12星座もしもシリーズ43(獅子転校危機編2)
山羊『獅子君が、この学園から他の学校に転校します。最後の挨拶をしたい人は校長室に来てください。』
蟹「私、校長室へ行ってくるね。」
蠍「私も行くわ!うちの部の部長なんだし!」
魚「私も!!!」
そういいながら、もう涙目になってる魚だった。
LUINメッセージを見て、部屋から猛スピードで飛び出した射手。
部屋を出た途端、牡羊、双子も部屋から出て来た。
射手「牡羊と双子も校長室?」
牡羊「当たり前だろ!」
双子「行かない訳がない!でも、二人は先に行ってて。天秤と水瓶連れて行くから。」
射手「いや、無理して連れてこなくてもいいんじゃね?」
双子「こんな事件現場、見逃したら一生の損だろ?」
牡羊「任せた!」
といいながら、ダッシュして校長室へ向かう牡羊。
少し疑問を感じながらも牡羊の後を追うように校長室へと向かう射手。
双子「お~~~い、天秤~~~~!!」激しくドアを叩いても、相も変わらずイヤホン付けて大音響で英会話を聞いている天秤は全く気付かない。
面倒くさくなったので、天秤はいっか、と思い、水瓶の部屋に入る双子。
水瓶はPCに向かって、ひたすら何かの作業をしているようだった。
双子「水瓶、校長室行くぞ?」
水瓶「行かない。」
双子「え?LUIN見たよね?」
水瓶「見た。」
双子「こんな面白いもん、滅多に見れないぞ?」
水瓶「・・・・・。」
双子「え???なになに???」
水瓶の肩越しにPCをのぞき込む双子。
PC画面には5個のウィンドウが開かれていた。
水瓶「獅子、気づけ!」
双子「ナニコレ?てか、あのアプリの本領発揮?」
水瓶「うん。でも、獅子が気が付かないと、うまく行かないかも。」
双子「女子達にも、あのアプリ配ってたんだ?」
水瓶「チョコ配ったカードと一緒にオカヒロ研の女子にも配ってた。」
双子「俺、校長室行ってくる!現場みたいわ!!!」
水瓶「しっかり見届けて、報告よろ~~!」
双子「らじゃ!!」
尋常じゃないスピードで校長室へと着いた双子。
校長室のドアから、激しい光があふれ出している!
双子「なんだ???出遅れたか?」
急いで校長室のドアを開けた双子。
双子「何があった??」
その風景を見た途端、首から下げていたカメラで連写し始めた双子だった!!!!
双子『なんだこれ?てか、俺、夢見てるわけじゃないよな?こんな事って・・・・てか、あのアプリって・・・・????」
モヤモヤと立ち込める煙。
かすんだ風景のその中に浮かび上がる影!
そこには、6人のヒーローが?!
真っ赤な恥ずかしいくらいのピタピタスーツと仮面をつけた牡羊。
牡羊「俺がやらねば、誰がやる!」
ビシッと牡羊ならではの決めポーズ!
同じく青のスーツと仮面をつけた射手。
射手「俺を敵にまわしたこと、後悔させてやるぜ!」
赤いスカーフのセーラー服姿で左手にヨーヨーを持った蟹。
蟹「なめたらあかんぜよ!」
鋭い眼光で辺りを威圧、目の前でクロスした両手には8枚の超合金タロットカード!
蠍「うちらにケンカ売るとは上等じゃん!」
クリスタルクローを両手に仕込み、近接戦に挑む魚!
魚「獅子父さん、覚悟!」
そして、大取。
金の鎧と大剣を振るのは
獅子「皆を守るのは俺しかいない!!」
めっちゃ、興奮する双子!!!
双子『ったく!水瓶、なにしやがるんだ?これって幻覚?もしリアルだったら、凄すぎる!俺はこの瞬間をカメラに収めるぞぉ!!!!』
この瞬間を逃さない!
連写し続ける双子。
獅子父「ふわぁはぁは!!!この小童どもめ!私に逆らうとどうなるか思い知るが良い!!!!」
炎のオーラを纏い、飛び散るスーツ!
鍛え上げられた肉体が露わになり、熱気が部屋を覆う。
校長室内には、火花散り、イカズチが走る!
今、戦いの火蓋が切られようとしている!!!!
射手「お前なんぞに獅子は渡さん!」
蟹「同じく!」
その時!!!
