12星座もしもシリーズ23(バレンタイン編3)

※ 今回は、非常~~にまともなお話となっております。(たぶん)
おバカなお話を期待している方は、ご遠慮くださいm(__)m

バレンタインに全校生徒に猫顔のチョコをあげようと言う山羊。

たまたま、生徒会室にやって来た水瓶が持ってきた茶菓子も猫。
妙なシンクロに心をざわつかせる乙女。

「会長が、水瓶君に猫チョコをあげたくて、全校生徒にあげるという建前で皆にチョコをあげるのでは?これは、不正?」
なる、疑惑を抱える乙女。
果たして不正疑惑、解明なるか?

本来の作法はひとまず置いて、お抹茶を楽しむだけなので、それぞれに抹茶を立てて好きにのむ。
お菓子も好きなように食べる、そんな無作法なお茶会なのだけれど・・・。
水瓶「乙女、猫ばらばらで可哀そう・・・。」

急に水瓶に声をかけられハッとする乙女。
自分の手元の牛皮が既に原型を留めておらず、ほぼ餡子の塊になっている。
乙女「あ・・・・!」
牡牛「乙女さんたらぁ、また考え事してましたね?頭の回転良すぎてぇ、一度考え始めると、ドンドン考えが暴走しちゃうんだからぁ!」
乙女「あ・・・ご、ごめんなさい!」

山羊「乙女さん、何か悩みがあるなら、打ち明けてください。微力ながらも、お力になれるかもしれませんよ?」

ゆっくりと立ち上がる水瓶。

水瓶「じゃ、俺、行く。山羊、また、お茶入れて。」

生徒会室を出て行く。

水瓶が出たのを確認し、
山羊「乙女さん、大丈夫ですか?」
乙女「・・・・。」
一体、どう答えればよいのだろう?そもそもに、この会長が不正なんてあり得ない、とも思うのだが・・・。

牡牛「会長、皆に配るチョコってぇ、この猫顔チョコですかぁ?」
山羊「あら!牡牛さん、ばれちゃってましたか?って、赤で〇つけてますもんね。」
少し照れ気味で、答える山羊。

牡牛「さっきの水瓶君の練り切りの猫ちゃんも可愛かったですぅ!」
山羊「水瓶君と私、一緒に猫飼っていたから、ついつい猫物に目が行っちゃうのよね。」

え??
乙女「会長と水瓶君が一緒に猫を飼っていた??」
山羊「あまり個人的な事は、水瓶君のプライバシーにも関わるので・・」

と、言いながら山羊会長が話してくれたのは、水瓶君が親の都合で、山羊の家に幼い頃に預けられていた事、水瓶が拾って来た猫を一緒に世話した事、ある日突然水瓶の親が山羊の家から水瓶を連れ出し、そのまま失踪した事。

山羊「その後、様々な経緯があり、私の父親が水瓶君をこの学園に入れたのですよ。」
少し遠くを見つめながら話す山羊。
昔の出来事でも思い出しているのだろうか。

突然、乙女の瞳から涙が一粒こぼれた。
乙女「え?え???」
自分でも予測していなかった事態にうろたえる乙女。
慌てて、ハンカチを取り出そうとするが、涙はとめどなく流れ始める。

山羊が乙女にハンカチを差し出す。
ためらいながらも、ハンカチを受け取る乙女。

牡牛がそっと乙女の背中をさすりながら
牡牛「もぉ~!本当にいつも考えすぎなんだからぁ!!(笑)」
乙女「うんうん・・・」
牡牛の一言で、ますます涙が止まらなくなった乙女。

乙女「か、会長!ごめんなさい!ごめんなさい!!」
何度も頭を下げる乙女。
山羊「乙女さんが私に謝るような事、ありましたか?」
乙女「・・・・」
牡牛「乙女さん~、もう大丈夫ですよねぇ?」

山羊「よくわかりませんが、乙女さんの悩み、解消されのでしょうか?」
少々うろたえ気味な山羊。
激しく頭を縦に振る牡牛。

ほっとした様子の山羊。
乙女の肩に手をのせ、
山羊「多分、私の事心配してくれたんですよね?ありがとう!」

ますます、涙が止まらない乙女だった。
会長、変な疑いしてしまってごめんなさい!!


牡牛「でもでもぉ~~、恋は人を変えるのですぅ~~!☆」

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