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もしものもしも~牡羊がシンデレラだったら1~

新学期が始まっても、さすがの牡羊も魚とどう接して行けば良いのか分からなくなっていた。

牡羊『魚ちゃんを好きって気持ちだけじゃ、ダメなのかなぁ?』

オカヒロ研の部活からも自然と足が遠のいていて、他の運動部の練習に交じらせてもらっている。
体を動かせば大抵の事はなんとかなるさ、と思えるのに何故か心は晴れてくれない。

今日飛び入りで参加させてもらったサッカー部部員たちからは

サッカー部モブ1「牡羊~~!お前、サッカー部入ってくれよ!」
モブ2「お前のその身体能力使わずしてどうする?!」
てな感じで、猛烈なお誘いも受けていて、このまま流されてサッカー部に入るのもいいかな、なんて思えてしまっていた。

サッカー部の練習も終わり、汗を拭きながら寮へと戻る牡羊。

と、寮へと向かう廊下にたたずむ影。

蟹「牡羊君、ちょっといいかな?」

どうやら、牡羊がサッカー練習を終えて寮に戻るのを待っていたら感じだった。
牡羊「あ・・・、蟹さん・・・・、なに?」

蟹「私も反省してます!あなたと魚ちゃんを強引に付き合わせたコト。魚ちゃんから、牡羊君の家での出来事も聞きました。」
牡羊「あ、うん・・・・。なんというか・・・。」
いつになく歯切れの悪い牡羊。

蟹「牡羊君、魚ちゃんの気持ち考えた事あるかな?自分の気持ちだけで、突っ走ってない?」
牡羊「俺は、俺なりに魚ちゃんを大切に思っている!!今回の事は、さすがに先走りすぎたとは反省しているが、蟹ちゃんにとやかく言われる事じゃないと思う!!!」

なんだかんだで、負けず嫌いの牡羊。
黙って蟹のいう事を受け入れるハズも無く・・・。

対して蟹も、守るべきものに対しては、譲る事を良しとしなかった!

火花散らす牡羊と蟹!!!!
蟹「牡羊!!!覚悟!!!!!!」
牡羊「蟹~~!!!受けて立つぜ!!!!」

両手を組合う両者。
ほぼ互角とも言える戦いの火蓋が切って落とされた!

と、そこに

魚「蟹ちゃ~~ん!あれ?牡羊君と一緒にナニしてるの??」

蟹「ええええ???」
牡羊「う、魚ちゃん?????」

思わず牡羊と蟹の力が抜ける。

ゴン!!!!!!!!!!!!!!!!!!

途端に二人の頭がぶつかった。
蟹「いって~~~!なんだ?こいつめっちゃ頭硬いし!!!」
牡羊「うっ!俺の石頭に対抗できるとは、何物だ蟹!!!!」

そしてそのまま倒れる二人。
魚「か、蟹ちゃん???牡羊君??どうしたの?二人とも!!!!」
二人に触って揺すろうとしたが思いとどまる魚。

魚「こ、こんな時は下手に触らず救急車よね???」

牡羊「っいてぇって!!!」

牡羊が目を覚ました場所は、薄暗いじめじめした場所だった。
牡羊「???なんだ?どこだ?ここ」

遠くで声がする。
姉1「ったくあのシンデレラって使えない奴!」
姉2「私達がこんなに困っているのにぃ!」

姉1「お母さまぁ!なんであんなの、ここに置いているんですかぁ??」
継母「あら、なにを言ってるの?タダで働かせれるのよ?使用人を使ったら無駄なお金が出て行くけれど、あの子は残飯だけでこの屋敷一切を整えてくれるのよ?これほどお得な物はないでしょ?」
姉2「さすがお母さま!!!その節約術、身に付けて行きますわ!」

どうやら、俺は・・・・・。
牡羊「なんか、邪魔くせぇ感じの物があると思ったら・・・・」
両手で自分のバストを持ち上げる。
ドレスもめくりあげ・・・

牡羊「そ、そっか・・・。見てごめんなさい・・・・」
と、少し赤ら顔の牡羊だった。
牡羊「なんか分からんが、あの嫌味―――な奴らを退治すればいいんだな?」←誰が言った?私じゃないぞ??

