12星座もしもシリーズ38(春休み編2)
水瓶「先生ってめっちゃ可愛いよね?」
百合子「・・・・・。大人をおちょくらない!!!」
と、水瓶のおでこを人差し指で突く百合子。
生徒の言う事にいちいち動揺してはいかん!
しっかりしろ!百合子!!!
追試試験を受けながらも水瓶の事が気になる獅子だった。
獅子『あいつ、なんで百合子先生と補習?百合子先生って、女子の体育教師じゃん??』
丁度窓から見えるグランドでは、水瓶と百合子先生がストレッチをしている姿が見える。
獅子には仲良くやっているように見えていた。
水瓶「おちょくる?てか、そのウェア上ポケットの刺繍って猫だよね?それ、めっちゃ可愛いってぇ~~!」
百合子「お・・・、気が付いたか?これって「ネコステ アクエリアンデザイン」ていう限定商品なのさ!」
う~~む、私のコトじゃなかったのか、可愛いって・・・・。って、なんでがっかりしてるんだ、私?
水瓶「うわ~~~!!!やっぱりだ!それ、ネットで即売しちゃったやつだよね?俺も頑張ったのに手に入れられなかったんだ~~~!」
百合子「たまたま友人からもらったんだが、このウェアって、そんなのだったんだ?」
猫刺繍をじっと見る水瓶。
水瓶「いいな~~!てか、友人ってかれし~?」
百合子「まったく、きみは~!!言ってるそばから、またおちょくるのか?」
開脚前屈中の水瓶の背中に思いっきり体重をかける百合子。
水瓶「い、いたいいたいいたい~~~~!!先生やめて!!!!」
百合子「てか、体、硬いなw。指すら地面に届いてないぞ・・・。」
試験に集中しなくては、と思いながらもついついグランドを見てしまう獅子。
獅子『羨ましい!!体育の補習ならいくらでも受けてやるのに!!なんで、水瓶ばっかいい思いしてんだ?』
獅子君、体育が好きな人はそもそも補習なんてことにならないと思うよ?
かれし発言に思わず切れてしまったが、なんとか冷静さを取り戻し、水瓶を離した百合子。
さすがの水瓶も、聞いちゃまずい事聞いてしまったんだ!と気が付いた・・・。
水瓶「え、えっと~~先生、後でスマホで猫刺繍、写真撮らせてもらってもいい?」
百合子「ちゃんと今日の分のカリキュラムこなしたら、な?」
百合子「君、毎朝獅子君達と走っているんだって?」
水瓶「ぁい??」
百合子「前に比べたら、大分真っ直ぐ前を見れる姿勢になって来たな!
徐々にだけれど、筋力もついてきたしコアもしっかりしてきたみたいだな?」
水瓶「えぇぇ???俺みたいななんの取柄もなく目立たなくて自分の受け持ちでもない生徒まで、百合子先生ってみてるんだ?すごいね!」
ゆっくりストレッチをしながら会話する二人。
百合子「君は自分がなんの取柄もないとか、目立たないとか思ってるんだ?」
水瓶「俺、客観視というか俯瞰的視点あるから、ちゃんと自分、切り離して物事みてる。」
百合子『いや、君って自分の事が分かっていない?君の当たり前は、周りの人には当たり前じゃないんだけどなぁ』
試験終了、留学生講座が終わった教室外のドア。
水瓶が、獅子の試験が終わって教室から出るのを待っていた。
留学組が出て行く。
天秤「ん?お前どした?俺を待ってたとか?」
水瓶「ちゃう!(違う)」
天秤「用事終わったら生徒会室に直行な。そろそろ双子が飽きる頃だろし。」
水瓶「んん。??」
射手と蠍も一緒に和気藹々と会話をしながら教室を出て行く。
最期に出て来たのは、獅子だった。
水瓶が戸口に立って居る。
獅子「・・・。どした?」
水瓶「試験、どうだった?」
