遅いミーティングでタスクの進捗確認を必ずする
これをチャット上などでバラバラに確認するのは非常に非効率。ミーティングで定期的に顔を合わせるのも大事。各セクションのスタンスをはっきり明文化する
例えばPRが担当するInstagramの投稿に意見する際、まずはPR内で決めたSNS運用の方針(ターゲット、投稿内容など)を確認する。セクションの人数が多すぎるとミーティングに人が集まらない、予定が合わない
クリエイティブは解体必須各タスクの責任者は決める
誰に聞けばよいかわからない。タスクシートは締切を把握するために早めにつくる
アポイントを取るのが手遅れになる可能性がある実験は早めにやる
何が必要なのかを把握する
実験は楽しい。楽しみながら話し合う役割分担を明確にする
あやふやに話し合うと意見がずれて不要な対立が生まれる意見は正直に発言する
対立は恐れず正直に話し合う納期を設定する
納期を設定しないとどんどん遅くなる企画は最初に出し切る
やりたいことも最初に出し切って、みんなで育てる制作タスクは始めに全て洗い出す
看板、プロモーションビデオ、東急用ポスター、Webサイト、メンバー紹介、メニュー表、会場マップ、イベントTシャツ、その他グッズ、note、Instagram投稿など。全体会後の飲み会は毎回企画する
学生が集まれる機会はとても少ない。各セクションのコラボレーションの機会をつくる。宴のデザイン。いかにプロセスを公開するか
どれだけ地域とのつながりを「可視化」するか。関係性は一度できたら次は深める費用をかけずにできることを考える
予算があると何でも作れると思ってしまうが、かえって創造性を阻害する。全体の区画分け的にアートセクションがあるのは無理があった
構想初期段階ではアートセクションが設けられていたが、クリエイティブセクションと合併した。なぜなら全体のトーンに明らかにアートセクションが合っていないからだ。そもそも展示できる場所にも余裕がないし、例年のYSFに作品が展示されていても違和感がある。しかし、アート的要素は取り入れたい。アートセクションとクリエイティブセクションは再編成する必要がある。街のリソース(人、場所、物)は毎回初期段階で共有
特に場所のリソースはとても重要だ。泊まったり、話し合うことのできる場所を確保するのが初期にとても苦労した。そして世田谷トラストさん提供の竹。来年以降はテント、ステージの代替品として使える。YSF参加者の上下の関わりが全くない。
今年で17期になるわけだが、それまでに蓄積されたものが全く感じられない。OB・OGがスクールパートナーになる流れがあると接しやすく、アドバイスももらいやすい。YSFインスタグラムのフォロワーが少ない。
ファンが少ない。フォロワーが多いことは営業トークにも使える。アーカイブが難しい
ワークショップ型ではないので、日頃の記録を担当者が回るのには無理がある。最後の準備期間が一番楽しかった
文化祭に近い雰囲気が少しあって楽しかった。会場内の図面(指示書)がないと、準備し始めて足りないものが出てくる
全テントの立面図などテンプレートを作成して記入してもらうなど売り子
売り歩く方が目に見えてわかりやすいサインはマスト
特にゴミステーションがわからないと、ゴミが落ちるステージのタイムテーブルが見づらくて困惑した
転換時間が異なるので、プログラムの枠の時間がわからない。そして誤植があったことに2日目に気づいた。
参加者の声
企画の他にやることが多すぎてやりたいことができない。
学生は時間を取るのが難しい。企画以外のミーティングで手一杯でコンテンツを作る余裕がない。友達を誘いにくい
期間が長いため、スケジュール的に誘いにくい。YSFにコミットするモチベーションがわかりづらい
YSFに参加するきっかけは人の紹介がほとんど。そのため次年度につながりにくい。もっと地域のユースを呼び込むべき
外部の学生もよいが、地域の祭りならもっと地域のユースを。ステージの内容がわからない
最後はジャズじゃなくて、盆踊りやビンゴ大会など参加者に偏りのないプログラムが最後にあるとお客さんも残りやすい
提案
提案型キャンプの実施
現状のYSFは単位が出されるほど設計されたカリキュラムではない。リサーチ、レクチャー、制作、実装までの流れを短期プログラムとして開講。参加資格の上限をユースへ引き上げ
ユースによるまちづくりをコンセプトに短期プログラムとして用賀サマーフェスティバルを展開する。対象は13歳(中学生)から25歳まで。クリエイティブセクションはデザインセクションへ降格。アートセクションは全体のプログラム(上記提案型キャンプ)として全体に導入。
クリエイティブセクションでやった主な業務はメインビジュアル作成、グッズ制作、会場装飾だ。イベントのデザインに関わることを行うデザイン部門として規模を縮小する。
一方でアートセクションはYSFのプログラムが始まる初期の段階でワークショップとしてインストールする。他の各セクションから出るオリジナリティあるアイデアを短期集中でアイデアを出し、デザインセクションが制作に関してサポートしながら並走していく。コンセプトはお題としてカリキュラムに組み込む
例えば今年のお題は「ハイタッチ」。これに関して各セクションが企画立案する機会が少なかった。アートセクションではここを重点的に担当するべき。デザインの前にコアとなるコンセプト周りのコンテンツ、世界観があまり伝わっていない。
参考事例
少年プロジェクト
友達がやってるプロジェクトWatage Studio
for citiesのゆかこさんが参画しているプロジェクト。ユースのための都市系サマースクール。対象は中学2年生から25歳。発酵盆祭
武蔵美の先輩が立ち上げたイマジン盆踊り部主催のお祭り。会場装飾、コンテンツのクオリティが高い。大盆踊り会(Dainon)
神社主催の祭り。珍盤亭などDJと盆踊りなどのカルチャーをミックスしたアーティストが多数出演。とにかく全体の設計が素晴らしい。
2024.8.26 編集
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