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12星座もしもシリーズ39(春休み編3)

ここに、男子対女子の料理対決の火蓋が切られたのであった・・・・・?

冷蔵庫を覗いていた水瓶
水瓶「・・・・・。料理対決、簡単にね?」

ん?どういう事?と思いつつ、皆で冷蔵庫を覗く・・・。

卵1パック、豆腐、調味料類、牛乳、チーズ、レタス、キャベツ、トマト、梅干し・・・・。
天秤「ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、さつまいもは、こっちに入ってる。」
牡牛「お米、ありますぅ~。」
蠍「こっちには、薄力粉と強力粉、重曹、ドライイースト・・・片栗粉、米粉?」獅子「冷凍庫には、豚バラ薄切りと鶏もも肉、シーフードミックス」射手「こっちには乾燥ひじきとわかめ、こんぶ、削り節、海苔・・・」乙女「鯖水煮缶、ツナ缶、トマト缶」

水瓶「じゃ、俺、プリン作ろうかな?」

天秤「いや、ちょっと待て!この食材でいつまで持たせればいいのか確認しないと!」
乙女「会長に電話してみます!」
心配そうに乙女を見つめる牡牛。

乙女「あ、会長!今冷蔵庫を確認したら、食材があまりなくて。あ、はい!はい!分かりました、全員に伝えておきます。」

全員、乙女に注目する。
乙女「今晩と明日の朝は今ある食材で工面するように、との事です。明日からの事は、後で長が来てから伝える事があるそうです。」

牡牛「じゃ、今晩と朝の分の献立考えなきゃ、ですぅ!」
天秤「8人分の夕食、朝食か・・・。」

射手「とりあえず、朝何食べる?」
獅子「なんで朝食から考える?」
射手「簡単そうなコトから決めればいいじゃん!」

蠍「朝なら、ご飯とみそ汁だけでも良いかも。」
牡牛「おにぎりと、豚汁がいいかも~ですぅ!」
水瓶「それ、いいね~!」
他の皆も、肯く。

天秤「じゃぁ、朝食はおにぎりと豚汁で。じゃぁ、使う材料をまとめておこう。」

射手「夕食は、チーズタッカルビにでもしようか?鶏肉とキャベツ、さつまいもで作れるしね。」
牡牛「ちょっとしたサラダもつくれそうですぅ。」
他の皆もOKサイン。

水瓶「じゃ、俺プリン作る~。獅子、手伝って!」
獅子「おぅ!」

天秤「ホットプレートあるから、これ使えばいいか?」
蠍「めっちゃ辛いのがいい!」
乙女「私、あまり辛いのはお腹にくるから・・・><」
射手「真ん中のチーズ挟んで、辛いのと辛くないのと2種類作ろうか?」
牡牛「うんうん!それって、ありですぅ!」

そんな感じで、料理対決は今回はお流れに!

でも、奇しくも「いままで食べた事のない美味(?)」とある意味「和食最強!」な献立提案がそれぞれからなされたのであった。

晩御飯準備も終わり、そろそろ食べようか、という時に山羊が食堂に来た。

山羊「皆ごめんなさい!きちんと連絡が行き届かなくて・・・。」
天秤「まぁ、2、3日はなんとかなりそうなくらいには食材はあったしね。」

乙女「会長、まずは夕飯にしましょう!皆お腹空いてるみたいですよ?」
牡牛「ですですぅう!!」

食事も終わり、片付けと翌朝の用意も終わって、水瓶と獅子がお茶とプリンを皆に配る。

山羊「では、食べながら話を聞いてもらいますね。春休み中の食事なんですが、3日おきくらいにここに残る人で、ネットスーパーに食品の注文をしてもらいたいんです。
献立は栄養士さんに晩御飯の分だけは、作ってもらっています。
料理を誰が作るのかは、寮に残っている人達で決めて欲しいんです。」

天秤「明日の夜から寮に残る人、手を挙げてくれる?」
獅子以外の全員が挙手した。
水瓶「獅子、明日で追試終わるの?」
獅子「・・・。イヤなコト言うなよwてか、終わらせて家に帰らないと親父に殺される!」

獅子「そ、そうだ!水瓶、俺と一緒にうちに来てくれ!!!暇なのって、お前しかいないし・・。」
水瓶「やだ。」
天秤「う~~~ん、そこ、さっさと決着つけろよなw」
山羊「残念ながら、獅子君は追試終わっても宿題もかなりあるので、頑張ってね。」
獅子「が~~ん!!!」

水瓶「俺、牡牛さんの漫画の手伝いするから。獅子と一緒って無理。」
獅子「・・・・・・・・・!!!!!み、水瓶ぇ俺を見捨てないでくれ~~!!!」
獅子が肩に伸ばした手を払う水瓶。
水瓶「逝ってら~!」
獅子「うるうる・・・・。い、一生恨んでやる!!!」

牡牛「・・・水瓶君、漫画の手伝いってなんですぅ??」
思わず、牡牛の頬を両手で挟む水瓶!
牡牛「にゃにふるんれすが~~れふ~~!!!」

涙目うるうるな獅子・・・。
いきなり、頬を挟まれた牡牛も????な?

