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12星座もしもシリーズ32(蟹、雪山暴走編2)

ホワイトアウトの中、蟹と獅子を探しに行こうかと迷う山羊。
と、その時!

スキー場係員「おーい!そこの人!トランシーバー、ゴンドラの中に忘れてますよ!この天気ですし、一旦下に戻ってください!」

慌ててゴンドラに戻りトランシーバーを回収する山羊。
山羊『これ、失くしたら保証金高いのに!!まったく、蟹さんってば・・・』「下に戻ります!」
スキー場職員「了解です。」

ゴンドラで降りながら獅子達が居ないかと探す山羊だったが、ゴンドラ中腹地点まではホワイトアウト状態でほとんど外は見えない状態だった。

山羊「こちら、山羊。ゴンドラで下山中。4号から連絡ありしだい、こちらに連絡よろ。どうぞ!」
天秤「了解!こちら、天候荒れておらず、リフト、ゴンドラ使わぬ範囲で滑ります。どうぞ」
山羊「了解です。無理をしない範囲で楽しんでください、どうぞ」

休憩所では、それぞれが不安な様子で応答を待っている。
牡牛「会長、ゴンドラで戻って来ますよねぇ?」
乙女「会長なら大丈夫でしょう。問題は獅子君と蟹さんです・・・。」
水瓶「獅子だったら大丈夫じゃね?てか、戻って来ないと俺が困る。」

魚「蟹ちゃん・・。大丈夫かなぁ???」
蠍「蟹ちゃんなら、獅子君を無事に返す事を大事にするだろうから、最善策取ると思う!きっと大丈夫だって!」

牡羊「射手!俺ら、救出作業手伝いに行ったほうがいいんじゃね?」
射手「待てよ。素人がむやみに行っても迷惑かけるだけだろ!」

皆、混乱している状態だった。
天秤「皆、冷静になってくれ!!ここで騒いでても意味ない。今の俺たちに出来る事は信じて待つ事しかない!」
双子「この悪天候は一時的らしいから、心配なさそうだよ?」
射手「まぁ、獅子なら安全策取るだろうし。蟹さんに振り回されなきゃ、ではあるけど。」


山羊を置いてさっさと滑り出した蟹だったが。
蟹「っ・・・」
準備運動もままならぬ状態で滑り出したためか、ふくらはぎに猛烈な痛みが走った。
蟹は、実はトランシーバーの連絡をうざく思ってゴンドラに放置したのだった。
まさか、この位置でスマホが通じない、とは考えもしなかったのだ・・・。

山の状態もホワイトアウトになっていた。

一旦、滑るのを止めた二人。

獅子「どした?足、いった?」
蟹「ごめんなさい・・・・・。」
獅子「蟹さん、俺さ、あまり言いたくなかったから避けてたんだけど、蟹さんて何事も突発的すぎるよね?」
とか言いながら、蟹の脚の様子を見る獅子。

突然の獅子の言い分に、どう返せばいいのか迷う蟹。
獅子「行動力あるのすごいけど、やりすぎって思う事もある。」
蟹に負担のないように、風向きを気にしながら蟹が風を受けないように囲むようにしている獅子。
獅子「ホワイトアウト状態、抜けたら山頂に戻ろう。もし歩けないなら、俺、蟹さんを背負うから安心してくれ。」

蟹「・・・・・・。」
蟹「獅子君、こんな時にって思うかもだけど。好きです・・・・あなたの事が。」
獅子「・・・・・・。なんか、今聞くと悪いフラグ立ってるっぽいし。下に降りたらもう一度考えてほしい。」『え????ええええええ???なにそれ?てか、俺、かっこつけたけど・・・・でも・・・蟹さんの気持ち、受け止めれないかも・・・?そ、そうだ!』
「てか、俺、気になってる人いる。」(これにしておこう!)

蟹「・・・やっぱり?」
獅子「え?てか、俺自身も今蟹さんに告白されて気が付いたんだけど?」(思いついた?)
蟹「ふふ!でも、負けないから!!」

獅子「お、少しだけ視界が広がって来たな。この間に上に行こう!」
蟹「なんとか歩けるから、大丈夫!行きましょうか!」

山羊に引き続き、無事戻って来た蟹と獅子。
蠍、魚「蟹ちゃ~~~ん!!!!よかったぁぁ!!」
蟹にしがみつく二人!
蟹「心配かけてごめん!!」

牡羊、射手「お帰り!」
獅子「迷惑かけてごめんw」
水瓶「無事で良かった~!で、俺ボブスレーやって、体中痛いからマッサージして!」
獅子「おぅ!!」
いきなり水瓶をうつぶせにし、容赦なく整体し始めた獅子。
ぼきぼきぼき!!!
水瓶「!!!!」

天秤「相変わらずバカだよな・・・・余計な事言って・・・。」(獅子に壊される前に、早く改造人間にしてやらないと!)
牡牛「でも、痛いのが癖になっちゃってるのかも、ですぅ!」(ちょっとドキドキ!って、それってアブナイですぅ!)