まぁ、あったま来るけど、むかつくやつらをやつける使命を帯びた牡羊は、それなりどころかそれ以上の成果を上げるのだった。

牡羊「ったくよぉ!!!この汚い城、大体キレイにしてやるぜ!!!!」(大体、なんですよね・・・)

という事で、猛ダッシュで部屋というか屋敷全体を片付け始める牡羊。

牡羊「資源ごみはこっちで、燃えるゴミはこれで~~~。こっちは、有料なのかぁ・・・。俺、金ないし・・・・・。あのばばぁどもは、これ片付けるのに金出さんだろうしなぁ・・・・・。」

姉1「姉2は、舞踏会の衣装はどんな感じにしたのですか?」
姉2「あら?お姉さま、それは探り入れてるのですか?」

二人の義理姉の話し声が聞こえる。
牡羊「へぇ、お城で舞踏会ってのがあるんだ!それで、この国の幹部に会えれば、このゴミ問題も解決してくれるかも??」

牡羊「よしゃ!!!舞踏会行ってやるぜ!」

牡羊「とはいえど、俺って走り出すのは得意だけれど、その先考えるの苦手なんだよな~~。ま、いっか!とりあえず、何があってもいいように筋トレしとこ!この体、意外としっかり筋肉着いてるから、鍛えがえあるし。」

と、毎日フルマラソンを始めた牡羊(シンデレラ)だった。

牡羊「が、しか~~し!舞踏会ってナンだ??踊るんだよな?きっと。俺、踊りなんか出来ねぇし・・・。」

ちゅちゅちゅ~~~~。
と、そこにネズミたちが牡羊(シンデレラ)の側で騒ぎだす・・・・。

牡羊「えええええ??もしかして、ハム子?・・・・。って違うっか・・。んん???なんだそれ?」

ネズミたちが、二匹でくるくる回りだす。

牡羊「ん??もしかして、踊り方教えてくれてるのか?」

ネズミたち「ちゅちゅちゅちゅ~~~~!!!」
牡羊「おぉぅ!!サンキューな!よっしゃ、やったるぜ~~!!」

舞踏会が3日後となったある日。

姉1「ねぇ?この衣装、やっぱり私の美しさを引き立たせないと思うのよ。というか、古臭いのよね・・・。」
姉2「でも、お姉さま、我が家はもう新しドレスを買えるような余裕はないのですよ?」
姉1「ふぅ・・・・。まったくお母さまが男を見る目がなさすぎで、私達も苦労しまくりですわね。」
姉2「愚痴らない!なんとしても、私達のどちらかが王子、とまでは行かないまでもお金持ち貴族と結婚して、この家を建て直しましょう!!!」

牡羊『え?なんか、この義理姉達ってそんなん悪い人達じゃないかも?って、あの継母が悪なのか?』

掃除をしながら、屋敷の事を探る牡羊。

継母「あなた、ここの所の冷害で、領土からの収穫は激減しています。このままの税率では領民たちが飢え死にしてしまいます!」
父「だが、国に納めるべきものを納めないと、領土そのものを国に取り上げられてしまうんだぞ?一体、どうすればいいんだ?」

牡羊「ほぇ??そんな話だったの?シンデレラって??いやいや、皆悪い奴じゃないじゃんwてか、イイ人だろ?まぁ、シンデレラに辛く当たってるのは兎も角として・・・。あ、これだって、もしかして貴族として破綻した時まで見据えているのか?俺は部外者だから・・・・的な?」

牡羊「み、皆~~!!俺、頑張って王子、こますわwで、皆を楽にしてやる!当日なったら、ばばぁが出てきて、舞踏会に行けるだろうし!王子やら貴族やら俺にメロメロにさせてやるぜ!待ってろよ、金持ちども!!!!」
と、決意した牡羊だった。

舞踏会当日。
継母「それじゃ、私達は舞踏会に行きますので、後の事はお任せしましたよ、シンデレラ。」
牡羊(シンデレラ)「お任せくださって、ありがとうございます!しっかりと、この家を守りますわ、おかあさま!お姉さま方、しっかりと良き伴侶を見定め下さい!いってらっしゃい!!」

継母と二人の姉、父が乗った馬車がお城へと向かう。
牡羊「ふぅ~~。屋敷の守りって言ったって、この貧乏屋敷に盗みに入る間抜けなんて居ないってw入っても、ネズミやら蜘蛛やらだろ?」
と言いながら、ネズミたちにウィンクする牡羊。
陽気にくるくる回るネズミたち。

と、夕暮れ迫る屋敷前に眩いまでの光の玉が落ちて来た。
牡羊「んんん???うっぉぉぉ、なんじゃこりゃ??」

牡羊君がシンデレラ?
ごめんよ、シンデレラ・・・。

この先が見えた人は、次回、答え合わせしてみてね~~!
私も結果が分からんわ~~~(笑)

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