残ってるプリンを猛ダッシュで食べきり、そのまま食堂から出て行った獅子だった。

射手「とりあえず、食べ物は大切にしたんだ・・・。」
天秤「獅子、しつこそうだけど大丈夫なのか?水瓶??」
水瓶「家帰って猛勉強する間に忘れるって、俺の事なんか。」
そんな事はないというか、逆恨みされていそうだぞ?と思う天秤だった。

乙女「水瓶君、牡牛さんの頬から手を放してあげて?」
水瓶「あ・・・・ごめんね、牡牛さん・・」
と言いながらも、牡牛の頬をつかんだり放したりする水瓶・・・。
牡牛「うううう!にゃにすりゅんれすかぁ??」
水瓶「牡牛さんのほっぺ、おもちみたい~~。食べていい??」

その瞬間、山羊の鉄拳が炸裂!
山羊「まったく!君というやつは、何やってる??」
と同時に天秤が水瓶を庇って、山羊の鉄拳を躱す!
天秤『あっぶね~~、危機一髪じゃん!!!』

山羊「天秤君、避けましたね?私の渾身の愛の一撃を!!!」

火花散る山羊VS天秤!!

天秤「会長!らしくないです!冷静沈着、品行方正、完璧主義な方が、こんな奴のやらかしたコトに本気で怒るってあり得ないです!」
山羊「相変わらず、皆に良い人って思われたい?あなたの言う事はキレイごとでしかない、って知ってましたか?」
天秤「なら言わせてもらうが、皆がどう思ってるのか、どうありたいのか、会長は考えた事があるのか?」
山羊「当たり前です!皆が目指すべき頂点に導くのが、私達生徒会なんです!!」

飛び散る火花!

そして、二人のバックには銀河系が!!
遠くではビックバーンが起こっている。
あの遥か彼方は、アンドロメダ星雲??

なんで?って思ったら敗けね?このお話。


水瓶「山羊~~。牡牛さんのほっぺ、柔らかくて気持ちいいよ?一緒に触ってみよ?」
牡牛「にゃにいってりゅんれすが~~」
真っ赤な顔して怒ってる牡牛!でも、なんとなく目は笑っている??

そして、そんな事が起こっていても動じない人達も・・・。
射手「水瓶、プリン、美味しかった~~!めっちゃ滑らかだったし、キャラメルソースも良い感じ!」
蠍「これ、レシピ知りたい!蟹ちゃんに教えて皆で一緒に作りたい!」
乙女「牡牛さんのほっぺ、確かに私も食べたくなります^^」

水瓶も、牡牛の頬から手を離す。
水瓶「山羊、やりすぎ。」
牡牛「会長、私達も信用して欲しいですぅ~~!」

山羊「そ、そうね・・・」
急にじっと考え込んでいるような山羊だった。


夕食も終わり、それぞれ部屋に戻って行くなか、山羊は食堂で一人考えていた。

水瓶「山羊・・・。」
山羊の向いに座る水瓶。

顔を上げ水瓶をみつめる山羊。
水瓶「山羊、1人で頑張りすぎ。」
山羊「・・・・。ったく!誰のせいか分かってる?」
水瓶「獅子のせい??」

山羊「天秤君にお礼言ったほうがいいかも?」
水瓶「ほぇ?なんで??」

水瓶の頬を思わずつねってしまう、山羊だった・・・。
山羊『君とは一生意思疎通出来ない、ってしか思えない・・・・。』
牡牛と違って、水瓶のほっぺは硬くてつねっている山羊の指が痛くなってきた・・・。


水瓶「で、今日から牡牛さんの漫画の手伝い!ペンタブ持ってきた。」

ここは、食堂。

牡牛と乙女が漫画原稿の書き込みをしていた。
水瓶「ん?紙なん?」
牡牛「私は、紙に描いている感覚が好きなんですぅ!てか、水瓶君、なんで漫画の事知ってるんですぅ?」
水瓶「双子情報。」
乙女「ですよねぇ。まぁ、イロイロ双子君にはばれているようですし。」

烏口で枠線を引いている乙女。

水瓶「え??乙女さんの持ってるペン?ってナニ??」
乙女「これは、烏口(からすぐち)と言って・・・。」
水瓶「え?これ何?」
牡牛「雲形定規」

水瓶「これとこれとこれ・・・・」
乙女「溝引き定規、ガラス棒、テンプレート、ホワイト・・・・・」
水瓶「おぉぉぉ!!!すげぇ!筆でこんなん細い線かけるん?」
始めてみる道具に、めっちゃ興奮気味の水瓶!

水瓶「これ、使ってみたい!」

しばらくは、熱心に烏口やらガラス棒と溝引き定規を使って線を書いたりしていた水瓶。

水瓶「これ、めっちゃ難しぃ!」
乙女「烏口はポスターカラーなんかも使えるから、意外と低コストでカラーイラストなんかにも使えるの。」
水瓶「この、ベタ上のホワイト線がそうなん?」

などと、最初は物珍しさでわやわやしていた水瓶だったが・・・。

水瓶「この道具を使いこなせなきゃ、なんて難易度高杉w」
牡牛「じゃ、水瓶君はけしごむかけをお願いですぅ。」
水瓶「ん、分かった。」

けしけしけしけし・・・・・。

水瓶「つ、疲れる~~~!!!」
乙女「水瓶君、吹き出しの中、ゴムかけしちゃだめですw」
水瓶「!ご、ごめん!ネーム見せてもらえる?」

ネームとは、漫画における設計図みたいなもの。
ここがきちんと出来てないと、いい作品は出来ない!と言っても過言じゃないかも?

牡牛「気を付けてくださいですぅ!」
と、いいながらネームを水瓶に渡す牡牛。

もらったネームをぱらぱらとめくり、消した箇所を探す水瓶。

何回か、ネームを読み直しているようだ。

牡牛「ん?消したとこ、見つけれないですかぁ?」

水瓶「んん・・・この漫画、あんま面白くないかも?」

水瓶の発言に、固まる牡牛と乙女だった・・・・。

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