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12星座もしもシリーズ57カオス編(地星座編)

山羊「ったく!どいつもこいつも、役立たずなんだから!!!!」
いつになく?というかいつも以上にエキサイトしている山羊。

ちまたでは『冷静沈着、剛毅果断、用意周到』などと言われる事が多い山羊。
ただの完璧主義、ではない。
山羊の完璧=頂点である!

でも、そうなってくると、どうしても人に任せきれない部分が出て来る。
結果、多くのコトを抱える事に・・・。

今も、寮の問題やら、学園祭や留学に関する準備でスケージュールはびっしりだ。

生徒会での作業だけでは足りず、部屋にはありとあらゆる資料が運び込まれていた。
部屋には、書物と書類が散乱している。
山羊「確かに書類書物が部屋を占領しています。が、しかし!!!!!これは散らかっているわけではないのです!その証拠に、学園祭に関する書類はここ、現代国語のプリントはここ、という具合に私の脳内では全て整理されているのですから!!!」
と、心の中で部屋の散乱具合を言い訳する山羊。

もう、何日ベッドで寝ていないだろう??
そろそろ、夏休みも終わるから、なんとかしないと・・・・・・。
宿題なんぞ、もらったその日に終わらせた!が、後期の予習はまだ終わっていない科目もある・・・。
山羊「あいつが獅子君の別荘に行くとか言い出さなきゃ、こんなことにならなかったのに!!!!無駄な時間を過ごしてしまったわ!!!」

なんて思いながらも、少しと言うか大いに獅子の別荘でのバカンスを楽しんだ山羊ではあった・・・。
山羊「ご褒美の後には必ず試練があるものよ!頑張れ、山羊!!!」
なんて、自分を鼓舞して頑張る山羊。

だが、しかし・・・。
普段、体は鍛えているのだが、さすがに寝不足のあまり、そのまま資料に埋もれて倒れてしまった山羊・・・。
倒れる書物。
散らばる書類・・・。

こうして、山羊の部屋はカオスになっていく。
山羊「どこになにがあるのか、きっちり把握してますから、カオスではありません!断固として!」

牡牛「え~~っと・・・。これ、めちゃカッコいいですぅ!!!漫画の参考になるかも??ですぅぅ!!」
てな感じでanazonでショッピングな牡牛。
まぁ、本で資料になりそうなのはなるべく電子書籍で買うようにしている。

前までは紙だったのだけれど、あまりの部屋の乱雑さに、乙女に言われたのだった。
乙女「牡牛さん、好きな物に囲まれていたいのは理解できます。ですが、本棚への収納可能な範囲を超えての所有は、部屋を狭くして乱雑にし、結局は役に立たないのでは?」

正論過ぎて返す言葉もなく・・・。
で、本類は電子書籍で買うようになった牡牛。

牡牛「わたしのオンライン本棚にうっとりですぅ~~!」
牡牛のオンライン本棚は、イロイロなサイトで購入した本で埋め尽くされていた。

牡牛「こっちの棚は、空いてるですしぃ~~~。ホント、水瓶君が作ってくれたバーチャル・マイ・図書館には感謝しかないですぅ!!おかげで部屋も広くなって、スッキリ!!!」

ぴろぽろりん!
LUINにチャットが入る。
牡牛祖母「牡牛、元気?今、○○国に来てるの!で、現地で長年伝えられている、幸運のミイラっていうの買っちゃった!お前にも送るね!これがあると、黙ってても幸運が訪れるんだって!」
牡牛「あ、ありがとぅ~~」
と、メッセージを送る牡牛。

牡牛「・・・・。せっかく人が頑張ってるのに、なんでうちの家族は物送りたがるんですかぁぁ???」
牡牛が努力して部屋にスキマをつくっても、それを埋める以上に物を送ってくる牡牛一家。

牡牛母「この前、陶芸教室で作ったマグカップ、ものすごく良い出来だったのよ!もう、私の生涯で一番の傑作と言ってもいい出来なのよ!だから、牡牛にも1つ送るね!家宝にして欲しいわ!」