獅子「う・・・・・。『お前と百合子先生がいちゃいちゃしてるから気が散って試験どころじゃなかった!と言いたいが・・・』」
返事に詰まっている獅子を見て、可哀そうな子的な目で獅子を見る水瓶。
水瓶「生徒会行かなきゃだから、終わったら部屋行く。勉強しよ。」
獅子「あぁ・・・。」
猛ダッシュで、寮の自室に戻る獅子。
獅子『俺って、なにやってんだろ?・・・・てか、なんで水瓶と百合子先生がいちゃいちゃしてるだけで、こんなに心が揺らぐんだ???』
天秤「双子~~、大丈夫かぁ?」
生徒会のドアを開けながら双子に声をかける天秤。
双子「ふふふふふぅほうわぅふうふうふ!!!!!!!!!!」
高らかな笑い声?を上げる双子。
乙女「天秤君!!良いところに来てくれたわ!!!なんだか、少し前から双子君の様子が変で!」
牡牛「こ、怖いですぅ!!」
天秤「乙女さん、牡牛さん、大丈夫だから!ここは俺に任せて、部屋から出てもらってもいいかな?」
乙女、牡牛「了解です!」
乙女と牡牛が生徒会室から出て行く。
天秤「双子~!頑張ったな!もう終わっていから!」
双子「へろへろ!!!て、てんびん・・・??」
天秤「退屈過ぎて壊れた?」
生徒会室前でうろたえている乙女と牡牛。
そこに水瓶が・・・。
水瓶「乙女と牡牛、部屋の外でどったの?」
乙女、牡牛「ふ、双子君が壊れた、みたいな?」
水瓶「ありゃ~~~」
生徒会室のドアを思いっきり開ける水瓶。
と、そこには、天秤にしがみついていて訳の分からない事を猛烈な早口でまくしたてている双子がいた。
思わず見つめてしまう、乙女と牡牛。
双子「だからおれはきのうのかれーはいつものおばちゃんのかれーとはちがっていてびみょうだったんだけどほかの人がだれもひていせずにたべてしまうのにぎもんをもったのだけれどでもそんなことはだれもきにもかけずでもおれてきにはそんなんあたりまえじゃんていうのがあって・・・・・」
双子「ぷっは~~!」
息もつかない早口で喋ったせいで、若干酸欠気味の双子だった。
水瓶「もう、生徒会の作業終わった?」
双子「俺様にかかれば、こんなん作業なんざ、ちょろいぜ!」
天秤「ちょろいのはいいケド、珍しく無口だったんだ?」
双子「いや、さすがの俺でも乙女さんと牡牛さんとする会話がなかった・・・・。『下手なコト言うと乙女さんの猛烈な反論にあって、二度と立ち上がれないヨカンもあった・・・』」
水瓶「山羊は~?」
乙女「先生達と決める事があるとかで、職員室に。」
牡牛「ここの作業終わったら、寮に戻っていいらしいですぅ。」
天秤「わ、分かったよ、双子!!帰っても良し!!」
水瓶「双子って、俺よかバカだよね~~(笑)」
双子、水瓶をにらみつける事数秒・・・・・。
双子「お前にバカって言われたくないわw」
火花散る?って事もなく・・・。
水瓶「そう?」
天秤「なら、寮に戻ろうか?」
双子「俺、仕事済んだなら家に帰るわ。この時間なら、バスも間に合いそうだし。」
水瓶「なら、新学期まで、またな?」
天秤「だな。また、新よろ~!」
双子「まぁ、気分転換!っとイロイロ情報仕入れてくるから~~!!」
天秤「・・・・。牡羊みたいにお前の好奇心を満たしてくれる彼女でもつくれよw俺、水瓶だけでもタルいのにお前まで関わるの、勘弁な!」
水瓶「え?二人って付き合ってるんじゃないの?」
双子、天秤「ないないないない!!!!」
へぇ。。。。てか、付き合うってなんだろ???と思う水瓶だった。
それぞれ寮に戻り、双子は帰省準備も整い出身市へと戻って行った。
天秤「自分の時間を有効に使わなきゃ、だ。」
とばかりに必死に勉強を始めた天秤。
水瓶「獅子~~~。今いい?」
