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12星座もしもシリーズ30(蟹、雪山暴走編)
双子「ひゃっほ~~~!!」
器用にスノボを操る双子。
大技はやらないものの、ちょいちょい細かな技を入れつつキレイな走りに徹している。
ギャラリー達からは驚嘆の声!
モブその他「すげぇ!あれってただの高校生?動画取っちゃってもいいんかな?」
天秤「さーて、さらっと滑りますか!」
対する天秤は得意のスキーで華麗な滑りを披露中。
モブ女性多数「きゃ~~!天秤君カッコいい!!」
と、女の子たちの奇声を浴びてすっかりいい気分の天秤だった。
そんな二人を遠目に見ながら、スノボ練習中の蠍と魚。
蠍は射手に、魚は牡羊にそれぞれマンツーマン指導を受けていた。
蠍は射手にスノボを教えてもらいながらも、双子と天秤が滑っている斜面の賑やかさに気を取られていた。
射手も気になっていたようで。
射手「おぉ~~、あいつら目立ってんなぁ!!」
蠍「うわぁ、あれってめっちゃすごい技なんじゃないの?」
射手「てか、蠍ちゃん初めてって割には結構滑れてるね!」
蠍「そうかな?スキーよりはバランスのとり方が難しいよね。」
なんて言いつつも、魚ちゃんの事が気になる蠍だった。
魚は牡羊と一緒にスノボ初挑戦。
でも、スケート程にはなかなか上手くいかず・・・。
魚「んん~~、これ両足一緒って怖いかもw」
牡羊「大丈夫!何かあっても俺が命がけで守るから!」
まぁ、本当に守ってくれそうなので、ひとまず安心して滑れる魚だった。
歩いて登れる場所でバランスとる練習している程度なら、大丈夫でしょう、たぶん。
スキー旅行の数日前。
蠍の部屋にやってきた魚。
蠍「いらっしゃ~い!どしたの?急に?」
魚「蠍ちゃ~~ん!!!!」
いきなり蠍にしがみつく魚。
蠍「んん?なにかあった?」
魚「私、牡羊君とお付き合いする事になったっぽい。」
魚に細かな事を聞く蠍。
けど、全く状況は分からず仕舞い。
まぁ、ぶっちゃけ牡羊が魚に告白した場所に蟹がいて「とりあえず付き合ってみようよ!」的な方向で強引にまとめられた、らしい・・・。
蠍「牡羊君って、顔はおいておいても、スポーツ系部活の助っ人で活躍してるし、女子からの人気もあるし悪い奴じゃないと思うよ?」
魚「うん、それは知ってる。顔はともかくとして、まっすぐないい奴だとは思う・・・。」
魚「てかさぁ、蠍ちゃん、射手君とイイ感じなの?」
蠍「ないない!!射手君、顔は別にすれば、手足も長くて10頭身でスタイルいいけど、チャラいじゃん!誰にでもフレンドリー!って私的には無理!」
君たち、要は「顔が好みじゃない」て事っすか?
一応、牡羊と射手は不細工ではありません、とだけ言っておこう!
獅子と蟹は山頂目指してゴンドラに乗っている。
獅子の隣には蟹が座ってピタピタと獅子に体を寄せている。(まぁ、スキーウェア越しだけど)
蟹「獅子くん、お茶あるよ~?滑って汗かくまえに水分補給していたほうが良いんじゃない?」
獅子「あ、うん・・・・。ありがとう。」
対面に座っているのは、山羊だった。
山羊『何故に私、ここにいるの??うう~~。さすがの私にも、この状況は耐えきれない!乙女さんも牡牛さんもどうして二人とも、水瓶君とソリするって言い出したの??単独行動はさせられないから私がソリにつきあう、と言ったら二人してソリにするなんて言い出して・・・。』なんて事を考えながら、ゴンドラから下を眺めている山羊だった。
丁度山羊達の乗っているゴンドラの真下に、乙女、牡牛、水瓶の三人がいた。
水瓶「やっぱ、ボブスレーは重心が後ろにないと、だから牡牛さんが最後尾が良・・・」
牡牛のパンチが水瓶のボディに!
水瓶「へぶしっ!」
そのまま雪にぶっ倒れる水瓶。
牡牛「重い言うな!!!!てか、ボブスレーちゃう!!ただの、ソリ!」
いつものおっとり口調がすっかり消えている牡牛。
そんな二人を見て、怪訝な顔をする乙女だった。
乙女『なんか、牡牛さんと水瓶君、すごく仲が良いのよね・・・。なんかボケと突っ込みみたいな?息があってるというか・・・。なんか、見ててモヤモヤする・・・。』
ゴンドラから、そんな様子を見ていた山羊。
山羊『なんだか、楽しそう・・・。スキー旅行に行かないって水瓶君がゴネるから、なんとか説き伏せてソリでも大丈夫にしたのだけれど・・・・。こんな事なら私もソリにすれば良かったかも・・・・。』
そんな山羊を向かい側から見ていた蟹。
蟹『ちっ、なんで会長一緒に来ちゃったの?