牡牛父「いや~~、父さんな、この前オファーあった企業との制約成立したんだわ!で、そこの商品の『書くだけではっぴー!幸運を呼ぶノート』てのを30冊程送ったから!!学園上部&友達に配って宣伝よろしく!!」

牡牛兄「今、会社で『触るだけで即寝落ち!究極スリーパー!』って抱き枕を試作してんだけど、何点か送るから感想よろ~~!」

牡牛が意図せず送られてきたおめん、マグカップ、ノート、抱き枕・・・・で、部屋はいっぱいに。
こうやって集まった物は、なかなか片付けられず・・・。
牡牛「これ、デジタル化できないんですかぁ??」

こうして、牡牛の部屋はカオスになっていく。
牡牛「まぁ、愛情たっぷりって、贅沢ですよね?」


夏休みもあと3日で終わりという日、学園寮に戻って来た乙女。
乙女「しばらく部屋を空けていたから、まずはみっちり掃除しなくちゃ!ね。」
と、部屋の掃除を始めた。
牡牛が見れば掃除の必要なんてないんじゃない?てな具合に片付いている部屋ではある。

乙女「私が留守にしている間、空気中のほこりが落ちてあちこちに堆積しているに違いない!許さん!」
なんて言いながら、せっせと掃除機をかけ、雑巾がけし終えた乙女。

乙女「ぷは~~!さすがに疲れました!一旦、休憩にしますか!会長と牡牛さんも誘ってみましょう。」

そのまま、山羊と牡牛を誘ってお茶して部屋に戻って来た乙女。

部屋の戸を開けると・・・・、なにやらひそんでいる気配が・・・。

暑いので窓を開けっぱなしにして部屋を出たのだが、よくよく見ると網戸が少しだけ開いていたようだった。
途端に体が硬直し、険しい表情になりわなわなと震え出した乙女。

乙女「どうやら私が留守なのを良い事に、部屋に入り込んだ物がいるようですね!!」
だがしかし・・・・。
乙女「追い出したいのはやまやまなのですが、もし万が一遭遇したとしても、ブツによっては対処できないかも・・・・。」
牡牛も虫はかなり苦手。
となると、唯一なんとか出来そうな女子寮にいる人物は、山羊しか考えられなかった。
乙女「こんな事で会長を煩わせたくないわ。自力で頑張るしかない!」

それからは掃除機片手に(万が一出会ったら吸い込ませる予定)部屋の中の虫捜索をし続ける乙女。
が、それから小一時間探しても虫は見当たらなかった。
乙女「単なる気のせいだったのかしら?」
すっかり汗だくになった乙女。

乙女「ど、どうしましょ?奴は見つからないし、私は汗だくだし・・・。うかうかしてると晩御飯を作る時間になってしまいます・・・」
なんて思いながらもとりあえずお風呂に行って、ご飯タイムを過ごして部屋に戻って来た乙女。

部屋の電気を灯す・・・。
なんとなくというか、微かに虫の羽音が聞こえた。
乙女「き、気のせいですよね?さっきあんなに探していなかったんだし。」

好きな本を読み、ディフューザーにラベンダーのアロマをセットしてリラックス。
でも・・・・・・。

いつもの時間にベッドに入った乙女。
乙女「・・・。」

乙女「・・・・・。」

乙女「・・・・・・・・。」

いつもなら、入眠儀式が終わって10分程で眠りにつき始める乙女だったが、その日は違った。
乙女「だ、ダメだ・・・・・。無視しようとしたけれど・・・・気になりすぎる!!!!!」

ベッドから飛び起き、掃除機片手に、片っ端から家具を移動させ虫を探し始めた。

乙女「どこにいるの??いい加減見つかってよ!!!!」
終いには、部屋から家具を出し始めた乙女。

隣の部屋の山羊が飛び起きて部屋の外に出て来た!
山羊「乙女さん!!こんな真夜中に何してるんです???」

乙女「か、会長~~~!!!!」
山羊が乙女の部屋の前にかけつけると・・・・。

そこには、戦地跡が広がっていた・・。

こうして、乙女の部屋はカオスになっていく。
乙女「これは、カオスではありません!」

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