緊迫する空気を蹴散らす輩が・・・。
校長「あのですね・・・・。その・・・・。こ、ここで格闘するのは勘弁して欲しいのです・・・・・・。」
山羊「道場に行きましょう!!!ここは、狭いですし思う存分戦えません!!」
ある意味、鋼の心臓を持った校長と山羊であった。
まぁ、確かに校長室はオカヒロ研6人、校長、山羊会長、獅子父の9人がいるだけで、びしびしで身動きも難しい感じだった。
ということで、てくてく歩いて道場へ向かう山羊、校長、オカヒロ研部員、獅子父。
その後をついていく双子。
水瓶と天秤にLUINを送る双子。
双子『道場で獅子父と皆が対決するらしいよ。てか、水瓶、あれってナニよ?』
水瓶『変身した?』
双子『と思ったけど、部屋から出たら普通の皆だった・・・。でも、獅子父は服、破れ散ったままだけど。』
水瓶『やったーー!俺も道場行くね!』
天秤『おい、なんの話?てか、俺をハブったろ?』
双子『声かけたってばwすぐ自分がのけ者にされてるとかって勘ぐるじゃん、天秤。』
天秤『俺はそんなカッコ悪い事はしない!』
水瓶『天秤は道場行かないの?』
天秤『行く!!』
猛ダッシュで部屋から出て、道場へ向かう天秤。
部屋から出て、てくてくと道場へ向かう水瓶。
と、牡牛と乙女が歩いているのが見えた。
早速LUINでメッセージを送る水瓶。
水瓶『獅子の事で、校長室向かってる?』
乙女『うん。』
水瓶『道場に移動してる、獅子達。』
乙女『了解。』
と、突然LUINの通知音を聞き、後ろを振り返る牡牛。
牡牛「てか、水瓶君、後ろ歩いてるなら声かけてくださいですぅ!」
水瓶「え~~、そんなん、たりーってw」
牡牛「LUIN打つのは、たりくないんですかぁ?」
水瓶「大声だすよかエネルギー消費が少なくて済む(たぶん)。」
牡牛「相変わらず、わけわからん、ですぅ!」
水瓶「牡牛的には、エネルギー消費したほうがいいのか?」
牡牛「むっき~~!何言ってやがるんですかぁ??」
乙女『相変わらず、この二人、仲が良いのか悪いのか??でも、なんか見てると面白い^^』
水瓶君は、来た物に反応してるだけなんだな、と感じる乙女だった。
以前感じた、山羊会長や牡牛への嫉妬心であろう気持ちも、いつの間にか静かに収まってしまっていた。
乙女『あれって、恋だったのかな?よくわからないけれど、でも、なんか水瓶君と仲良くなりたいしもっと知りたいと思うのは、何故なんだろ?』
と言いつつ、仲良く三人で道場へと向かうのだった。
いや、君たち、そんなに呑気にしてていいの?
早く行かないと、いいとこ見逃しちゃうかも?
とはいえど、この三人じゃ走っても意味ないか~~~??
天秤「ぜぃぜぃぜぃ・・・。」
どうやら、天秤の方が先に道場前に着いたようだ。
向かい側から、山羊筆頭に獅子達と、ひときわ際立つオーラを放つ獅子父が歩いてくる。
天秤「あれかよ、獅子父・・・。さすが財界の覇王と呼ばれているだけある・・・。てか、怖すぎじゃんw」
少し早めについてしまった事を後悔する天秤。
が、しかし。
山羊「あら、天秤君!どうしたの?」
天秤「し、獅子に最期の挨拶をしようかと・・・・。」
そんな二人をちらっと見ながら、道場前の扉に立つ校長。
校長「今から、道場の扉を開けます。・・・」
道場の扉の鍵穴に鍵を差し込む校長。
校長「・・・・」
固唾を飲む面々。
校長「・・・・・・・・・。」
山羊「どうかなされましたか?」
山羊が見ると、校長は全身から脂汗を出しているのか、異臭を放っている。
思わず鼻をつまむ山羊。
校長「て、手が滑ってしまっているのでしょうか?・・・・」
ハンカチを取り出し、校長の手から鍵をハンカチで挟んで奪う山羊。
そのまま、鍵穴に差し込むが・・・。
鍵は合わなかった。
校長「あああああ!!!!!私の人生終わったぁ!!!!」
猛ダッシュで廊下を駆けだす校長。
山羊「はぁ・・・・・、ったく・・・。」
周囲を見回す山羊。
山羊「どうやら、道場は開かないようです。どうでしょう?グラウンドに移動しますか?それとも、獅子君のお父様のおっしゃる通り、獅子君は転校しますか?」
山羊が選択を迫る。
さて、どちらを選択する??
▶グラウンドへ移動する
▶転校する
どっちでもいいよ~~。
天秤「どっちでもいいけど、俺的にはグラウンドかなぁ?てか、獅子の後釜って、やっぱ獅子な人なんだろ?
それって、どう違いを出して行くわけ?今までの獅子と??」