獅子の部屋の外から声をかける水瓶。
獅子「お、おおお、入って来ても大丈夫だ!」
水瓶が部屋に来るというので、少しだけきれいにしたつもりの獅子・・・。
水瓶は壁に並べられたコレクションに興味を持ったようだった。
コレクションと言っても、フィギュアと改造プラモがメインだったりもする。
水瓶が、そんな物に興味を持つとは思ってもいなかった獅子。
水瓶「きょにゅーー好きなん?」
なななな!!顔が火照るのを感じる獅子・・・・。
獅子「だ、だって柔らかくて気持ちいいーーーじゃん?」
水瓶「そなの?俺的には、肉球の方がいいけど~。そういや、百合子先生って胸なくて、ゴリゴリして痛かった。」
獅子「肉球かぁ!俺も肉球は好きだな。って、胸、ゴリゴリって・・・・。」思わず妄想してしまう獅子・・・。
水瓶「じゃ、数学と理系とどっちからやる?てか、それしか教えれないけど~。」」
獅子が思っていたよりも、ずっと丁寧で分かりやすく教えてくれた水瓶だった。
獅子「おぉぉ!この問題、そんなん簡単に解けたんだ?」
水瓶「獅子、基礎的なコトは出来てるから、すぐに出来てスゴイよ?」
ドンドン!!
射手「お~~~い、獅子いるか??」
射手がドアをノックする音がする。
獅子「あ、あぁいるけど、どうした?」
ドアを開ける獅子。
射手「あ、水瓶いたんだ?」
水瓶「んん。」
射手「春休みの間、寮のおばちゃんいないから、居残り組でご飯作らなきゃ、なんだよ。知ってた?」
獅子「初耳だわw」
水瓶「俺、デザート作る~~!」
射手「風呂も使い終わったら各自で掃除なんだって!」
獅子「うわぁ、さっさと入って風呂掃除して、ご飯作らにゃ、だなw」
というわけで、さっさと風呂入って掃除して・・・・。
寮の台所に来た3人だった。
水瓶「天秤がいない・・・。」
射手「あ!!!忘れてた!」
獅子「おいおい・・・・。忘れてたなんて恨まれそうだぞ?」
水瓶「俺、天秤呼んで来る~。」
天秤の部屋のドアを叩く水瓶。
水瓶『まぁ、多分ヘッドホンとかイヤホンとかして音声学習してんだろーなー。
仕方ないから、警報音でも鳴らしてやろっと。』
自分のスマホの警報音を最大ボリュームで鳴らす水瓶。
天秤「え???なになに??」
慌てて自室から出て来る天秤。
天秤「・・・?て、水瓶?」
水瓶「晩メシ作り!」
天秤「お??だっけ??」
射手「おぉ、天秤、来た来た!」
天秤「水瓶の話じゃわけわからんw俺たちで晩メシつくらにゃいかんって事?」
獅子「そういう事だな。」
乙女「あ!男子はもう集まってたんですね!」
牡牛「ったくぅ~食いしん坊さんが多いんですねぇ~~。」←君が一番、食いしん坊さんだよw
蠍「ごめんなさい!遅れてしまって!!」
水瓶「山羊は?」
乙女「会長は、まだ先生達と打ち合わせがあって、遅れるそうです。」
射手「どうせなら、今日の晩御飯は男女対抗戦にしない?」
蠍「対抗戦??」
射手「それぞれ料理を作って、どちらが美味しいか競い合うって、面白そうじゃん?」
乙女「誰が判定するんですか?」
水瓶「俺と山羊がやろうか?」
天秤「そんな競争しなくても!皆で分担して作ればいいんじゃないの?」
牡牛「美味しい物なら、私、絶対の自信ありますぅ!!!!」
獅子「うまそうな物なら俺も作れる自信ある!」
射手「俺たち男子組は、いままで食べた事のない超絶美味なものを作るぜ!!!」
乙女「ふふん!!!ならば受けて立ちましょう!!!私達女子組は、和食最強!的な料理を作りあげましょうか!!!!」
そして、ここに男女対抗、美食合戦の火ぶたが切られたのであった!!!!