蟹『獅子君、疲れてるのに水瓶なんかをマッサージしてあげるって、さすが!(ポッ)』

乙女『水瓶君、どうも気の使い方が斜め45°?いや、44°58″??な微妙な角度?というか、そもそも気をつかっているかどうかさえ不確定すぎ!なによこれ!もやもやする!!!きっちりしてーーー!』

山羊「今日は、少し予定を繰り上げて温泉に浸かってから、借りているコテージに行きましょう。」
全員「了解!」


コテージにもお風呂はついているのだけれど、せっかくなので、近くの温泉を使う計画を立てていた山羊。

温泉はいいね!
お風呂につかると、リラックスして本音も言いやすい?かも(笑)
露天風呂につかりながら、やっと一息ついた生徒会3人。

乙女「会長、お疲れ様です!てか、今日は全然滑れなくて残念でしたね。明日は、私も牡牛さんもスキーしますね。」
山羊「え?でもそうなると水瓶君が一人になってしまうでしょ?」
牡牛「あいつは一人でも大丈夫ですぅ。ぼっちが好きなんですよぉ!」

山羊「そういうわけにもいかないわ。じゃ、やっぱり私が水瓶君と一緒にいるんで、二人はスキーにしてもらえる?単独行動はさせないようにしてるから。」

牡牛「お、乙女さんが水瓶君と一緒にソリやってくれるですぅ・・・・。私、会長にスキーを教わりたいですぅ!」

細かな所は理解できなかったが、牡牛が自分のスキな人達を大切にしている、というのはなんとなく伝わった山羊だった。
山羊「牡牛さんがそう言ってますが、乙女さんは水瓶君とソリ滑りでも良いのですか?」
乙女「わ、私は全然構いません!」
牡牛「誰も、変な噂とか立てませんよぉ!乙女さんってば、考えすぎですぅ!!」

山羊『牡牛さん、もしかして乙女さんと水瓶君が二人きりだと、変な噂が立つかも?と思って、自分もソリチームに参加したの?
わ、私とした事が、そんな事にも気が付かなかっただなんて!!
でも、潔癖症の乙女さんと薄汚い水瓶君になにかあると思う人なんていないような・・・?』

乙女『んん??変な噂がたつ?牡牛さんが思っているような恋!的噂は立たつ要素が皆無。・・・・。だって、山羊会長に匹敵する完全無敵無双な私と、ゴミムシみたいな水瓶君って誰も結びつかないのでは?』

ゴミムシて・・・乙女さん、時々さらっと辛辣な事言うよね?
で、なんでそんなゴミムシ君が気になるん?


魚「蟹ちゃん、ホント心配したんだからね!」
蟹「まじ、ごめん!ちょっと、熱くなっちゃって暴走しちゃった・・・」
蠍「結果、ホワイトアウトと言ってもすぐに晴れちゃったしね。でも、無理しないで戻って来てくれたから、良かった!・・・て、蟹ちゃん?どうしたの?」

お風呂に深く浸かりながら、ぽろぽろ涙を流し始めた蟹。
蠍「ふふ、明日はみんなで一緒に滑りましょう!」
魚「私の華麗な滑りを披露しちゃうんだから!」
コクコクと肯く事しか出来ない蟹だった・・・。


天秤「水瓶、明日はスキーな。」
水瓶「担げばいいの?」
双子「なんでそんなに滑るのイヤなん?」

水瓶「べ、別に・・・滑れるんだよ、スキーもスノボも!」
双子「でも、嫌なんじゃん?なんで?」


水瓶「・・・・・・・。・・・・だから・・・・ぼそぼそ・・・・」
天秤「もしかして、人が多いところがイヤとかか?」
双子「なら、少し人が少ない所でやろうぜ?」

水瓶「うぅぅ・・・・。」
双子「!!!分かった!お前、牡牛さんの事好きなんだな?だから一緒にいたくて?!」
天秤「え?そうなのか?水瓶は俺のもんだぞ?(悪の手下1号なんだから!)何、女になんかうつつ抜かしてんだ?」


獅子「ちょっと待った!!!」

牡羊「お、なんか始まった?」ウキウキ!
射手「なんだか面白くなって来たっぽい(笑)」ワクワク!

獅子「俺が水瓶の面倒みてやるよ!てか、お前からの告白への、これが俺の気持ちだ!受け取れ!」


その瞬間、気づいてしまった天秤と双子だった。
『バレンタインチョコと一緒にとんでもカードが、獅子の所に行ってしまってたんだな・・・。てか、そんなの真に受けるなよ・・・獅子!でも、なんて書いてあったんだろ?』


「ずっと憧れていました!付き合ってください!」

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