少しは気を利かせろよ、ぼぉけ!・・・・って、もしかして獅子君がバレンタインからそっけない感じするのって、ひょっとして会長が原因?てか、て蠍ちゃの占いのライバルって、会長?!
あ~~~、あるかも!
そういう事?だから、私がオカヒロ研作ろうとしたときも、立ちふさがったのね!!!
ふふふふ・・・・。
いい度胸だ、このあたしにケンカを売る気かい?ちくしょう!燃えて来たぜ!!!』
メラメラと闘志の炎を燃やす蟹!
獅子「な、なんか、暑くない?」
双子「うは~~。天気もいいし!きっもちいぃ~~!とはいえ、そろそろ休憩すっか~!」
双子「お~~い、天秤、そろそろ休憩取ろうぜ!」
天秤「そうだな、他の皆もそろそろ休憩取るみたいだし、休憩所に行こうか?」
双子と天秤が休憩室に入ると、それぞれのチームで親交が深まったのか、皆楽しそうに話しをしているようだった。
魚が今にも飛び跳ねそうな勢いで、牡羊と話している。
魚「私も牡羊君みたいに、スピン入れて滑れるようになりたい~!」
牡羊「てか、初めてやって1時間でジャンプとか横滑りとか出来るって半端ないって!」
牡羊は、魚が喜んでくれてるのを見て自分の事以上に楽しく感じてた。
お礼もかねて射手の分の飲み物を買う蠍。
蠍「射手君、ありがと!それなりには滑れて楽しい♪」
射手「スキーはとことんやってたんだよね?体幹きっちりしてるから、こういうバランス使うスポーツでも応用力あるんだよ。」
蠍「またまた~!スキーだって上手いわけじゃなかったし。」『普通の女子だと、顔はともかくとして、こんな事言われたらグラッときちゃうんだろーな―(笑)』
4人掛けのテーブルについていた乙女と牡牛のところに3人分のカップを持ってきた水瓶。
水瓶「おしるこで良かった?勝手に買って来たけど・・・」
乙女「わ~、ありがとう!温まるよね、おしるこ!」
牡牛「い・・・・いらないですぅ・・・・!!お、重たくなるもの・・・。」
ちょっと、ふてくされ気味に下を向いている牡牛。
水瓶「・・・・・。月ってさ地球の重力の6分の1なんだよね。だから、月に行くと体重、今の6分の1だよ?ダイエットするなら、月に行くといいんじゃね?てか、そんな不確かなものってどうでも良くね?」
牡牛「それって・・・・、なぐさめる方向が違いますぅ!!!」
と言いながら、おしるこを爆食いしてる牡牛。
牡牛「く、悔しいけど美味しいですぅ!」
水瓶「ぷぷっ・・・!」
なんとなく暖かな目で牡牛を見ているような水瓶に、心がゆらぐ乙女だった。
乙女『いや、ダイエットするよか月行く方が難しいってw』
やっと、ゴンドラを降りた山羊、蟹、獅子の三人。
スキーを履きながら
蟹「じゃ、会長、私達二人で滑りますから!!行こう!獅子君!」
獅子「あ、ああ・・・」
颯爽と滑り出す蟹。
それを追うように滑り出す獅子。
山羊「ふぅ・・・。つかず離れずな位置で滑りますか。なんだか宣戦布告されたような感じだけど・・・。気のせい・・・?」
山頂は雲に覆われはじめ風が強くなって来ていた。
先ほどまで見えていた太陽もすっかり見えなくなってきている。
山頂にあった気温計はマイナス20度と表示されていた。
山の天気は変わりやすい。
またかなりの低気温などの影響でスマホが使えない場合も多々あるため、トランシーバーも用意している。
山羊「こちら、山羊。
山頂、天候下り坂。状況次第で撤収あり。
ゴンドラ、リフトの使用禁止。
ふもとで待機。1号機より順次応答。
どうぞ!」
天秤「1号休憩所にて待機中。2、3号同じく待機中。4号応答どうぞ!」
1号は天秤、双子グループ。
2号は牡羊、魚、射手、蠍グループ。
3号は乙女、牡牛、水瓶グループ。
4号は蟹、獅子グループだった。
本来なら、蟹、獅子、山羊グループだったのだが万が一のために、蟹にもトランシーバーを持たせたのだった。
山羊「4号、応答願います。どうぞ!」
山羊が連絡を取っているうちに、風が強まりホワイトアウト状態になりつつあった。
ゴンドラで降りるしかないか、と山羊は思ったが、4号から一向に連絡が入らない。
スマホにかけても圏外で繋がらない。
LUINで発信しても、連絡はない。
どうする?山羊!
このまま、ホワイトアウトの雪山を蟹と獅子を探しに行く?
それとも、一旦引き返す?
今なら左程、蟹達と距離は離れていないハズ。
正解はどっちだ?!!!